« 2013年10月 | メイン | 2014年01月 »

2013年12月24日

2013.12 一般質問② マチごとエコタウン構想について

 今回パブコメを実施している。その素案を拝見すると再生可能エネルギーについて相変わらず太陽光発電偏重。

 しかし、エコタウン構想基礎調査をみると、太陽光以外にも再生可能エネルギー活用余地がある。特に廃食用油は、利用可能量の算定結果でも、太陽光、太陽熱、廃・食品バイオマスに続き、4番目。現状では特に新しい技術を必要とせず、すぐに始められ、効果も高い。そもそも、ディーゼルエンジンはピーナツ油を使って稼働させていたほど、植物油に適合したエンジンシステムである。

くわけん まずこの基礎調査であるが、結局のところ、家庭からでる廃食用油推計は、GJ換算ではなく、リッター換算でどれくらいとなるのか?    
桑原環境クリーン部長 「マチごとエコタウン所沢構想策定に係る基礎調査」で算出したところ、家庭から出される廃食用油の量は、年間約288㌧、リットル換算で320㌔㍑。

くわけん 現状の廃食用油の回収量は?           
桑原環境クリーン部長 平成24年度の廃食用油の回収量は14.5㌧、約16.1㌔㍑。

くわけん ということは所沢市の廃食用油の回収率、5%弱ということ。
先進市である、京都市の回収率は何%か?
桑原環境クリーン部長 平成23年度で約13%。

くわけん まだまだ回収の余地があるということではないか。やはり、スーパーの店頭など、常時回収できる拠点を増設することで、回収率がさらに向上するのではないか?増やす気はないのか?
桑原環境クリーン部長 現在、東所沢エコステーション、リサイクルふれあい館及び東西クリーンセンターで常時、廃食用油の受入を行っている。多くのスーパーでは食品トレー回収や牛乳パック等の常時回収も行っており、廃食用油の回収も進めていただければ、効果があるものと考えているので、今後調査・研究したい。

くわけん 回収した廃食用油をどのように活用しているのか? 
桑原環境クリーン部長 回収した廃食用油については、資源再生業者に1㌔㌘当たり1円で売り払い、BDF(バイオディーゼル)をはじめ、タイヤやインクの原料、鶏のえさ、石鹸などとして活用されている。


くわけん 所沢市では一時期熱心に、BDFを利用していた。現状のBDFを利用している車両数と、回収分ですべて燃料が賄われているのか?
桑原環境クリーン部長 現在、BDFを利用している車両数は、西部クリーンセンターのパッカー車2台、重機3台の計5台。平成24年度に回収された廃食用油、約16,100㍑から1,610㍑のBDF種油が精製される。一方、平成24年度の西部クリーンセンターでのBDF購入量は、4,130㍑で、BDF種油は5%含有なので、206.5㍑となり、所沢市から回収された廃食用油で作られたBDF種油より少ないことになることから、回収分で賄われていることとなる。

くわけん 一般的な軽油と比べてコストはどれくらい高いのか?
桑原環境クリーン部長 平成24年度の消費税込み単価で比較すると、軽油が1㍑あたり、119.1円~133.8円に対して、BDFが1㍑当たり、134.8円~150.9円であり、1㍑当たり約16円~17円高いことになる。

くわけん BDF車のメリットとデメリットは
桑原環境クリーン部長 メリットとしては廃食用油を精製し、燃料として活用することは、循環型社会の形成という観点から大変有意義であること、また、植物由来燃料であることから、二酸化炭素を増加させないということ。デメリットとしては、通常のガソリンスタンドでは給油できず、ある程度までまとまった量を購入し、消防法等で定められた保管施設に保管しなければならないことや、単価的に軽油より若干割高であること。


くわけん 給食調理に利用した廃食油のリサイクルはどうなっているか 
川音学校教育部長 学校給食センターでは、主に揚げ物でコメ油を使用しており、交換後の廃食用油は、廃食用油引取業者に一斗缶(18㍑)当たり100円で売却しており、平成24年度の実績は、第一学校給食センター859缶、第3学校給食センターで841缶。引取業者は、主に塗料や飼料としてリサイクルしているとの事。

