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いよいよ公務員の人員整理が本格化か?

 議員になってから、評論家的な文章を書くのは控えていましたが、公務員に対するスト権付与というニュースに接し、自分自身の考え方の整理も含めて今後の所沢、そして日本の行く末を展望してみました。
 10月4日の読売新聞によれば、小泉首相が民主党の浅尾慶一郎氏の質問に答える形で、限定的ではあるが、公務員のスト権付与を検討するとの回答を行ったそうだ。
 もし、公務員に対するスト権を与えるとするならば、名実ともに、公務員の人員整理が本格化すると言ってよいだろう。そういう点から私はスト権付与に賛成である。
 なぜなら、公務員、特に国家公務員は争議権(スト権)放棄と引き換えに、人事院によって、給与水準の引き上げ(場合によっては引き下げ)が勧告される。 地方公務員の給与も人事院勧告に則って賃金が決定される。
 そのスト権を付与するということは、一見労働者としての公務員の権利向上のようにも見えるが、スト権を認める以上、人事院勧告に甘えて、人員削減を猶予されることはないということでもある。
 所沢市でも人員適正化計画を公表しているが、基本的には、退職者不補充で人員削減を行おうとしているようだ。 新行政改革大綱によれば、平成15年度基準で、平成19年度までに100人削減という目標を掲げている。 この目標を達成するためには、人員削減は避けて通れない。
 (ここからは、評論です)
 しかし、現実には民間企業でさえ、解雇はそう簡単ではない。経営不振なら一定の整理解雇も許されるが、そうでない場合は退職勧奨という形で本人の自発的な離職を誘う方法が中心となる。
 まして、公務員の場合、経営不振による解雇は難しい。財政悪化という理由はあるとは思うが、財政の悪化の責任を職員だけに帰するわけにはいかないだろう。
 退職金上乗せによる、早期退職制度の導入か、あるいは、鳥取県のように、勤務評定が2年連続で最低となった職員に対して退職勧奨を行うといったやり方をとるのか。いずれにしろ子会社や出向先などを有する民間より選択肢は少ない。
 ちょっと、うがった見方をすれば、スト権付与は、官公労や自治労などの労働組合の政治への関心を弱め、ひいては民主党の支持基盤に対する牽制という深謀遠慮も見え隠れしている。
 中曽根民活路線によって、社会党の最大の支持基盤であった国鉄や電電公社等の労働組合は、民間労組となり、社会党は最大の支持基盤を失い、歴史の表舞台から消え去って行った。
 唯一残っていた郵政も民営化がほぼ決まった現在、スト権付与により、人事院勧告が形骸化すれば、官公労、自治労も特定の政党を支持する必要性がなくなる。
 ただ、一方において考えなくてはならないのは、公共部門、民間部門を含めた労働争議の増加である。スト権付与によっても公務員はストをしないとタカをくくっているのが大方の見方であろうが、これほど労使が協調し、労働争議も殆ど起こらなくなったのは、ここ30年程度のことである。
 労使協調があまりにも日常化したために、そうしたリスクを雇用者側は除外しているようであるが、労働分配率も低くなり、所得格差をあらわすジニ係数も拡大し、誰の目から見ても分配の格差が明らかになってきている。
 これまでであれば、公務員のストなどとんでもないということであったと思うが、最近の情勢下では、むしろストという選択肢があることを、知らせる効果もあることを考えなくてはならない。
 私などは、ぎりぎり旧国鉄の過激な闘争の記憶がかすかに残っているが、最近の20代の人々が物心ついてから、労働争議は歴史上の出来事になっている。
 今回の小泉圧勝という選挙結果も、20代~30代前半の男性が、小泉首相及び自民党を支持したことによってもたらされたといわれている。その一種、反抗のベクトルが、労働争議という選択肢を発見したとき、大きなうねりを作り出す可能性も考えておく必要があるだろう。
 (以上 評論終わり)  ところで、本当にスト権が付与されたら、人事院は要らなくなるんじゃないですかね。それだけでも、相当のリストラ効果ありだね。       

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