道州制議論について
道州制について、さまざまな議論がされていますが、先日紹介した、渡辺喜美氏が
「道州制をやろうという思いは民主党にもあったじゃありませんか。原口大臣いかがですか。」
に答えて、原口大臣が、
「私たちは基礎的自治体なんです。今のいわゆるしがらんだ中央集権のピラミッドを8つに分けて、そこに分けたところでそれは改革とは言わない、そう考えております。」
と答えています。
以前、松下政経塾地方議員の会で、原口大臣を訪問した際に、同じ質問をさせていただきましたが、やはり市町村、基礎自治体への権限移譲がまず先であるとの答えでした。
また、「道州制は必ずしも否定しないが、現実に現場からは道州制をぜひやりたいという声はまだあがってきていない」というような趣旨の回答でした。
私も、原口大臣に近い考えて、道州制は、松下政経塾の卒塾生として常に考えていかなくてはいけない、松下幸之助さんからの「宿題」、禅で言えば、「無税国家」と同様の「公案」のようなものととらえています。よって、まずは基礎自治体への権限移譲。そして、地理的に言えば、北海道、沖縄、九州、四国など地理的にもまとまりのある道州から段階的に進めていくべきではないかと考えています。そのことを、以前、道州制を熱心に提唱していらっしゃるPHP研究所のある方に投げかけてみたところ、「いや、やはりやる以上は全国一斉じゃないと、結局やらないのと一緒の結果になってしまう」「道州制は地方制度改革でもあるが、実際は官僚機構改革なのだ、中途半端なことでは、官僚機構は温存されてしまう」との回答でした。なるほど、それも一理あるなと思いましたが、本格的な道州制は憲法議論との摩擦がやはり潜在的には生じてしまうことと、関東や関西などで、どこをどのように区分けするかについては相当難渋しそうなので、まずは、基礎自治体への権限移譲を先行的に進めながら、漸進的に国の形をかえていくしかないのではないかというのが、現在の考えです。