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2011年09月29日

2011.09  一般質問② 航空発祥100周年について

震災の影響などもあり、せっかくの好機を生かし切れなかった印象である。
思ったほど盛り上がらなかった印象。

くわけん 市長に 100周年の記念事業の評価は

当麻市長 これまでの取り組みにより、市内外の幅広い年代の皆様に航空発祥の地所沢をアピールできた。

くわけん 部長に ところで、わたしも夏の地元紙への記事の投稿で指摘させていただいたが、サイトの年表に、陸軍航空学校の創設年が記載されていないが、これは意図的なものか?

大舘総合政策部長 所沢の航空史にとって、陸軍航空学校の存在は非常に重要な点でもあるので、早速年表に記載。意図的なものではない。

ところで、私も、もっと早くに指摘すべきだったと後悔しているが、こういった周年事業には記念誌がつきもの。市政60周年でも記念誌が作成された。
記念誌があれば、それまでの歴史を振り返るなどができる。

くわけん 市長に 今回は100周年の記念誌を作成しないのか?また、なぜ作成しなかったのか。その理由はなにか。

当麻市長 記念誌については、「米軍所沢通信基地の返還を求めて」に歴史的なことなども記載されていることから発行の予定はないが、記念誌に変わるものとして、今回100周年の記念事業をまとめた報告書については作成する予定。

くわけん 部長に 土地所有者の方から、日本最初の航空事故の現場が寄附されたと聞いているがどうなったのか?

大舘総合政策部長 詳細は把握していない。
桑野財務部長   私のほうでも把握していない。

所沢市史をみても、どうも、記述が薄い気がする。

くわけん 教育長に 所沢の航空の歴史、特に陸軍航空学校の歴史生涯学習推進センターふるさと研究部門で改めて調査研究する必要があるのではないか

佐藤教育長 生涯学習センターにおいては、絵はがきで見る所沢の航空100周年企画展を開催。アンリ・ファルマン機の複製模型を市役所市民ホールに半年間展示。
所沢市史の中に、所沢飛行場に関わる記述、用地買収に伴う問題、飛行場開設がもたらしたまちの振興など、地域社会と飛行機の関わりが中心になって市史の中にある。
所沢飛行場史をより豊かなものにする必要性は感じているが、その実現には、戦史や軍政史等、地域史にとどまらず、専門的な知識や調査のノウハウをもった調査母体などと時間をかけて検討することが大切。

2011年09月21日

議案第62号 への渋々の賛成討論

珍しく賛成討論をいたしました。
当麻市長から指摘されて気づいたのですが、当麻市長になってから、初めての本会議での賛成討論だったそうです。
委員会では、よくこういった形の賛成討論はしてきたのですが、本会議場では初めてでした。
内容を見ていただければわかると思いますが、渋々賛成して、問題点を指摘しておきました。
地方分権は、特に地方税についてはまだまだ先、といった印象です。


議案第62号 所沢市税条例等の一部を改正する条例制定についてしぶしぶ賛成の立場から意見を述べさせていただきます。

本条例については、地方税法の一部改正に伴う条例提案とのことで提案されました。地方税法の改正に伴う地方税条例改正は、2000年の地方分権一括法施行以後は、地方税法の改正箇所すべてをそのまま何の思慮もなく取り込むのではなく、それぞれの地域の実情に合わせて、対応することが求められるようになったと理解しております。
また、本年の地方自治法の改正によって、国の安全を脅かす以外の法定受託事務についても地方自治法96条第2項の議決事項に加わったことをみても、地方分権の流れは確実に加速しつつあります。
にもかかわらず、今回所沢市長は、改正の必要性の有無を検討することなく、あたかも、法定受託事務のごとく、機械的に、地方税条例の改正を提案しました。例えば、これまで申告されないという実績が生じていない、たばこ申告税の未申告についての過料をあらたに条例に加えようとしました。同様に、市民税についても過料を科した実績がないにもかかわらず一方的に、過料を3万円から10万円に引き上げるという提案を行いました。
条例制定及び改正の前提条件は、立法事実が存在することであり、過料を科した立法事実もなしに、一方的に過料を引き上げるのは、条例制定権の乱用のそしりをまねかれず、まさに「雀を撃つのに大砲を使ってはならない」という比例原則に照らしてみても、おおいに疑義のあるところであります。
ただ、残念ながら、現行において実態上は、課税自主権は著しく制約されており、所沢市の実情に合わせて、地方税条例を改正すると、そもそも埼玉県や国などが示す地方税条例(例)との乖離が著しくなり、今後の改正において参照条文先が一致しなくなるなどの混乱を来してしまう可能性があります。
とくに、所沢市においては法務部門がきわめて脆弱であり、いたずらに、所沢市の実情にあわせて、条例の修正を行った場合、その後の混乱も憂慮されるところであります。
本来であれば、議会はマグナカルタの時代から、徴税権力のチェックが最大の任務の一つであることからすれば、条例の修正もしくは削除を行うべきところでありますが、今回は、今後の法務体制の充実に期待し、しぶしぶながら、本議案に賛成いたしたいと思います。次回、徴税に関わる地方税条例改正に当たっては、所沢市の実態に合わせた改正案の提案をお願いするものです。

