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 沼津市議会議員定数削減請求について

 2月13日付けの産経新聞によれば、「沼津市内の297自治会でつくる自治会連合会(高木孝会長)が、地方自治法に基づき沼津市議会の議員定数の削減を求めた直接請求が近く栗原裕康市長に受理され、12日に開会した2月定例市議会に条例改定案が提出される見通しだ。」とのことです。
 
 実は議員削減の要求が自治会連合会から請願などで出されるケースというのが以外に多いようで、所沢市に視察にみえた市議会でも、複数の議会で、そういった事例があり、そのことがきっかけとなって議会改革にとりくんだという声をお聞きしました。

 地方議会と、自治会連合会は、ライバル関係、緊張関係にある自治体も多いのではないでしょうか。
 自治会連合会の方からすれば、これはあくまでも想像ですが、「私たちの方がよっぽど地域の声を吸い上げ、安い費用で、回覧板の回覧や清掃など、よっぽどしっかりやっている。それに比べて議員はあんあに高い給料をもらってなんだ」ということかもしれません。

 1月8日付けの毎日新聞によれば、請求の主な理由としては、「▽大胆な行政改革▽地域主権にふさわしい少数精鋭の議会を目指す▽広域合併、政令市実現の突破口を開くため静岡、浜松両市並みの人口1万人あたり、議員1人が適切」の3つの理由だそうです。

 こうした請求の背景には、やはり議会は何をやっているんだという不満があると思います。でも、なかなかそうは思っていただけないことが、残念なことなのですが、議員は、住民にとって権利であり、コストセクターではないはずです。市長からみれば、確かにコストセクターですが。むしろ、本来の行政のチェック機能を発揮することで、税金の無駄遣いを少なくすることができます。

 どうしても、右肩あがり時代には議員は、無駄遣いをなくすことではなく、いかに自分たちの地域に、道路や公民館など資源配分を多くもってくるかが仕事でした。ところが、いつしか、それが逆転したことに議員が対応できなくなっているということなのかもしれません。

 でも、少なくとも議員は4年に1回は有権者の皆様のチェックを受けるのですから、まだましで、本当のコストは、終身雇用で保障されていながら、働きに見合わない高給を得ている一部の働きの悪い職員の削減のほうが、はるかに削減の重要性が高いと思われます。しかも、こういった職員は、働きが悪いからといって辞めさせることはおろか、降格や減給もままならないのです。議員が減れば、そういった不合理に対する監視機能もさらに弱まります。

 あるいは、お手盛りの手当ての数々、競争性のない様々な調達、不透明な補助金など、議員が少なくなれば、喜ぶのは執行部です。

 また、定数をへらせば少数精鋭になるというのは、根拠のはっきりしない話です。まずは、少数精鋭の定義がはっきりしません。地方議会に限らず、得票数と議員の能力には、正の相関があるとは考えにくいです。投票行為が実績や能力の評価よりも、人気投票の側面が強いと感じるケースがままあります。
 定数を減らしたら少数になることは事実でしょうが精鋭になるかどうかは保証の限りではありません。監視する目が一定程度確保されているほうが、精鋭でなくてもいいでしょう。精鋭でも少なければ物理的にチェック機能が弱まります。

 ただ、言えることは、議員報酬を上げれば議員としての能力はともあれ、世間的な評価のいわゆる優秀な人材が確保できることは、おそらくありえるでしょう。

 人口1万人あたり、1人の議員という基準は基準としてはそういう考え方もあるだろうなと思います。
 結局、地方分権の時代ですから、定数に正解はないわけですから、自治体独自の判断になります。判断基準は、他市比較というのは自然な流れだと思います。

 いずれにせよ、地方議会に対する市民の不満が大きいのは事実ですから、所沢市議会においてもさらなる議会改革を進めなくてはいけないことを改めて確認させていただき、私もさらに無駄遣い削減に向けて取り組む決意を新たにした次第です。
  

 
 
 

 

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コメント

【少数意見を排除】沼津市議会:議員定数13減、市自治会連が直接請求へ

http://shizu.0000.jp/read.php/numazu/1265554271/l50


静岡市や浜松市は人口が増加したが、沼津市は逆に減少した それだけの話だ

人口1万人当たり1人の議員というのは後付けの理屈 話のすりかえである


議員の定数を単純に住民の人口に比例したものにするのは
あまりにも乱暴な論理である。
例えば、人口が半分の自治体は議会で議論する議題が単純に
半分になるかといえばそんなことはない。
具体的に、三島市の議員数は、沼津市の議員数の半数で足りるか
というと、決してそのようなことはない。
設置する委員会の数も半分にはならない。
議員の兼務が増えて細かな問題に対処できない、
いわゆる「機能しない議会」になりかねない。

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