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2016feb 米国視察⑤

2月10日 PM

California, Sacramento市 Council 訪問

 続いて、Californiaの州都である、Sacramento市を訪問した。
 まず、最初にサクラメント(Sacramento)市議会の議場を見学した。Sacramenrto市の視察中は、Ms. Dawn Bullwinkel, (CMC Assistant City Clerk/Special Projects Office of the City Clerk)にご案内いただいた。Sacramento市では、City Clerk部門が、所沢市議会でいえば、議会事務局機能を有している。City Clerk部門は、市議会事務局機能に加えて、所沢市で言えば、総務部文書行政課と、市民部市民課、さらには、秘書室の機能を兼ねている部門といえよう。
 議場は、よく見られる米国地方議会の形式であり、日本で言えば、理事者と議長が座る正面に、議員と市長が半円形になって座り、日本で言えば議員席に、傍聴者が着席する形式になっている。これは、後ほど述べるコロラド州Golden市議会も同様の形式になっている。正面の議員席に、市長が着座する場合と、市長は着座しない場合がある。例えば、以前訪れた、ミネソタ州ミネアポリス市は、市長は、参考人として聴取の対象になるが、着座しない。

 議場の反対正面には、日本で言えば全員協議会室のような、執行部側の着席スペースがある。ただ、この部屋は議場とつながる壁面がガラス張りになっており、直接議場内の様子が見渡せるようになっている。

 議場正面には、2面のスクリーンが用意されている。議場正面裏に回ると、放送通信設備があり、小規模な番組編集も可能な設備がそろっていた。しかし、ちょうど私が訪問した時点で、すでに役目を終えており、今後は、インターネット放送に置き換わっていくとのことであった。これらのインターネット中継は、Granicus社のシステムを利用している。現在、このGranicus社のシステムは、米国の地方自治体での採用が拡がっているようであり、後ほど訪問した、ゴールデン市でも、このGranicus社のシステムを採用していることがわかった。サクラメント市は、Granicus社の初期採用有力ユーザーの一つであるそうだ。このGranicus社のシステムは、現在、日本の地方議会で求める議会情報化の求める機能を殆どすべてプログラムとして提供しており、日本では、例えばインターネット中継機能は、所沢市議会の場合は会議録研究所が提供しており、さらに会議資料等が格納されているファイルサーバーは、別の会社が提供するなどとなっている。これらの機能が、全て統合運用されている点は、大変便利である。サクラメント市議会では利用していないようだが、投票機能もパッケージの中に用意されているとのことである。
http://www.granicus.com/

 議場を一通り見学した後、所沢市でいえば、部長職以上が集まり開催される、政策会議のような会議にオブザーバー参加する。所沢市は、毎週開催であるが、サクラメント市では2週間に1回開催される。サクラメント市の会議を仕切っているのは、city clerk部門の長である。
 会議の参加者は、シティマネージャーや各部門の長、警察や消防の長も参加していた。
 これにオブザーバーとして、各議員の秘書的な役割を担う方や、議会に所属する「独立予算顧問」(independent budget adviser)も参加していた。サクラメント市が取り組むべき課題について、一つ一つ、その対応や議会への上程予定などが話し合われていた。

 サクラメント市は、強市長制(strong mayor)か弱市長制(weak mayor)か尋ねたとこと、強市長制から弱市長制に移行したとのことであった。その象徴が、「独立予算顧問」が配置されたことのようである。その後この制度についてくわしく聞くことができなかったので、詳細はつかみかねるが、多分、予算編成権のなんらかの機能が議会に付与されたものと思われる。

 サクラメント市の場合、議会の情報化は、city clerk 部門が率先して取り組んだことにより充実したそうである。ただ、まだまだ改革は途上であり、実際、今回の会議でも、紙資料持参で会議に臨んでいるメンバーもおり、また議会においても、まだ、紙資料にこだわる議員もいるとのことである。

 先ほども触れたGranicus社のシステムを利用して、議会の市民に対する透明性確保が図られており、例えば、議会の生中継をみながら、関係資料が、同じ画面で閲覧することが出来るようになっている。

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