« 2008年06月 | メイン | 2008年08月 »

2008年07月24日

2008.06議会 一般質問② IT調達指針の作成について

 ITに関する質問はマニアックだからやめろという方もいらっしゃいますが、今回はITの問題というより、市役所と業者との関係をどう正していくかという話ですので、お付き合い下さい。

 7階の情報統計課の部屋は、秘密情報を扱うせいか、他の課とは違って、わざわざ別の扉で仕切られています。それだけ、情報の扱いに気をつけていることかと思います。しかし、意外なことに、あの私もなかなか入りにくい部屋に、市職員以外の外部の業者の方が一緒に仕事されていることを知らない方は多いのではないでしょうか。
 もし、例えば、下水道部のスペースに、所沢市の下水道工事を請け負っている会社の社員が常駐していたら、皆さんも不思議に思われるかもしれません。
 しかし、情報統計課では、その不思議なことがおこなわれているのです。
 情報統計課には、所沢市の汎用コンピューターの管理のために、システムを提供しているベンダーのSEが、常駐しています。
 ここで、質問ですが、

Q くわけん 情報統計課にベンダーSEが同じスペースに常駐していると思うが、現状では何人が常駐して同じ部屋にいるのか?
当然ながら、課内で交わされる会話は聞かれることになってしまうが、このことについてなんらかの配慮義務をおこなっているのか?
SEとの関係は、派遣契約かそれとも業務委託契約か?

 A 小野総合政策部長 現在、情報統計課に、業務委託契約によって、汎用コンピューターの運用管理に5名、全庁ネットワークの運用管理に2名のSEが情報統計課の事務室に常駐している。
 常駐SEの同室は、庁舎内の事務スペースの制約により余儀なくされている。常駐SEに知られるべきではない業務上の打ち合わせを行う場合は情報統計課の会議室で行い、業務上の重要な書類については、直接常駐SEの目に触れないように、ロッカーやキャビネットに保管するなど、機密の保持については、可能な限りで配慮。
 しかし、より一層の機密保持のためには、事務室と区分された場所で業務をしてもらうことが好ましい。今後の機構改革時に改善を図りたい。


 政府が策定した、「情報システムに係る政府調達の基本指針」では、調達仕様書の作成関与者、工程管理支援事業者(発注者の立場で設計・開発等の工程管理を担う事業者)などの入札を制限している。
 中野区では、「情報システムに係る政府調達の基本指針」に沿った形で、調達指針の中にIT調達に関する指針も掲げている。

Q くわけん
 中野区の調達指針では、見積もりに関った業者は、本選定には関与できないと明確に規定している。所沢市にも、情報システム調達ガイドがあり、これはこれで、大変よくできているとは思うが、やはり、所沢市も総務省指針にそった形で、IT調達原則を定めるべきと考えるがいかがか?

A 小野総合政策部長
 本市でも、所沢市情報システム調達ガイドを平成19年3月に作成、全庁配布し、適切な調達に努めている。
 今後は、システムの要件定義を行った業者に対する入札制限など、ガイドの内容を一層充実させ、さらにコンプライアンスの確保を図っていきたい。


(2回目)
 当然ながら、業務委託契約である以上は、民法でいうところの請負契約ということになる。情報統計課に常駐しているSEについては、市の職員が、業務上の指示を直接すると法令違反に問われる。これは情報統計課内部だけではなく、例えばあるシステムを導入する際に、庁内に業務委託でいるSEに直接担当課がヒアリングを行うことも、問題である。

 Q くわけん
 埼玉県市長会における公共調達改革でも、コンプライアンスの徹底ということが謳われている。
この点を、この調達マニュアルには明記されていない。そういった点の周知徹底をどのように図っていくのか?

 また、やはり、常駐SEのいる場所と、情報統計課は物理的に分離するのが原則かと思う。例えば、部屋を分けるのが理想であるが、もしそれがすぐにできないとなると、パーティションで仕切るなどの必要があるのではないか?


 A 小野総合政策部長
 SEに対する市職員からの直接の指示は職業安定法に違反することは十分認識している。
 現在は、情報調達ガイドには掲載していないが、SEに対して指示を出す場合医は、必ず責任者を通じて出すように徹底している。
 場所の問題については、カーテンやパーティションでうまく仕切れるのか工夫してみたい。

2008年07月18日

2008.06議会 一般質問① 市政懇談会開催について


くわけん
 私たち議員が、地域の課題を議会の場を通じて、市政に伝えていくというのも重要なことだと思いますが、やはり市長も、実際に現地に出かけていって、市民の声を聞くということは二元代表制の観点から言っても大事なことだと思います。

 平成19年12月議会でも4番議員、18番議員が質問していたが、まだ、行う気配がない。
市長が市内各地区それぞれで住民を集めて懇談する市政懇談会、いわゆるタウンミーティングを開催してはどうか?


当麻市長
 タウンミーティング開催に当たり、要領等を調整中。実施の形態については、テーマを定めて広く住民の意見を聴く形式、町内会・長生クラブ等の地域からの要請で開催する形式、どなたでも参加できるオープン型の形式などを検討中。早い時期に開催できるよう準備を進めている。

2008年07月09日

シンポジウム 「地方政府の時代」に参加

 7月6日(日) 地方政府の時代~二元代表制を問う~と題したシンポジウムに参加しました。
 主催は、早稲田大学大学院公共経営研究会など、後援はローカル・マニフェスト推進地方議員連盟。
 このシンポジウムはくわけんが加入している、ローカル・マニフェスト地方議員連盟の研修会も兼ねて
 開催されたものでした。

