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第二次素案 所沢市議会基本条例

 昨日、12月3日 本会議場で、議会基本条例制定に関する特別委員会中間報告を行いました。第二次素案について議場で全文を朗読しましたので、正式に公表が可能になりました。

 また、第7回の委員会報告でもご報告しましたように、条文の一部(地方自治法96条2項 議決事件の拡大)を別条例として切り出して提案することになりましたのでこの条文案についてもご報告いたします。

所沢市議会基本条例(第二次素案)

 所沢市議会(以下「議会」という。)は、日本国憲法によって定められた市民を代表する唯一の議事機関であり、地方自治法(昭和22年法律第67号。)第96条第1項に示す議決事件に留まらず、この条例の定めるところによって、法律に反しない限り、議決権及び条例制定権限等を有する。
 議会は、二元代表制の下、市長等執行機関との健全な緊張関係を保持しながら、立法機能及び監視機能を十分発揮し、もって地方自治の本旨の実現を目指さなくてはならない。
 議会は、平成9年4月に、全国に先駆けて議員提案により「ダイオキシンを少なくし所沢にきれいな空気を取り戻すための条例」(平成9年条例第12号。)を制定し、政務調査費の利用使途の明確化、政治倫理規程の制定など、議会改革にも取り組んできた。
 平成12年4月に施行されたいわゆる地方分権一括法により、本市は自らの責任において、その組織及び運営に関する様々な決定を行うことが可能となると同時に、議会の役割の重要性はさらに高まった。議会および議員は、より一層の市民からの信頼にこたえるため、議会諸活動への市民の参加のもと、議員相互の自由闊達な議論を展開しながら、市政の論点を明らかにし、積極的な情報公開を通じて説明責任を果たし、政策立案及び提言を積極的に行っていかなければならない。
 以上の目的を達成し、これまで積み重ねてきた改革への取り組みを確かなものとするため、市民の負託にこたえられる議会を目指し、全力で取り組んでいくことを決意し、ここに、この条例を制定する。


第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、真の分権時代の到来に向けて、二元代表制の下、議会が担うべき役割を果たすために必要な基本的事項を定めることにより、議会が市民の負託にこたえ、もって市民生活の向上、市勢の伸展及び民主政治の健全な発展に寄与することを目的とする。

(議会の役割)
第2条 議会は、市民の代表から構成される市の意思決定機関である。
2 議会は、自治体の議事機関であり、条例の制定及び予算の議決並びに行政活動を監視する権限を有する。


第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)
第3条 議会は、次の各号に掲げる原則に基づき、活動を行わなければならない。
(1)公正性、透明性及び信頼性を重視する議会運営を目指すこと。
(2)議決責任を深く認識し、市民に対して積極的な情報公開に取り組むとともに、説明責任を果たすこと。
(3)自由闊達な討議を行い、市政の課題に関する論点及び争点を明らかにするよう努めること。
(4)市民にとって、わかりやすい議会運営を行うとともに、ユニバーサルデザインに配慮するよう努めること。

(議員の活動原則)
第4条 議員は、次の各号に掲げる原則に基づき、活動を行わなければならない。
(1)市政の課題全般について、市民の意見を的確に把握するとともに、自らの資質の向上に努めること。
(2)議会の構成員として、個別的事案の解決だけでなく、市民全体の福祉の向上を目指すこと。
(3)議会活動を最優先するよう努めること。

(会派)
第5条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。
2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動する。
3 会派は、議会運営及び政策立案等に関し、必要に応じて会派間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。


第3章 市民と議会の関係

(市民参加及び市民との連携)
第6条 議会は、本会議のほか、すべての会議を原則公開とする。
2 議会は、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)においては、公聴会制度及び参考人制度を十分に活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

(議会報告会)
第7条 議会は、市政の諸課題に柔軟に対処するため、市政の課題全般にわたって、議員及び市民が自由に情報や意見を交換する議会報告会を行うものとする。

(意見提案手続)
第8条 議会は、基本的な政策等の策定に当たり、意見提案手続(パブリックコメント手続)を行うことができる。


第4章 議会と行政の関係

(議員と市長等執行機関の関係)
第9条 議会審議における議員と市長等執行機関及びその職員(以下「市長等」という。)との関係は、次の各号に掲げるところにより、緊張関係の保持に努めなければならない。
(1)議員の市長等に対する質疑及び質問は、広く市政の課題に関する論点及び争点を明らかにするため、一問一答の方式で行うことができる。
(2)議長から本会議及び委員会への出席を要請された市長等は、議員の質問の論点を整理するため、議長又は当該委員会の委員長の許可を得て、当該議員に対し反問することができる。

(閉会中の文書による質問)
第10条 議会は、閉会中に市長等に対し、文書により質問を行い、文書による回答を求めることができる。


第5章 議会における審議

(議会審議における論点情報の形成)
第11条 議会は、提案される重要な政策について、議会審議における論点情報を形成し、その政策水準を高め、議決責任を担保するため、提案者に対し、次の各号に掲げる事項について明らかにするよう求めるものとする。
(1)政策開始の背景と経緯
(2)他の自治体の類似する政策との比較検討
(3)市民参加の実施の有無とその内容
(4)総合計画との整合性
(5)財源内訳
(6)将来にわたるコスト計算
2 議会は、提案される予算案及び決算の審議に当たっては、前項の規定に準じて、政策説明資料を作成するよう求めるものとする。