2011年09月14日

2011.09  一般質問① 東京電力に対する損害賠償請求は?

天災は避けようもないが、計画停電はあきらかに東京電力の管理不行き届きによる人災
報道では、津波の可能性を10日前に指摘されていた
東北電力女川原子力発電所は、津波想定して設計

くわけん 理事にお聞きします所沢市における、計画停電や放射性物質拡散による被害の状況と被害総額、主な被害のものをお示し下さい。

鈴木危機管理担当理事 計画停電実施に伴う主な被害としては、下水道部では計画停電地区のマンホールポンプの停止、浄化センター停電に伴う流入停止及び市民医療センターにおける人間ドックの中止など。
被害額については総額で約4,450万円。
主なものとしては、市民医療センターが19,554,243円、環境クリーン部では、空間放射線量等の測定及び節電対策費用などで、9,047,221円、教育委員会では、プール・給食食材の放射線量測定及び公民館等の輪番休業による収入減として5,562,585円など。

 くわけん 市長にお聞きします。東京電力に対して、損害賠償請求を行うべきでは
 当麻市長 東京電力への損害賠償請求に関しては、文部科学省に設置された「原子力損害賠償紛争審査会」において、「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」が8月5日に示された。
 この指針のなかに、その他の項目で「地方公共団体又は国が所有する財物及び地方公共団体等が民間事業者と同様の立場で行う事業に関する損害については、本件事故と相当因果関係が認められる限り、賠償の大賞となる」などの記載がある。
 損害賠償請求も可能ではないかと思われるが、当市と同様な状況にある自治体も少なくないと思われるので、調査するよう指示いたします。


 くわけん お茶についても、ここで、問題になってきている。お茶農家の方々の損害賠償請求は、一義的にはお茶農家の方々が訴えることになるだろうが、所沢市でも損害賠償請求のサポートをすべきではないのか?

 能登市民経済部長 東京電力福島原子力発電所の事故に伴う損害賠償請求については、手続きが複雑で、多岐にわたることから、とりまとめ、手続きの代行などを行うため、「JAグループ東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策埼玉県協議会」が設立。
 市としては、お茶農家の方々が損害賠償請求を行うこととなった場合、埼玉県やJAいるま野、所沢市茶業協会などと連携を図りながら、できるかぎりの支援を行っていきたい。

2011年09月12日

佐久市の住民投票を視察してきました

市長発案で住民投票を実施した長野県佐久市長を訪問

至誠クラブでは、平成23年7月21日会派5名全員で、長野県佐久市を訪問。佐久市を視察先に選択した理由は、平成22年に佐久市総合文化会館の建設の賛否を問う住民投票を実施したことによる。また、佐久市の柳田市長は、荻野議員のお知り合いということもあって、直接市長にお話を聞く機会をいただいた。
ご承知の通り、所沢市でも、住民投票条項を含む所沢市自治基本条例の制定と施行により、住民投票実施のハードルが低くなり、住民投票が行われる可能性がこれまで以上に高まっている。
しかし、現実には、日本の地方自治体で、住民投票が実施される例はまだまだ少ない。また、実施されたとしても、例えば原子力発電所や大規模土木事業の賛否や、合併についての賛否を問う場合に実施されることが多い。佐久市のように、ハコモノ建設の是非を巡って住民投票が行われた例は珍しい。しかも、佐久市では、住民投票によって、佐久市総合文化会館の建設計画は事実上中止となった。
今回の住民投票は、直接的には、5期20年続いた市長の退任による市長選挙が発端となる。市長選挙では、市長の後継候補と、今回市長となった柳田氏の対決となり、総合文化会館建設が大きな争点の一つとなった。市長後継候補は「早期建設」、柳田氏は、「慎重な検討」であった。建設中止派は柳田氏を応援したという。建設中止派は、「慎重な検討」ではなく、「建設中止」を明言するよう求めたそうだが、「民意の確認なしに中止するのは、民意の確認なしに建設することに等しい」と突っぱねたそうだ。
選挙で一定の民意が示されたという判断であれば、わざわざ住民投票を実施しなくても、予算化さえしなければ、現実には事業は動き出さない。あるいは、施設建設についての検討委員会などの附属機関でじっくり議論を行うという方法もある。ただ、文化会館用地は、合併特例債を利用していたため、いつまでも先延ばしできないという事情があったという。