 会場は、早稲田大学のキャンパス。14号館という比較的最近新しく出来た建物でした。

 さて、スケジュールです。
 基本的には外部向けに大々的に開かれた会ではなかったのですが、豪華かつ多彩なメンバーが登場。

 特別講演として、増田総務大臣が「第2期分権改革と地方分権のあり方」について
 これまでの地方分権の流れと、第2期分権改革の大まかな内容について語られました。
 また、今後の分権のタイムスケジュールについても。
 <参考>栃木県のサイトが地方分権改革についてうまくまとまっているので、こちらをご覧下さい
       http://www.pref.tochigi.jp/pref/gyoukaku/bunken/1212643842596.html

 基調講演は前三重県知事で、現在早稲田大学マニフェスト研究所所長の北川正恭氏。
 「地方議会から日本を変える!」
 手元にメモがないので正確さを欠くかもしれませんが、くわけんが覚えている範囲で中身を再現すると、
 現在ある議会の存在を当たり前と思ったところから何も生まれない。
 あるべき議会の姿を目指して改革を決意して欲しい。

 また、ご自身が主宰する「せんたく」についても説明があり、
 現代の自由民権運動であり、党派を超えて、未来から現在を見つめてあるべき政治の姿を考える人びとが集まる団体。マニフェスト選挙を通じて、利益分配の政治から、政策選択の政治へと変えていく必要がある。その趣旨に共鳴した人びとが「せんたく」に集っている。
 といった内容だと記憶しています。

 しっかりアジられました。いつ聞いても北川さんの話は元気が出ます。

 余談ですが、話を聞いてヤル気が湧いてくる人物が、この北川氏と、元松下政経塾副塾長
 で、私の政経塾スタッフ時代の上司だった、上甲晃氏。
 お二人とも、不思議な力をお持ちです。

 その後、所沢市民でもある廣瀬克哉法政大学教授から「二元代表制と議会基本条例」をテーマに問題提起。
 「カット&ペーストで議会基本条例を作ってしまっているような議会もあるが、しっかりと議論をしないで作って本当に意味があるのか」とギクッとすることを言われてしまいました。
 それはその通りではあるのですが、集中力の持続という点からいっても、密度の濃い議論は必要だけれども、やはり現実的には一定の期限を切ってすすめる必要はあるのではないかと、つぶやいていました。

 その後、廣瀬先生の問題提起を受けて、前三重県議会議長岩名秀樹氏が三重県の議会改革についての、早稲田大学大学院教授片木淳氏が、神奈川県議会松田前議長のマニフェスト評価について、川崎市議会議員の堀添健氏は、所沢市と同様、来年3月の制定を目指す議会基本条例の経緯と今後について、藤沢市長の海老根靖典氏からは、市議会議員と市長との立場の違いや、市議会議員や市長としてのマニフェスト作りの苦労についてそれぞれ報告がありました。

 まとめとして、廣瀬克哉氏が改めて、議会基本条例制定の意義について言及がありました。
 1) 市民の方々に議会のあり方を示す
 2) 条例をテコに議会改革を進める
 3) 議会の予算事業を条例で裏付ける

 3)についてはちょっと説明が必要でしょう。例えば、議会基本条例で住民公聴会が項目として
 入っていたばあい、住民公聴会の開催にかかる経費は条例に裏付けられた支出といえます。
 現実には、議会基本条例がなくても、住民公聴会の予算を可決してしまえば、予算の執行は可能です。
 しかし、予算執行を伴う事業は、恣意的な運用を避けるためにも、なるべく、条例や計画に裏づけがあることがアカウンタビリティの観点からも重要とされています。

 例えば、議事録の作成や、これから始まるインターネット中継、議会報などは、地方自治法や当然条例に裏づけのない、予算事業です。
 3)の観点は、案外、議会基本条例を議論する上で、これまで気づいていなかったのですが、重要な論点ではないかと改めて感じ入ったわけです。
 さすが、廣瀬先生!

 

  

2008年07月02日

身近にある奇跡「ふくじゅそう」

 6月30日(月)午後 新所沢ボランティアグループ「ふくじゅそう」の30周年記念の会がありました。

 「ふくじゅそう」は30年前の昭和53年、地域のひとり暮らしの高齢者に集まる機会を提供するために生まれました。

 当初は、民家を借りて活動していましたが、現在は、かつての市営の質屋だった施設を拠点に活動をされています。

 活動内容は、高齢の方々への月2回の昼食会、配食サービスや、茶話会、資金源確保のためのバザーや手芸などを行っています。

 今回、30周年にあわせてふくじゅそうの皆さんが記念誌を発刊されました。
 その記念誌にくわけんが寄稿した内容を以下掲載いたします。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
身近にある奇跡「ふくじゅそう」
桑畠健也
 この30年で、高齢者をとりまく環境も、介護保険制度の誕生で激変しました。
 確かに介護保険は使いやすく便利な制度です。
 先日も民生委員さんとの話合いで、65歳以上の高齢者に対する支援制度は、ずいぶん整ってきたという話になりました。
 しかし、一方でお互いの助け合いの精神のようなものが、薄まってしまったような気もします。
 家族や地域の支えあいや助け合いが前提にあって、その上に介護保険があったはずです。ところが現実は介護保険だけが肥大化してしまったのです。
 本来中心になるべき、支えあいや助け合いの活動は脇へ追いやられてしまった印象です。
 そういう意味でいうとある種の逆風にたえながら、ふくじゅそうの皆さんが、助け合いの精神で地道な活動を30年間も継続できたことは、私は身近にある奇跡だと思います。
 ふくじゅそうの皆様のこれまでの根気強い活動に改めて敬意を表させていただきます。30周年おめでとうございます。そして、50周年に向けて私も微力ながらお手伝いをさせていただきたいとささやかに思っております。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□