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会派「翔」マニフェストの評価について④

「構想」としての所沢サバイバルプラン

 一方で、山口氏の指摘にもあるとおり、マニフェストの前提として、所沢市がどうあるべきかという「構想」の重要性もご指摘の通りである。私たちは、「構想」に当たるを「所沢サバイバルプラン」という「構想」にまとめて別途提示した。 
この「構想」に基づいて「会派マニフェスト」を作ったという二段構えの構成となっている。だから、名称を、「所沢サバイバルプランマニフェスト版」とした。
現実に、所沢市を将来どのようなまちにしていきたいかの議論がなければ、マニフェストの作成はメリハリが出てこない。議論はあるとは思うが、マニフェストの項目数を16項目に絞り込めたのもやはり、そういた「構想」があればこそである。
ただ、実際には構想案である「所沢サバイバルプラン」についてはマニフェストのパンフレットには、書き込まなかった。
マニフェスト作成に先立ち、それぞれの自治体ごとのまちのあり方、行政のあり方については、「構想」を作成することをおすすめする。
以下、「所沢サバイバルプラン」についてその内容を簡単に紹介する。

「所沢サバイバルプラン」(抄録)
会派「翔」では、これまでの予算要望ではなく、むしろ、議員一人一人が経営者であるとの観点にたって、戦略提案を行うこととしました。
 所沢市も選別と淘汰、つまり“生き残り”の時代が始まりました。
 企業の最大の目的は、生き残っていくこと“ゴーイングコンサーン”にあると言われます。所沢市政も経営感覚を積極的に取り入れ、ゴーイングコンサーンを目指すべきです。
 そういう意識と感覚が今の所沢市には決定的に欠けています。生き残りをかけ、未来の所沢市には今何が必要になるのか。私たちは、そこから発想します。
 これからの10年、何ができるのか。
 これからの10年は、日本にとっても所沢にとっても、大きな変動期を迎えます。所沢市の高齢化比率も高まり財政負担は拡大します。その一方で、高齢者を支える20代~40代の世代は増えていません。このままでは、これからの10年は、次々と起こる問題に対処するだけに終わってしまいます。そろそろ、他人頼みの発展ではなく、市民自らが発展の物語(シナリオ)を書く時期に来ています。
目指すべき10年後の所沢の姿は? 
 「住みたくなるまち」所沢を目指すということです。現在の中心世代である50~60代層に加え、新たに、現在の20~40代の皆さんが住みたいと思うことが重要です。 所沢で育った人々が、所沢に帰ってきて住みたくなるような所沢であることです。人口と同時に地価も重要な指標となります。地価の下落は、固定資産税収入の減少をもたらします。
 また、一定の収入源を安定して確保できる人々が住んでいただくことも重要です。いくら人口が増加しても、住民税収は伸びなければ、安定した福祉は行えません。
 継続的な発展には、人口と人口構造、地価、住民の方々の所得という3つの要素がバランスよく伸びることが重要です。そのことが、所沢を永続的に発展させる重要な戦略の一つとなります。
 所沢のブランド価値が重要になってくる
 自治体にもやはりブランド力が重要な時代になってきています。ブランド力のある地域は、先にあげた3つの要素が満たされています。
 これからは、より一層ブランド価値を高めるという視点を所沢市も意識する必要があります。 
 経営感覚あふれる所沢市に
 「公的」な仕事も民間部門の優れたノウハウを活かすことで、より効率よく住民の満足度の高い仕事が実現できます。これからは公共施設(「ハコモノ」)を新たに建設するのではなく、なるべく維持補習をしながら大事に使っていきます。補助金、交付金などについては、10年以上を経過したものは、基本的には廃止とします。入札に関しては、総合評価方式の導入を行い、随意契約を極力抑制します。
ガバメントからガバナンスへ   
全ての公的な仕事を役所がこなす必要はありません。これからは、NPOや住民自らが取り組んでいくことも十分考えられます。職員が1日活動すると、約2万~3万円の経費がかかります。住民ニーズが多様化するためには、全ての行政ニーズに対応することはもはやできません。そのためには、役所に代わる公的な活動の受け皿をいち早く充実させる必要があります。
選ばれる所沢を目指すには
教育
 最も重要なのが、教育です。やはり、20~40代の世代を引き寄せるのは、教育の魅力です。特に、公教育が充実していることが重要です。所沢市の学校に入りたいために引っ越してきたくなるような学校づくりを目指すべきです。
みどり
 みどりについては、予算の1%をみどりの基金に繰り入れながら、現在のみどりを維持し、それぞれのみどりを緑道でつなぎ、徒歩や自転車でも安心して移動できる、歩車分離の所沢を目指します。
環境
 廃棄物については、自区内処理を原則とし、ゴミ排出量の半減を目指します。 生ゴミの堆肥化を目指します。そのためには、ゴミ袋税の導入と、ゴミ処理の有料化を目指します。また、不法投棄や、産業廃棄物処理施設の適正な管理のためにも、産業廃棄物の流入規制を行い、廃棄物に関る許認可権限の市への委譲を目指します。
しごと
安定した就業先確保と職住接近の実現を図るためにも、産業の育成・誘致が重要です。 所沢の昼間人口を増やすためにも、しごと先の育成・誘致は必要です。
ソーシャルインクルージョン(社会的包括)
 所沢市には、国立身体障害者リハビリテーションセンターや国立秩父学園など、障がい者に関る研究機関が充実しています。そうした組織・機関との連携を通じて、障がいのある方もない方も、ともに快適なすごせるまちを目指すべきです。
 議会も変わります
  議会も生き残りをかけて、自己変革を進める必要があります。これからの議会は、要求する議会から提案する議会に変わっていく必要があります。 
  おわりに  会派「翔」では、これまでの要求型の要望書という形ではなく、議員も所沢市の経営者という発想で、議会活動に取り組むべきだと考え、提案書という形を取らせていただきました。今後は、この私たちの計画に沿った形で、議会での一般質問、議案質疑等に取り組んでいきます。

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