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小中学校冷房設置問題を考える②

 単年度事業でムリヤリ比較

 さて、ここで市長が、既に計画策定済みで国からの補助も決定されていた、狭山ヶ丘中学校への冷房設置を中止した理由ついて確認します。

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藤本市長の主張(抄録)
一 「快適で便利な生活」を見直し、行動を起こすとき  東日本大震災、原子力発電所の事故。あのときの気持ちを忘れてはいけない。今変わらないで、いつ変わる。
二 窓を閉めなければ授業はできないのか? (中略) 今までも、暑いときは窓を開けて、授業をやってきた。一番暑いときは、夏休み。
三 税金の使い方としてよいのか?教育は「モノ」より「人」 ・国・県・市も財政は厳しい。 (後略)
○クーラー設置に対する一日あたり税金投入費 (既に設置済みの)小学校では、昨年度、合計二十九日間(累計百三十一時間)使用。冷房工事費分は約一億四千万円(概算)、耐用年数十年で、一日約四十八万円の負担。(所沢市サイトより)
◆◆◆

藤本市長がTV番組に出演時にも使った図「事業費の振替先」によれば、冷房工事費用の市の負担分、四千四百四十万円の振替先の事業三千九百二十二万円は、単年度の事業です。つまり、来年度以降も、同じ金額がかかります。しかし、冷房設置は、耐用年数が十年の事業です。一旦設置すれば、来年度以降は予算が発生しません。さらに、十年の耐用年数ですから、設置費は年に割り戻すと約四百四十万円です。
 この二つを単純に年度支出予算のみで比較するのは議論として論理的に飛躍しています。また、設置費用を一日に換算して約四十八万円とのことです。コスト問題で冷房が贅沢だというのは、議論としてはあり得ます。であるなら、東日本大震災をその理由として持ち出さずに、財政問題として議論すべきでしょう。

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