くわけん 給食配食車はディーゼルか?
川音学校教育部長 全車ディーゼル車である。第1学校給食センターに7台、第3学校給食センターに8台使用。全車リースで対応。

くわけん このディーゼル車は、車検登録さえ済ませばBDF対応可能なのか?
川音学校教育部長 車輌の販売メーカー、リース会社に問い合わせたところ、BDFを給油して使用することは可能。ただし、BDFの影響で故障が起きた場合は、メーカー保証が受けられなくなることがあるため、注意が必要との事。

くわけん ところで、現在の市長公用車と教育長公用車はディーゼルを採用していると聞く。 なぜディーゼル車を採用したのか
藤本市長 機能面を考え、さらに環境面と経費面、両面を節約するためにディーゼル、市長車はエックストレイルにした。当初は、クラウンハイブリッドを予定していたが、製作時にガソリン車と電気自動車の両方をつくるエネルギーが使われているのでLCA(ライフサイクルアセスメント)の観点からは、環境にいいといえるわけではないという意見も考慮。一方災害に備え、がれきの中でも駆動できるように四輪駆動にしておかねばと思った。しかし、四輪駆動ガソリン車は環境面でよくないので、ディーゼル車とした、車体価格は予定していたクラウンハイブリッドに比べ240万円安く、さらに燃料代も軽油はガソリンに比べ安く、クリーンディーゼルであるため、二酸化炭素削減のため欧州でも約半分がクリーンディーゼル車。教育長車についても、環境と経費を考慮してディーゼル車とした。車体価格は予算より300万円安くできた。

くわけん 市長公用車と教育長公用車はBDFを利用できるのか?
桑野財務部長 市長車については、メーカーの日産に確認したところ、BDF対応不可とのことで、使用した場合5年10万㌔保障の対象外となるとの回答。教育長車については、5%以内のBDFであれば使用可能とのこと。BDF使用については吸排気系部品の不具合が発生するリスクが高まったり、市内に給油スタンドが無いなどの課題もあるので、今後の公用車でのBDF使用について研究していきたい。

くわけん 教育的観点から言っても、教育長公用車と、給食配食車はBDFを利用すべきでは?
内藤教育長 持続可能な社会を形成していくためには、環境にやさしい生活のあり方を考えることは大切。またBDFについては環境にやさしい社会の構築の一つの手段と認識。しかし、コスト面や供給体制などの課題もあり、今後研究を含めた推移を見守っていきたい。


くわけん マチごとエコタウン構想にあらたに廃食用油のリサイクルについて、加える意向はあるか?特に、目標値設定として、回収率を京都市並に、現状の倍、12%を目標にしてはどうか?
桑原環境クリーン部長 構想素々案の段階では、廃食用油の再利用について検討していたが、BDF車を実際に使用している施設の意見も踏まえ、BDFの貯蔵施設や給油設備の設置が必要なことや、コスト高となることなどの課題があり、車輌の不具合が発生した際、メーカー保証が効かないなどの問題があることから、個別の事業として掲載をしていない。しかし、廃食用油を含む資源物のリサイクルについては、資源循環を支える重点事業の一つとして、本構想に位置づけているので、今後についても他自治体の先進事例や社会的動向を見極めながら、調査研究していきたい。

2013年12月20日

2013.12 一般質問① 生ごみ減量について

くわけん 現状における生ごみの燃やせるごみに対する割合は
桑原環境クリーン部長 本年7月に国の基準を参考にして、組成分析を行ったが生ごみは全体の43.3%を占めている。

くわけん 現状ではどのような生ごみ減量対策を行っているのか?
桑原環境クリーン部長 生ごみの7~8割は水分。水切りの徹底について広報やイベント等で啓発を行っている。また、モデル事業として「生ごみ資源化推進事業」を実施しており、協力いただける家庭からの生ごみを委託先の養豚業者が回収し、豚ぷん等と混ぜ、堆肥化を行っている。さらに生ごみ処理機器の購入に対する「生ごみ減量化・資源化奨励金」を交付するとともに、この制度のさらなる普及を図るため、各種の生ごみ処理機器に精通した市民に講師をお願いする「生ごみ減量・資源化アドバイザー制度」を実施。

