2010年06月27日

所沢市事業仕分けを傍聴して①

 6月26日、27日の2日間にわたっておこなわれた、所沢市事業仕分けを傍聴しました。
 全部というわけにはいかず、様々な仕事の合間をぬっての傍聴となりました。

 結論からいえば、傍聴していてもおもしろかったし、所沢市の行政にとっても有意義だったと思います。
 資料もよくまとまっており、これぐらいのものを議会にも提出していただきたいと思いました。

 ただ、評価については全般的に甘い印象です。そもそも事業仕分けの対象となった時点で、本来であればなんらかの見直しを求められているので対象になったわけですから、もっと厳しい評価があってしかるべきと思いました。

 事業仕分けの実施については、特に公明党の議員の方々が以前より議会で熱心に提案されていました。わたしも何回も事業仕分けの実施を執行部に迫ってきました。

 私も会派の仲間と一緒に、2007年の7月、8月に事業仕分けのまねごとをしたことがあります。

 そういう意味でもようやく所沢市でも事業仕分けが実現したので素朴にうれしかったです。

 今回、ちゃんと傍聴できたのが、本日行われた、集団資源回収報償金交付事業、市民フェスティバル開催支援事業、確かな学力定着事業、第2期市街化調整区域汚水管渠布設事業です。昨日は、ざっと雰囲気を見る程度しかできませんでした。
 
 以下、わたしがこれまで対象になった事業について、どういった意見を議会で主張してきたかを含めて、次回以降仕分けについて評価いたします。 つづく
  

 

2010年05月02日

 事業仕分け見学について(UR都市機構)①

 4月26日に行われた事業仕分けを見学に行きました。
 しかし、残念ながら仕分け会場には入ることができず、すごすごと帰ってきました。
 昨年11月に行われた仕分けは、体育館のような広い会場でしたから、すぐに入れました。
 今回は東京駅至近のオフィスビルでした。

 仕分け会場を調べるために、行政刷新会議のホームページを見たところ、会場地図はトップページには記載されておらず、なかなか見つけることができませんでした。
 積極的に会場の情報が開示されていないということで、あまり会場への見学を歓迎していない意図を感じてしまいました。実際には、インターネット中継も充実していることはわかっていたし、昨年の仕分けをみた経験からも、現地で見るより、インターネット中継の方が、聞き取りやすいことも知っていました。
 なので、まあ、インターネット中継見てればいいかな、とも思ったのですが、やはり現地現場主義。見に行くことにしました。
 見学の目的はUR都市機構の仕分けを直に見届けることでした。なにしろ、私もUR(かつての公団、以下「公団」)の店子だからです。大家がどうなるかは、自分の生活に直結する話題です。
 国家の財政を考えれば、確かにURを民間に売る方がいいのは理屈としてはわかりますが、現実に居住者にとっては「はいそうですか」と簡単には納得できません。
 公団だからといって、特に私のような建て替えた後の公団に入った居住者は、特に周辺と比べて格段に安い家賃ということではありません。(62㎡ 11万円)
 しかし、公団というとどうしてもかつての安く住めるというイメージが先に立ち、なにか特権を享受しているような印象を持たれがちです。いずれにせよ、仕分け人が、そうした点も含めて、実態についてどれくらい知っていて、質問をするかを確認したかったというのが、仕分けに関心を持った大きな理由です。

 会場に入るために会場1階で待っていました。その間に、ワーキンググループB会場の中継を大画面テレビで生中継していました。本当は、グループAを中継してほしかったのですが、仕方なく、グループBの仕分けを見ながら入場を待っていました。

 これは、仕分け全般に言えることですが、仕分け人はあまりよく実態を知らない印象です。そうでないと仕分けができないという理屈もわからないでもありません。
 ただ、ちょっと聞いた範囲では、仕分け人はもしかして、「自分はよく知っている」という勘違いをしているのではないかと、不安に思いました。
 「自分はよく知らない」という自覚があって仕分けをやるのと、どう見ても、知らないことが明らかであるにもかかわらず、「知っているつもり」で仕分けをやることには、大きな隔たりがあると思います。

