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シンポジウム 「地方政府の時代」に参加

 7月6日(日) 地方政府の時代~二元代表制を問う~と題したシンポジウムに参加しました。
 主催は、早稲田大学大学院公共経営研究会など、後援はローカル・マニフェスト推進地方議員連盟。
 このシンポジウムはくわけんが加入している、ローカル・マニフェスト地方議員連盟の研修会も兼ねて
 開催されたものでした。

 会場は、早稲田大学のキャンパス。14号館という比較的最近新しく出来た建物でした。

 さて、スケジュールです。
 基本的には外部向けに大々的に開かれた会ではなかったのですが、豪華かつ多彩なメンバーが登場。

 特別講演として、増田総務大臣が「第2期分権改革と地方分権のあり方」について
 これまでの地方分権の流れと、第2期分権改革の大まかな内容について語られました。
 また、今後の分権のタイムスケジュールについても。
 <参考>栃木県のサイトが地方分権改革についてうまくまとまっているので、こちらをご覧下さい
       http://www.pref.tochigi.jp/pref/gyoukaku/bunken/1212643842596.html

 基調講演は前三重県知事で、現在早稲田大学マニフェスト研究所所長の北川正恭氏。
 「地方議会から日本を変える!」
 手元にメモがないので正確さを欠くかもしれませんが、くわけんが覚えている範囲で中身を再現すると、
 現在ある議会の存在を当たり前と思ったところから何も生まれない。
 あるべき議会の姿を目指して改革を決意して欲しい。

 また、ご自身が主宰する「せんたく」についても説明があり、
 現代の自由民権運動であり、党派を超えて、未来から現在を見つめてあるべき政治の姿を考える人びとが集まる団体。マニフェスト選挙を通じて、利益分配の政治から、政策選択の政治へと変えていく必要がある。その趣旨に共鳴した人びとが「せんたく」に集っている。
 といった内容だと記憶しています。

 しっかりアジられました。いつ聞いても北川さんの話は元気が出ます。

 余談ですが、話を聞いてヤル気が湧いてくる人物が、この北川氏と、元松下政経塾副塾長
 で、私の政経塾スタッフ時代の上司だった、上甲晃氏。
 お二人とも、不思議な力をお持ちです。

 その後、所沢市民でもある廣瀬克哉法政大学教授から「二元代表制と議会基本条例」をテーマに問題提起。
 「カット&ペーストで議会基本条例を作ってしまっているような議会もあるが、しっかりと議論をしないで作って本当に意味があるのか」とギクッとすることを言われてしまいました。
 それはその通りではあるのですが、集中力の持続という点からいっても、密度の濃い議論は必要だけれども、やはり現実的には一定の期限を切ってすすめる必要はあるのではないかと、つぶやいていました。

 その後、廣瀬先生の問題提起を受けて、前三重県議会議長岩名秀樹氏が三重県の議会改革についての、早稲田大学大学院教授片木淳氏が、神奈川県議会松田前議長のマニフェスト評価について、川崎市議会議員の堀添健氏は、所沢市と同様、来年3月の制定を目指す議会基本条例の経緯と今後について、藤沢市長の海老根靖典氏からは、市議会議員と市長との立場の違いや、市議会議員や市長としてのマニフェスト作りの苦労についてそれぞれ報告がありました。

 まとめとして、廣瀬克哉氏が改めて、議会基本条例制定の意義について言及がありました。
 1) 市民の方々に議会のあり方を示す
 2) 条例をテコに議会改革を進める
 3) 議会の予算事業を条例で裏付ける

 3)についてはちょっと説明が必要でしょう。例えば、議会基本条例で住民公聴会が項目として
 入っていたばあい、住民公聴会の開催にかかる経費は条例に裏付けられた支出といえます。
 現実には、議会基本条例がなくても、住民公聴会の予算を可決してしまえば、予算の執行は可能です。
 しかし、予算執行を伴う事業は、恣意的な運用を避けるためにも、なるべく、条例や計画に裏づけがあることがアカウンタビリティの観点からも重要とされています。

 例えば、議事録の作成や、これから始まるインターネット中継、議会報などは、地方自治法や当然条例に裏づけのない、予算事業です。
 3)の観点は、案外、議会基本条例を議論する上で、これまで気づいていなかったのですが、重要な論点ではないかと改めて感じ入ったわけです。
 さすが、廣瀬先生!

 

  

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