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2014.06 定例会 一般質問 ① 切れ目のない子育て支援 特に、産後ケア事業について

女優の小雪さんが、第二子を韓国で出産したこともあり、産後ケアという考え方に注目が改めて集まっている。

よく、昔から産後の肥立ちが悪くて、という言葉もあるように、医学的にも産後1ヶ月はなるべく母親は安静にしていることが重要であるようだ。

中国や韓国ではそうしたことのために「産後院」というものがあるそうです。

現政権でも、地域における切れ目のない妊娠・出産支援の強化が打ち出され、予算も5割増額されたそうです。


特に、新規事業として産後ケア事業と産前産後サポート事業が新規に創設されたそうです。

くわけん この産前産後サポート事業を国が新規に創設した背景にある課題とは何か?

部長 国の少子化対策の一つとして「地域における切れ目のない妊娠・出産支援の強化」を図ることとなり、その中で妊娠・出産に関する主な課題として、核家族化や地域のつながりの希薄化等により、祖父母等による支援等を受けられず、相談相手もいないため、妊産婦が家庭や地域で孤立していたり、産科医療機関を退院した直後において、健康面の悩みや育児への不安などに対する支援が不足していることをあげている。

高齢化や晩婚化の進展により、頼るべき親が、その親の介護で忙しかったり、親世代も共働きで働かざるをえない人が増えているなど、以前に比べて肉親の産後ケアにかけるマンパワーそのものが縮小しているという事実があるようです。

くわけん 国ではそうした課題に対してどのような対応策があると考えているのか?
部長 国では、助産師等による相談支援やシニア世代が話し相手となる等の支援により、妊産婦の孤立感の解消を図るために相談支援を行う産前・産後サポート事業や、産後に宿泊・日帰り等による乳房ケア・心身のケアや休養等の支援を行う産後ケア事業が必要であるとしている。そのため、国は、各地域の特性に応じた妊婦から出産、子育て期までの切れ目のない支援を行うための「妊娠・出産包括支援モデル事業」を実施するとしている。
くわけん 国の問題意識は、やはり所沢市においても共通していると考えてよいのか?
部長 本市においても、国が掲げる核家族化の問題、妊産婦の地域での孤立化など妊産婦を取り巻く環境は共通する部分があるのではないかと考えている。

くわけん では具体的に、この2事業の内容を紹介していただきたい
部長 議員ご紹介の妊娠・出産に係る相談・支援の強化に関する2事業の内容について説明させていただく。1つ目の産前・産後サポート事業は、助産師等が妊産婦の悩みや子どもに関する相談等に対応したり、先輩ママやシニア世代が子育て家庭を訪問し、話し相手や一緒に外出するなどきめ細やかな支援を行うことにより、家庭や地域での孤立感の解消を図ろうとするもの。2つ目の産後ケア事業は、核家族化、育児不安、経済的不安や子どもの病気等、社会心理問題による様々なストレスの増大などにより、産後においてうつ病を発症するなど母体の健康管理を行う上で、適切なサポートを行うことが重要な課題となっていることから、宿泊型等のサービスを提供することにより、産婦の安心・安全なお産体制の確保を図るものである。

くわけん 今回はモデル事業の募集ということであるが、所沢市は応募したのか?応募しなかったとしたら、その理由をお聞かせ願いたい。
部長 本年2月末に県からメールで、「妊娠・出産包括支援モデル事業の実施経過の事前協議について」の通知を受けたが、本モデル事業では、母子保健相談支援事業(母子保健コーディネーターの配置)、産前・産後サポート事業及び産後ケア事業の3つの事業を全て実施しなければならないことが条件となっており、さらに提出期限が2週間と短く、市民ニーズや社会資源についての把握に必要な時間が設けられていなかった、また、平成27年度以降の補助についても未定であったことから見送ったもの。

くわけん 県内でこの事業に応募した市町村はあるのか?
部長 県の健康長寿課に確認したところ、県内では和光市のみが応募したと聞いている。

くわけん 和光市ではどのような内容を実施する予定なのか?
部長 和光市の妊娠・出産包括支援事業については、6月定例市議会で審議中とのことだが、確認したところ、その内容は「母子保健相談支援事業」として、子育て支援センターと産前産後ケアセンターに母子保健コーディネーターを配置し、身近な子育て施設で妊娠早期から専門職による相談事業を行うこと。