くわけん それらの事業によりどのくらいの生ごみが減量できるのか?
桑原環境クリーン部長 水切りによる減量化の量を数値化することは難しいが、「生ごみ資源化推進事業」で、平成24年度に92トンの回収量があった。また、「生ごみ減量化・資源化奨励金」については、平成24年度までに累計で処理機器13,668基に対して奨励金を交付しており、平成19年度に実施した生ごみ処理機器の実態調査を参考に、今までの累計基数の稼働率を70%とすると、年間で1,397トンが自家処理されたことになる。両事業をあわせて、年間1,489トンとなり、平成24年度の家庭系の生ごみ22,227トンの約6.7%に相当する。


やはり、これまでのやり方だけではなかなか限界があるようだ。

ディスポーザーは?
 かつては、下水道に悪影響を及ぼすとして忌避されてきたディスポーザー、下水道を所管する国土交通省も社会実験を行い、特に下水道に影響はないとの結論が出ているようだ。現状の生ゴミ減量対策に限界がある以上、ディスポーザーも検討すべき。現に、岐阜市では、直接投入型といわれる、ディスポーザーを一部区域に限り設置を解禁。また、富山県黒部市ではバイオマスタウン推進の一環として、ディスポーザー1基につき30,000円を補助するなど、より積極的な対応を行っている。

くわけん 国土交通省のディスポーザーについての見解について改めて紹介していただきたい。
山嵜上下水道部長 都市における生ごみ問題の深刻化や高齢化社会の到来など社会状況の変化を見据え、平成12年度から北海道歌登町(現在は合併して枝幸町)をモデル地区として分流式下水道区域の一部にディスポーザーを設置し、直接排出を行う社会実験を実施。その結果、ディスポーザー導入時の影響判定の考え方を平成17年度にとりまとめ。そのなかで、問題や課題は多く残されているが、各下水道管理者はこの考え方を参考に独自の調査データ及び判断材料を踏まえ、それぞれの下水道事業、ごみ処理事業及び地域の特性等を十分勘案したうえで、「ディスポーザー導入について検証されることを期待する」との考え方を示している。

くわけん 現在は所沢市の条例でディスポーザーは禁止されているのか?
山嵜上下水道部長 所沢市下水道条例では、第10条の7に「使用者は、生ごみ等を処理するため、ディスポーザーシステム等を使用し、公共下水道にこれを排除してはならない。ただし、管理者が定めるディスポーザーシステム等を使用する場合は、この限りではない」と定めている。この管理者が定めるディスポーザーシステム等とは、公益社団法人「日本下水道協会」が作成した下水道のためのディスポーザー排水処理システムに関する性能基準に基づき、同協会の製品認証を受けたものであり、一般的に処理槽つきのディスポーザーシステムである。

くわけん 現状の所沢市におけるディスポーザーの導入状況は?
山嵜上下水道部長 所沢市内でディスポーザーシステムを設置しているのは、平成12年から平成24年までに戸建て住宅13棟、集合住宅15棟(1374世帯)、計28棟(1387世帯)が設置。

くわけん 特に、生ゴミ処理にコンポストが活用しにくい集合住宅で積極的に推進する方向に転換してはどうか?
山嵜上下水道部長 所沢市は平成24年度より、合流・分流地区すべての下水を県の荒川右岸流域下水道新河岸川水処理センターに排出し、処理している。この埼玉県の流域下水道ではディスポーザーによる生ごみの直接排出については、処理に対応できる施設とはなっていない。
 平成8年度に埼玉県からディスポーザーの使用に対し、下水道使用者や事業所等への自粛の指導徹底通知が来ており、改めて県に確認したところ、処理施設が使用に対応出来るものとはなっていないため「現在も同様」との回答。


なるほど、ディスポーザーもなかなか導入が難しいようだ。

くわけん 生ゴミ発電はどうか?
桑原環境クリーン部長 生ごみや食物残渣をバイオガス化して発電しているのは、民間の施設を含め国内に約50ヶ所ある。最近では、新潟県長岡市において国内最大規模の施設が本年7月から本格稼働したと聞いている。しかし一部自治体においてバイオガス化施設導入計画を断念したり、多額の費用をかけた施設が計画通り稼働せず、最低売却価格1万円で売却するとの報道もあったところ。こうしたことから今後の他自治体等の動向やバイオガス化施設の技術開発等について引き続き調査研究を行っていきたい。