第6章 議員間の自由討議

(議員間の自由討議)
第12条 議員は、議会の機能を発揮するため、積極的に議員相互間の自由討議に努め、議論を尽くしていかなければならない。
2 議長は、市長等に対する本会議等への出席要求を必要最小限にとどめるものとする。

(政策討論会)
第13条 議会は、共通認識の醸成を深めるため、積極的に政策討論会を行うものとする。


第7章 委員会の活動

(委員会の運営)
第14条 委員会の委員長及び副委員長は、市民の要請に応じるため、所管委員会に係る市政の課題に対し、常に問題意識を持って委員会を運営するよう努めなければならない。
2 議会は、正副委員長連絡協議会を設置することができる。

(議会運営委員会)
第15条 議会は、議会運営についての協議を主として議会運営委員会において行うものとする。


第8章 政務調査費

(政務調査費)
第16条 政務調査費については、所沢市議会政務調査費の交付に関する条例(平成13年条例第5号。)に定めるところによる。
2 議員は、政策立案及び調査研究等に資するため、政務調査費の交付を受け、証拠書類を公開すること等により、その使途の透明性を確保するものとする。


第9章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修の充実強化)
第17条 議会は、議員の資質の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めなければならない。
2 議会は、広く各分野の学識経験を有する者及び市民等との議員研修会を積極的に開催するものとする。
3 議会及び議員は、市政の課題を広い視点から捉えていくため、他の自治体の事例等を調査研究するよう努めなければならない。

(議会事務局)
第18条 議会事務局は、議員の議会活動に必要とされる行政情報の提供に努めるものとする。
2 議会は、議員の資質の向上を図り、議会運営を円滑かつ効率的に進めるため、議会事務局の調査機能及び法務機能の充実強化、組織体制の整備を図るよう努めるものとする。

(予算の確保)
第19条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議事機関としての機能を充実するため、必要な予算の確保に努めるものとする。

(議会図書室)
第20条 議会図書室については、所沢市議会図書室条例(昭和49年条例第28号。)に定めるところによる。
2 議会は、議会図書室を適正に管理し、運営するとともに、その機能の強化に努めるものとする。

(議会広報の充実)
第21条 議会は、広報紙等を利用して、議会の活動について、市民に対し、わかりやすく周知するよう努めなければならない。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、より多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動等に努めるものとする。
3 議会は、広報紙等の充実のため、市民からの意見や要望を取り上げるよう努めるものとする。

(専門的識見の活用)
第22条 議会は、専門的識見を活用し、議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

(附属機関の設置)
第23条 議会は、議会活動に関し、審査、諮問又は調査のため必要があると認めるときは、別に条例で定めるところにより、附属機関を設置することができる。


第10章 議員の政治倫理、身分及び待遇

(議員の政治倫理)
第24条 議員は、主権者たる市民の厳粛な信託にこたえ、もって清潔で民主的な市政の発展に寄与しなければならない。
2 議員の政治倫理の規範については、別に定める。

(議員定数)
第25条 議員の定数は、所沢市議会議員定数条例(平成13年条例第56号。次項において「議員定数条例」という。)に定めるところによる。
2 議員定数条例の改正議案は、市民の直接請求による場合及び市長が提出する場合を除き、議員定数の基準等の明確な改正理由を付して、委員会又は議員から提出するものとする。
3 前項の提出に当たっては、市民等の意見を聴取するため、公聴会制度及び参考人制度等を十分に活用するものとする。

(議員報酬)
第26条 議員の議員報酬は、所沢市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(昭和43年条例第13号。次項において「議員報酬等条例」という。)に定めるところによる。
2 議員報酬等条例の改正議案は、市民の直接請求による場合及び市長が提出する場合を除き、明確な改正理由の説明を付して、委員会又は議員から提出するものとする。
3 前項の提出に当たっては、市民等の意見を聴取するため、公聴会制度及び参考人制度等を十分に活用するものとする。


第11章 補則

(見直し手続)
第27条 議会は、一般選挙を経た任期開始後、できるだけ速やかに、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討するものとする。
2 議会は、前項による検討の結果に基づき、必要に応じて適切な措置を講じるものとする。


附則


(施行期日)
この条例は、公布の日から施行する。


議会の議決すべき事件を定める条例

(目的)
第1条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定に基づく所沢市議会(以下「議会」という。)の議決すべき事件については、他の条例に定めるもののほか、この条例の定めるところによる。
(議決すべき事件)
第2条 議会の議決すべき事件は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1)基本計画(法第2条第4項に規定する基本構想に基づき市政の基本的な事項について作成する計画をいう) を策定し、変更し、又は廃止しようとするとき
(2)都市計画法(昭和43年法律第100号)第18条の2第1項の規定に基づく都市計画に関する基本的な方針

附 則
この条例は、公布の日から施行する。


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