平成21年4月、柳田市長就任後、同年秋に早速幹部職員に対して、市長は住民投票を提案したそうだが、幹部職員の反応は思わしくなかったそうだ。というのも、文化会館用地の取得のために区画整理事業で減歩を住民にお願いしたといった苦労を重ねた幹部職員もいたそうで、そういう職員にとっては、簡単に納得できなかったそうである。まずは、副市長提案で住民投票について学習することとした。その後平成22年年頭の新年記者会見にて、住民投票を行う意向を表明。議会などからも反発があったそうだが、市長は、「佐久市民の民意が確認できない以上、建設も中止も行わない」とした。住民投票を実施せず、建設推進が確認できない以上、市長が替わらないかぎり建設は凍結されることになる。この点は、予算提出権を独占的に持つ市長の力は絶大だ。平成22年9月臨時議会において、「佐久市総合文化会館の建設の賛否を問う住民投票条例」が議会による一部修正により可決。議会の修正ポイントは、①投票資格者を、永住外国人を含む18歳以上から、永住外国人を含まない20歳以上に、②成立要件を、投票した者の総数が、投票権を有する者の総数の2分の1に満たない時は、投票が成立しない、③建設賛成の場合は、「従来通り案での建設」」と「費用圧縮案での建設」が選べる、の3点が追加された。
これで、投票率が50%を越えない限りは、投票そのものが無効になる可能性が出てきた。議会も、修正した以上は、住民投票に対して、協力する義務を負うこととなった。
条例制定以後は、延べ21回の市民説明会、2回の公開討論会、職員が街頭へ出て手を振っての投票PRなどを行ったという。市民説明会では、夜7時から開催。その日に出た質問は次の日にホームページで公開。これが、次回の説明会の資料として追加される。その後の説明会で同じような質問が出された場合は、これまでの説明会での回答を示した。この方式によって、同じ質問の繰り返しが防がれ、議論が回数を重ねるごとに深まっていったという。また、公開討論会の様子は、ケーブルテレビとFM佐久平で中継した。
ケーキ職人の会の皆さんが、投票率50%突破の際には、ケーキを50%OFFというキャンペーンを行ってくれたという。
平成22年11月14日(日)に投票が行われ、投票率が54.87%。賛成1万2,638票、反対3万1,051票。この結果を受けて、市長はただちに計画の中止を発表し、議会も受け入れることとなった。
その後、この予定地に、「市民交流ひろば」として整備することが発表された。

質問 よく否決されませんでしたね。
市長 住民の意見を聞き尽くした自信があったので否決が可能だと思った。

質問 なぜ7割もの反対が出たのでしょうか。
市長 近隣に同じような施設の建設計画が3つあることも影響した。また軽井沢に、800席のソニーの大賀元会長が寄附したホールがあったことも、大きかった。

質問 合併特例債で用地買収などをしていますから、特例債償還のための地方交付税は国に返還の必要があるのではないですか。
市長 長野県は懸念を示しましたが、国の見解によれば、特に文化会館建設と特定していなので、なんとか返還しなくて済みそうです。

質問 住民投票全体でどれくらいのコストがかかりましたか。
市長 コストが3,000万円ほどかかりました。

 以上、佐久市における柳田市長からのお話である。
 現在、国の地方行財政検討会議では、「住民投票の制度化」を検討している。今後二元代表性がさらに意識されてくるようになってくると、当然首長と議会の意向が違ってくる場合がでてくる。そうした際には、住民投票は有効な手法ではないだろうか。しかし、一方で、何でも闇雲に住民投票にかけるというわけにはいかない。今回の佐久市の場合も、住民投票に約3,000万円のコストがかかっている。住民投票は、まちの大きな方向性を定める項目に限って運用されることが望まれる。それ以外の部分ではやはり議員がしっかりと住民の負託を受けて判断をしていくことが、重要であることを再認識した。