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2010年11月08日

四日市市議会も訪問しました

 名古屋市会につづき、四日市市議会を2日に訪問しました。四日市市議会は、議会改革の先進地としてつとに有名な市議会です。今回は、シビックミーティングという議会報告会に近い形での催しを行っていることから、視察しました。

2010年11月04日

議会運営委員会視察で名古屋市会に来ています③

 まあ、他にも色々とお話をお聞きすることができたのですが、それはまた別の機会に譲らせていただき
 私が名古屋市会で視察の際に質問した項目に限ってそのやり取りを紹介させていただきます。

 Q1 もし河村市長が言うように、10%減税で議会がけしからんというのなら、本来であれば、10%減税の是非に焦点をしぼって住民投票を実施するという方法があったのではないか?
 A1 そういう動きもあったが、とにかく河村市長としては、まず始めに議会解散ありきというのがあるようだ。

 Q2 報酬の引き下げに当たっては市長も議員も特別職等報酬審議会の議を経ることになっているが、河村市長は審議会に諮ったのか?
 A2 実際に諮ったのだか、審議会では答申を保留ということになってしまった。

 以上、どちらかといえば河村市長に批判的な意見を書いてきましたが、ただ、一つ言えるのはやはり、河村市長の存在があったからこそ、名古屋市会の改革は進んでいるというのも否定できない事実かと思います。
 これは名古屋市にかぎらず、地方議会は首長との関係で改革の方向性が規定されます。首長が議会攻撃型の場合、議会改革はほぼ全会一致で進みます。いわゆる首長少数与党型もポテンシャルとしては議会改革が進みやすい傾向があります。わが所沢市議会はこのパターンになります。首長を支える与党が圧倒的多数の議会においては、なかなか議会改革は進まないようです。判断基準は、首長提案の議案に対する否決・修正数、否決・修正率です。
 
 そして、河村市長に同調されている市民の方々も、河村市長を支持する、しないということもあるでしょうが、やはりこれまでの市議会や行政のあり方に対して疑問を感じている方が多いということなのでしょう。

 ただ、私が市議会議員だから言うわけではないのですが、誠に残念なのは、行政に対する不信として、なぜか行政に向かわずに、4年に1度有権者が選挙を通じて辞めさせることが可能な議員ばかりを減らそうというのは、多少疑問が残ります。
 特に、今、国会議員選挙での一票の格差の問題が取り上げられていますが、同じ人口規模で、議員数に極端に差がでてしまうと、これもある種一票の格差といえるのではないでしょうか?


 河村市長は今は、メディアを使って、メディアを味方につけて活動をしていますが、これまでのこういったメディア利用型の政治家は、ある変曲点を超えた瞬間、メディアは手のひらを返したように、同じかそれ以上の風圧で、利用した人間を攻撃し始める習性があることには気をつけなくてはいけません。その変曲点は意外ともうすぐやってくるのではないかという気がします。

2010年11月03日

議会運営委員会視察で名古屋市会に来ています②

 さて、名古屋市会、市議会解散リコールのおさらいですが、署名については、受任者もしくは請求代表者が直接署名者と対面して署名をいただくのが基本のようです。

 ですから、回覧板で署名簿を回したり、喫茶店などに署名簿を置いておくというのは、当然受任者との直接対面が限りなくありえないわけですから無効になってしまうということです。

 受け取った署名簿については、20日以内に審査結果をまとめなくてはいけないのですが、10月4日に提出されたので、本来であれば24日までに結果がでなくてはいけません。

 この20日以内というルールが守られないことをもって、河村市長派は市選管に講義に出向いたようです。この点をもって、市選管は偏向しているというのが、河村市長派の根拠となっています。

 ところが、河村市長本人も、20日以内に公布すべき条例を公布していない前歴があります。

以下 そのこと伝える産経新聞記事の引用

河村市長、議会可決条例を公布せず再議へ 市政計画も行使
2010.7.20 11:59 産経新聞
 名古屋市の河村たかし市長は20日までに、6月議会で議員が提出し可決された予算編成に関する3条例について、市長の予算提案権侵害などを理由に公布を見送った。議会が撤回や修正に応じない場合、9月議会で再議権を行使する考え。地方自治法が定める条例の公布期限は19日だった。

 河村市長は「議員は行政責任を取らない非常勤。(今回の条例提出は)議会の権限を越えている」と反発。市民税減税恒久化などをめぐって続く市議会との対立は混迷を極めている。

 3条例は民主、自民、公明の各党市議団がそれぞれ提出し修正可決。予算編成過程で議会側が資料要求できることや、査定段階でも情報開示することなどを定めている。

 市長は20日、公約実現に関する部分が削除、修正され、可決された平成24年度までの市政運営計画「中期戦略ビジョン」についても、再議権を行使する考えを示した。

以上 引用終わり


つづいて10月にも同じようなことをやっています。

朝日新聞の記事から

名古屋市の事業仕分け、市主導で 河村市長方針
2010年10月10日11時30分

 河村たかし名古屋市長は9月定例市議会で再可決された議員提案の「名古屋版事業仕分け条例」を公布せず、一方で独自に事業仕分けを実施する方針を決めた。条例では議長が指名した議員が仕分けに参加するが、河村市長は「市長の権限を議会側が限定するものだ」などとしてこれを拒み、あくまで市主導で仕分け作業にあたる考えだ。