くわけん 現状における、所沢市の産後ケアの取組を紹介していただきたい。
部長 本市の産後の母を支える事業としては、新生児産婦訪問やこんにちは赤ちゃん訪問などの訪問指導や育児情報の提供、養育支援訪問事業による相談指導から家事援助、またファミリーサポートや緊急サポートによる一時預かり、保育園による一時預かりなどがある。さらに4ヶ月検診の際にも、健康相談や育児情報の提供等の支援を行っている。


なるほど、所沢市でも一定の取組がなされていることがわかった。

くわけん 例えば、乳児家庭全戸訪問事業などで、母親に課題がある場合その後、どのような対応を行っているのか?
部長 保健センターの地区担当保健師が関わり、改めて家庭訪問などにより状況の把握を行い、妊産婦に必要な支援を行う。家庭内の支援が難しい場合は、一時保育や養育支援訪問、児童相談所の対応などの公的サービス、ファミリーサポートなどの民間サービスからご事情にあう支援を一緒に検討。また、必要に応じて、保健師等がサービス機関との間に入って繋げるように調整もしている。

くわけん 子どものことなどで保健師さんに相談した際に、担当がかわるとまた1から説明をするなど、引き継ぎがうまくいっていないよう。相談事例があった場合は、カルテのようなものを個々のケースで作成して引き継ぐ体制をつくっているのか?
部長 市民からのご相談をお受けして継続的な支援が必要なものについては、その都度「母子健康相談記録票」を作成し、相談内容や家庭環境、支援内容等を記録しており、担当保健師が交替する場合はこの記録票を活用して引き継ぎを行っている。また相談の内容によっては、旧担当と新担当とが一緒に訪問を行い、詳細に引き継ぎを行う場合もあるし、さらに新担当が改めてその時点での状況やお気持ちを確認することがある。担当保健師の交替は、市民の方に戸惑いや不安を感じさせないよう引き続き十分な配慮を持って行っていく。
くわけん そういったケースごとの対応カルテのようなものを作成して、健康推進部からこども未来部へ引き継ぐ際などにも活用すべきではないか?

くわけん ファミリーサポートや、一時預かりなどは、産後も利用できるということだと思うが、では、モデル事業で例示された、産後の実際に課題を抱えている母子が利用できるサービスは市内でどれくらいあるのか?
部長 確認がとれたものになるが、サービス内容に「産前産後の支援」と明示している事業所は、市内で3ヶ所。また「助産師等による相談支援」を実施している助産院等は4ヶ所、産後ケアの宿泊型を実施している助産院は1ヶ所。

くわけん こうしたサービスを所沢市のホームページや育児の冊子などで積極的に紹介すべきではないか?
部長 「産後ケア等を受けられる事業所」の紹介であるが、こども未来部で作成している冊子「ところっこ子育てガイド」や市のホームページ等に掲載し、案内していきたい。

くわけん こうしたサービスの利用を促すためにも、練馬区で実施している、一定額の利用補助券「助産師ケア券」の提供や、あるいは静岡市などで実施している、産後ケア事業で規定されているショートステイや、デイケアについて補助をするなどを所沢市でも検討してはどうか?
部長 産後においては「出産育児一時金」「児童手当」「こども医療費助成」等の支援事業があるが、議員ご提案の「産後ケア等のサービス利用の補助」については、モデル事業を実施している市及び他自治体の状況を調査するなど、関連部署と連携しながら、今後、研究していきたい。

くわけん こうした、お子様をなくされた母親に対する精神的なケアの体制はあるのか?
部長 保健センターでは保健師や看護師が出産後のすべての母子に訪問や検診でお会いする機会を設けておりますので、その中でお子様を亡くされた方にお話を伺うことがありますが、行政や自助グループの関わりを求める方、行政の関わりを望まない方など様々な方がいる。当事者にとって、どのような支援が望ましいのか、その方の状況に応じた適切な支援が行えるよう今後も努めていきたい。


くわけん 所沢市が直接ということではなくても、そうしたお子様をなくされた方々へのグリーフケアのNPOの立ち上げ支援などを所沢市も進めていくべきではないか?
部長 お子様を亡くされた方への支援としては、近隣では都内の聖路加国際大学研究センター(中央区)において行われているようだが、利用しやすさという点では課題がある。当市においては保護者や関係者の方々により、自助グループ立ち上げの動きがあった場合は情報提供等の協力は可能。今後研究していきたい。

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