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2004.12月議会 一般質問③ 発達障害者支援法を受けて所沢市の対応について

平成16年11月の臨時国会で、発達障害者支援法案が成立し、平成17年度4月1日より施行の運びとなりました。 私も6月の議会で、軽度発達障害についての対応について質問をしました。 本法は、これまで谷間の存在として行政支援の対象とならなかった発達障害者に対する支援を行うための法的なお墨付を与える法律です。理念法ですので、国からの予算的な支援はあまり期待できません。しかし、国や地方自治体がどういう点に注力するべきかについて明文化されたことと、議論はありますが発達障害者について一応定義されたという点では、発達障害者とその保護者にとっては待ちに待った法律といえましょう。 さて、本法の目的でありますが、早期発見と早期対応ということがまず挙げられます。 また、学校教育における発達障害者への支援、発達障害者への就労支援についても明記されております。 幸いにして、所沢市は、関係者の皆様のご努力もあり、特に学校教育における特別支援教育という形での発達障害者支援は、全国的にみてもトップレベルの対応がなされているといってよいと思います。 本法の成立によって、これまでは予算事業として行われてきた特別支援教育が、法律の裏づけを伴った事業になったといってよいでしょう。 
Q さて、早期発見ということについてまずお尋ねいたします。 本法第5条では、市町村は母子保健法で定める健康診査、つまり「一歳六ヶ月健診」、「三歳児健診」を行うにあたり発達障害の早期発見に留意することとされました。所沢市は、これまで発達障害の発見のためにどんな対応されてきたのでしょうか?また、本法成立を受けて今後どのような早期発見のための対策をとられる予定でしょうか?
A (これまでの対応)現在保健センターにおいて、1歳6ヶ月児、3歳児健康診査の際に、問診表・保護者からの聞き取りなどによって障害の早期発見に努めている。平成14年度から、乳幼児健康診査や乳幼児健康相談等で発育・発達等に問題があると判断された乳幼児と保護者を対象に、専門家による相談、医療機関への紹介を行う「乳幼児発育発達相談事業」を実施。
 (今後の対応)本法の成立を受けて、早期発見のための対策については、今後、法の趣旨に基づいて検討。
Q 発達障害は脳機能の障害と定義されたのですが、これまでの例としては、低年齢では脳の発達途上であり、なかなか診断がつきにくいということがいわれております。5歳児での診査が、そういう点からすると就学前は重要といわれております。ただ残念ながら、健康診査は、3歳までです。鳥取県の13市町村では、発達障害児を発見するために5歳児健康診査を行っています。所沢市でも是非とも、5歳児健診を実施するべきと考えますがいかがでしょうか?
A 発達障害を適切に判断できる専門家の確保、財政など様々な課題もあるため、今後検討していきたい。
Q また、発達障害児の疑いのある児童を発見するために、法第二十三条の趣旨に則り、保育園、幼稚園の先生などが発達障害についての理解を深める研修を行うべきと考えますがいかがでしょうか?
Q 同様に、法第二十三条の趣旨を活かすために、小中学校の先生に対する研修の機会をさらに増やすべきと考えますが、いかがでしょうか? 
A (保育園) 保健福祉部においても今後実施していきたい。なお、2004年12月18日には、保育園職員を対象に軽度発達障害に関しての研修を予定している。
(幼稚園 小中学校) 現在、幼稚園教諭や小中学校の教諭を対象にした研修を教育センターにおいて実施し、発達障害者の早期発見・早期支援に向けて専門的な人材育成を図っている。本市では特に、幼稚園担当の指導主事が直接幼稚園に出向き、必要に応じ保護者と相談活動をすると共に、教職員の研修を推進するなどを行っている。今後は、さらに充実するよう、研修会の内容を工夫したり、回数を増やすなど質の向上を図っていきたい。
Q また、学校保健法で定める健康診断でも早期発見に留意することとされております。この点について、これまでの対応と、本法設立を受けての今後の対応についてもお聞かせ願います。
A 就学時健康診断においての早期発見に関しては、これまで学校職員が検診時の子どもの様子を観察し、検診後に保護者と相談するという方法をとってきた。今後はこれに加えて各校の特別支援コーディネーターも保護者に対し、支援・助言を図っていけるようにしていきたいと考えている。 
 本法が施行されることにより全国的に発達障害についての施策展開が進むことが予想されます。しかし、残念なことに、現在発達障害を適切に診断できる医療や心理関係の専門家は、全国に200名程度といわれております。
Q これから、専門家の育成を積極的に進めることは重要です。幸いなことに、所沢市には、発達障害について先駆的な取り組みをすすめている秩父学園があります。どちらかというとこれまで秩父学園とは所沢市にありながらあまり深いお付き合いをしているという印象がありません。専門家の確保の観点からも是非とも、秩父学園との連携を密にとっていただきたいと思っておりますがいかがでしょうか?
A 他機関との連携に関しては、現在、心理士である「健やか輝き支援室」の支援委員や早稲田大学、東京学芸大学とも連携を深めている。今後も、大学や養護学校をはじめ、秩父学園、医療機関、福祉機関などとも連携をとっていきたい。
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