特別支援教育移行に向けての所沢市の基本姿勢についてでございます。
2006年6月学校教育法が一部改正されました。そして、2007年4月より、従来の障害児に加えて、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)・高機能自閉症などの子どもたちにも十分な配慮と支援を行うという事が法律で決めれました。都道府県及び政令指定都市では、それを受けて特別支援教育基本計画を現在策定中でございます。
所沢市では他市に先駆けて専門家チームによる支援を開始したわけですが、現時点での進捗状況と成果について教えて下さい。
そして、所沢市の場合は県の基本計画に基づいて支援計画を作成するという事でありますが、33万9千人の都市でありますので、私は所沢市でも特別支援教育についての公式の計画を定めるべきではないかと思いますが、これについてもご見解をお願い致します。
また、学校教育法施行規則第73条21第1項で、これまでは通級の対象外であったLD・ADHDの児童・生徒が正式に通級の対象となりました。以前は軽度発達障害の子どもが、通級、情緒学級に行くという事は施行規則上は認められていませんでしたが、今回正式に位置づけられました。所沢市としては通級に関してこれからどういった取り組みを進めていくおつもりなのかお聞かせ下さい。
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浅野学校教育部長
特別支援教育移行に向けての所沢市の基本姿勢についてお答え致します。
まず、本年度からスタート致しました本市の特別支援教育専門家チーム委員会の進捗状況でございますが、市内を4つのブロックに分けまして年間10回の開催を予定しております。去る8月24日に第4回の幼稚園・保育園ブロックまで終了しており、今月の25日の開催におきまして市内全域を一巡するところでございます。
専門家チーム委員会では、各ブロックにおきまして、心理や発達の専門家による巡回相談を事前に行い、専門医による判断や諸検査の分析もあり、各委員より活発な協議が行われております。その結果は専門家チーム委員会の判断と意見として書面にまとめ、専門家チーム委員が学校に出向きまして関係教職員に伝えるだけでなく、保護者にも具体的な支援の方法や医療機関との連携について助言を行っているところでございます。
これまでの活動における成果でございますけれども、
一つ目は、小児神経科の医師や心理・発達を専門とする大学関係者など有識者によるアドバイスを受けることで、幼児・児童・生徒の実態を正しく把握し、その障害の特徴を踏まえた支援の方法を具体的に協議することができているということでございます。
二つ目は、学校関係の専門家チーム委員を中心に教室環境の改善方法や活動場面に応じた対応策を具体的に検討いたしまして、その児童・生徒だけでなく学級全体への取り組みを示唆することができているところでございます。
三つ目は、これらの取り組みを終始、各小中学校の特別支援教育コーディネーターが参観いたしまして、個に応じた教育的支援について話し合う方法や現実的な対応策について研修を行うことができているということでございます。
参加したコーディネーターからは、自校の持つケースと重なることが多く、次々出される支援の具体的な方法が大変参考になった、校内での話し合いの流れや方法が分かってきましたという感想が寄せられております。
これらの成果におきましては、8月28日市立教育センター主催の特別支援教育研修会において発表されただけでなく、埼玉県の特別支援教育コーディネーター研修会においても発表してきたところでございます。
次に、所沢市における特別支援教育の方針についてでございますが、本年度スタートいたしました特別支援教育専門家チーム委員会を通して、本市の幼児・児童・生徒の状況を把握し、課題を整理してその方向性を定めていきたいという風に考えております。
また、本年度より、LD・ADHDの児童・生徒については通級による指導の対象となりました。教育委員会としましては、発達障害・情緒障害通級指導教室につきましても、支援のひとつとしてニーズを踏まえながら前向きに検討していきたいと考えております。
今後も、LD・ADHD等を含めて障害のある幼児・児童・生徒の自立や社会参加に向け、特別支援教育専門家チーム委員会を中心に、健やか輝き支援室や教育センターの教育相談室等とも連携をしながら取り組みを更に広げ、特別支援教育の更なる充実を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
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