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 地方分権改革は静かなる革命だったのか?

 2月12日に、第一法規が主催する議員向け「政策法務研修」を受講してまいりました。以前にも参加したことがあるのですが、私が議員になって受けた研修の中でも、この政策法務研修は、法学部出身でない私にとって、最も役に立つ研修でした。ですので、今回も受講しました。
 前回同様、やはり様々な知見を得ることができました。

 特に、地方分権改革にかかわる地方自治法の改正内容をご紹介しながら、現在の自治体や自治体議会が抱える問題点について考えてみたいと思います。
 
 私は、2000年4月の地方分権改革の意義を過小評価しているのではないか。丁寧に、地方分権一括法以後改正された地方自治法の条文をいちいち追って解説していただく中で、改めてそう感じました。

 少し、順を追って確認します。

 条文としては、重要な位置づけを持つ第1条に二が付け加えられています。
 第一条の二  地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。
 これによって、包括的に地域における権限を授権されたことになるのでしょう。
 
 第一条の二 
 2  (前略)住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、地方公共団体との間で適切に役割を分担するとともに、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない


 第二条
 11 地方公共団体に関する法令の規定は、地方自治の本旨に基づき、かつ、国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえたものでなければならない。
 この条文によって、国 県 市町村の垂直統合から、国 県 市町村の水平分業(分担)になったと言っていいでしょう。

 12  地方公共団体に関する法令の規定は、地方自治の本旨に基づいて、かつ、国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえて、これを解釈し、及び運用するようにしなければならない。(後略)
 この条文によって、法令の自主解釈権を獲得しました。

 (関与の法定主義)
第二百四十五条の二  普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない。

 (関与の基本原則)
第二百四十五条の三  国は、普通地方公共団体が、その事務の処理に関し、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとする場合には、その目的を達成するために必要な最小限度のものとするとともに、普通地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならない。

 上二条で、関与の法定主義が明確化しました。

 所沢市議会の場合は、機関委任事務の時代を知らない分権改革以後世代 である1期生、2期生が半数以上を占めています。私もその一人ですが、こうやって、改めて改正条文を取り上げて解説していただくと、2000年の地方自治法改正は、少し表現が大袈裟ですか静かなる革命だったのではないかという感じがしてなりません。
 この革命に議会も執行部もまだ対応しきっていないのが実情ではないかとも改めて思った次第です。
 
 

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