 8日午前の記者会見で明らかにした。河村市長は「事業仕分け自体には賛成している」と述べ、新年度予算編成に向けた事業仕分けの実施を表明。市が定期的に支出してきた国の外郭団体への負担金の是非などについて、市民参加の場で決めるという。予算案の公表も前倒しする方針。

 「仕分け条例」は民主党市議団が中心になって6月議会で提案され、可決された。これに対し、河村市長は「議員が仕分けするのは越権」として審議のやり直しを要求。9月議会で再議されたが、議会側は再び可決した。

 このため、河村市長は地方自治法に基づき、同様に再可決された「中期戦略ビジョン」とあわせ、愛知県知事に是非について審査を求める方針を表明。市長は条例を公布しない方針で、議会が可決した条例が効力をもたない異例の状況が長期化しそうだ。

 市議会からは反発の声が上がっており、民主党市議の一人は「自分が仕分けをしたいがために、議員条例を『けしからん』と言ってるようなもの。情けない」と語った。(豊岡亮、寺西哲生)

以上 引用おわり


 河村市長のおもしろい点は、自分の敵が法律を守らない場合は非難するが、自分は法律を順守しなくても平気、あるいは独自解釈をするという特異な体質の持ち主のようです。

 

2010年11月01日

議会運営委員会視察で名古屋市会に来ています①

 本日11月1日、名古屋市会(市議会:旧5大市の横浜、名古屋、京都、大阪、神戸は市議会を市会といいます。ですので、以下名古屋市議会については市会と表現します)に来ています。名古屋市会は、河村たかし市長の就任以来、矢継ぎ早の議会改革を進め、あっという間に、議会改革のトップランナーと言ってもいい存在となりました。
今回は、是非その実態を伺いたいとのことで議会運営委員会の12名に、議長、副議長、事務局2名の計16名で訪問しました。

 最初に、議会運営委員会の部屋に案内いただきました。そこで目に入ってきたのが、議会が記者会見用に使うパネルでした。河村たかし市長に対抗して市議会でも創られたとのことでした。
 予算が付かなかったため、議長・副議長がポケットマネーで作成したとのことでした。(5万円)
パネルには、「市民に開かれた議会」「議会改革進行中!」「市民に身近な議会」という言葉が書かれていました。
実際の記者会見の様子を見てみてください。
緑色と白色の市松模様になっているパネルがそうです。

 現在、ご承知のように、河村市長派のグループが行った市会のリコールが、選挙管理委員会にて、審査中で、法定約36万人分を超える約46万5千人の署名が集まったそうですが、署名受任者の記入がない分が約11万4千人分あるということで、その分の確認作業中だそうです。
 先日も、今度は、選挙管理委員会に河村市長派が抗議に押しかけたそうです。

 河村市長派のもくろみとしては、市長選挙、市議選挙、知事選挙同日を狙って市議会解散のリコールを求めていたようですが、日程的には難しくなってきたそうで、市議選も、このままでいけば、統一地方選挙で実施される可能性が高くなりそうです。

 私も知らなかったのですが、リコール署名用紙には、自分の名前と同時に、受任者の名前を記入しなくてはならないそうで、その名前の記入がないと署名の効力が無くなるとのこと。

 しかし、これも、どうやら見解が分かれていて、口頭では空欄でもかまわないとの説明をうけていたとの話もあり、選管に市議会議員OBが多いこともあって、意図的な審査ではないのかという声も上がっているそうです。

 ある名古屋の方によると、町内会の回覧で署名簿が回ってきたということで、河村市長派はあくまでも街頭で集めたと主張しているそうですが、もし町内会の回覧で集めたとなれば、やはり受任者が直接署名を集めたことにはならないので、この点も問題になっているようです。

 リコール署名に関する朝日新聞の記事が以上の事情をうまく説明している 

 選管が偏向していると主張する週刊ダイヤモンドの記事:この記事を書いている方は、阿久根はダメ、名古屋はいいという論を展開されています。

 いずれにせよ、政府もこういった地方議員の報酬や定数など重要事項について、住民投票を義務づけるような地方自治法改正をもくろんでいるとのことですので、話は名古屋から始まってオオゴトになりつつあるようです。
 
 地方自治法改正案提出へ 住民投票に法的拘束力(11月1日 産経新聞)

  多分、これからも地方議会は要らないという勢力と、それに対抗して地方議会を改革していこうという動きとの改革競争がますます激しくなっていくこととなるのでしょう。
 
 わが所沢市議会も有権者や所沢市民のみなさんに要らないといわれないように改革をすすめてきました。しかし、ここにきて、政権の一部にも地方議会の大幅な整理統廃合をもくろんでいる意図も見え隠れしてきました。

 名古屋市における一連の騒動は、河村市長の特異なキャラクターに基づく活動と認識してきましたが、むしろ、河村市長を先兵とした、より大きな流れの一里塚として捉える必要があるのかもしれないと思った次第です。

 つづく
 
 
  

http://www.asahi.com/politics/update/1023/NGY201010230001.html