 なんで、お前こそ自信満々にそんなことが言えるのかといえば、ちょうど、たまたま科学技術研究関係の仕分けを中継しているところに出くわしたからです。
 そして、発言していたのが、私も少しその方の経歴を知っている方でした。その方ももちろん優秀な方です。しかし、科学研究については、おそらくご存知ないはずです。私も、理系なので、学部と大学院博士課程で、科学実験を実際に行い論文を書いた経験があります。
 別に、科学研究費にムダがないとは決して思ってませんが、しかし、その方の質問はちょっとピントがズレすぎていて、議論にならんだろ、という議論をふっかけていました。
 ちょっと、仕分けされる側が気の毒になりました。
 本当は、仕分け人も仕分けてもらう必要があるでしょう。そういう仕分け人オンブズマンみたいなことを勝手にやってくれる人がでてくるとおもしろいですね。評価の低い仕分け人は次回から参加を遠慮してもらうとか。

 まあ、ちょっと答えているおじさんたちもかわいそうな気もしましたが、その人たちも、逆の立場で、結構研究者の科学研究費の審査をキビシクやっていらしゃるんでしょうから、たまには同じような境遇を味わっていただいたことは大変結構なことだと思います。
 科学研究費の申請書というのが、これがまた、膨大な量の申請書を書かせるんです。それだけ書かせておきながら、最終的には学閥や人脈、門閥などですでに決まっていたりするということも聞いたことがあります。

 審査する側がこれだけプレゼン能力に乏しいことの方が、結構問題ですね。自分ができないことをあまり現場の研究者に要望しないでくれ、といったところでしょうか。

 結局のところ、日本の一応インテリとかエリートとか標榜されている方に欠けているのは、説得術としてのレトリックの能力なのではないでしょうか。この辺の事情は、林達夫と久野収氏の対談「思想のドラマツゥルギー」という対談集(平凡社ライブラリー) 十三 レトリック・イン・アクション の章に詳しくかかれているのですが、日本では、西洋から哲学が入ってきた際に、「レトリックは全く欠落してしまいました」(久野)。レトリックは詭弁と訳されてしまうと誤解を受けますが、たとえば、どのお役所の方も、言われるばかりで、全然反論能力が弱い印象です。そういう訓練もうけたことがないのでしょうから。一人ぐらいは、仕分け人をぎゃふんといわせるようなレトリックを駆使する方がいてもいいような気もするのですが。

 ちょっと否定的に書いてしまいましたが、仕分けそのものは、素人の仕分け人の存在も含めて私は大変意義のあることだと思っていますので、誤解なきようにお願いします。
 では、次回、仕分け人の評価とその評価に対する私の評価を報告します。
 

2007年08月07日

事業仕分けを実施中

 私が所属し、代表を仰せつかっている会派「翔」では、この7月と8月、会派のメンバー及び、他会派のゲストも含めて、
事業仕分けを行っています。事業仕分けとは、構想日本が随分と熱心に普及活動をおこなっています。
 今回の評価にあたっては、行政が実施している事業を、①不要、②国が行うべき、③県がおこなうべき、④民間にまかせる、⑤市で実施、ただし改善の必要あり、⑥市で実施、特に改善の必要なし、の6分類に分けるものです。基本的に私たちは千葉県の事業仕分けで利用した「評価シート」を元にして、市向けに改良したシートをつかって仕分けしています。
 
 評価にあたっては、①~⑥について、決をとります。全員が①になる場合もありますが、大抵は結果が
ばらけます。評価理由についてのコメントも付けています。

 例えば、文化会館施設事業については、①不要が4名でした。コメントは、「施設の老朽化も激しく、バリアフリーの観点から言っても、使い勝手が悪い。中央公民館完成に伴って廃止すべき。」でした。


 9月議会までに、市民経済部所管で、平成18年度行政評価表に掲載されている事業を、それぞれ評価しています。横浜市で実施した際には、予算要望の際に作成した、事業説明書を利用しています。
 残念ながら、今回は、平成18年度ベースの評価表が元になっていますので、平成19年度とは、多少事情が異なっている事業もあるようです。

 他の自治体の実施例では、公開で、職員も入るようですが、まずはテストケースとして、議員でやってみようということでやっています。

 結果は、追ってこのブログでも紹介させていただきます。

 9月議会終了後は、さらに規模を大きくして、他会派にもよびかけ、また市民の方々の参加も検討して
 今度は、福祉関連の事業を仕分けしようと予定しています。