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2016feb 米国視察④

Information Technology for public sector and council④

2日目 2月10日 AM

Central County Fire Departmentを訪問。
http://www.ccfdonline.org/
Central countyは、サンフランシスコ市の南部の、3市町(Town of Hillsborough ,City of Burlingame, City of Millbrae)を含む郡である。
この3市町が、消防を組織している。日本でいえば広域消防組合である。
 やはり、日本の広域消防同様、運営の意思決定機関として、boardが組織され、board member はそれぞれの市町の市町議会議員から選出されて構成されるとのことであった。
 日本との違いは、救急機能は保有していないことであり、救急は、地元の病院に委託しているとのことであった。
 今回は、署長のMr. John Kammeyer氏と、Mr. Jake Pelk氏にインタビューを行った。
 署長の個人的な見解としては、やはり救急機能を保有している方が、よいのではないかとのことであった。
 さて、この消防署を視察先として選択いただいたのは、火災現場に出向く消防車にiPadを搭載している点である。
 具体的には、以下のビデオを参照していただくとわかりやすい。
 https://www.youtube.com/watch?v=buvTMs8dbks

 それまでは、消防指令システムの端末は、3000ドルのPanasonicのToughbookを利用していたそうだが、重くて、しかも高く、現在では全く使っておらず、棚に積み上げられていた。iPadであれば、500ドル程度で購入可能である。
 そもそも、当初からiPadの導入が正式に決定したものではなく、たまたま、ある山火事が起こった際に、教育用に利用していたiPadを、緊急に現場で転用利用したことから利用が始まったということである。
 緊急時には、他地区の消防隊も応援に駆けつけてくる。その際に、Toughbookを
端末としている既存の消防システムでは、現場の状況が全く把握できなかったという。
 この経験を活かし、近隣の消防隊の職員と共同で、Tablet Commander(TC)というiPadアプリを開発した。
 TCでは、従来の指令システムは、line入出力系のプログラムがそのまま、利用されており、iPadでコマンド入力するシンプルな形式である。この指令システムについては、よりヴィジュアル化した形のプログラムに改良予定とのことであった。
 また、要因の現場派遣などは、アイコンの操作で行えるようになっている。
 TCの、情報支援系の機能ではGoodReaderアプリと連携が図られており、特に、Central Countyが作成したESRIのGIS情報がTCからGoodReader経由で入手することができる。
 消防本部では、Apple TVを利用して、TCの画面やGoodReaderの画面を大画面表示していた、

 また、本来的な研修利用でも積極的にiPadは活用されており、インターネット上に独自チャンネルを持っている。
https://vimeo.com/107875888
 これは、署内の消防士の研修にも用いられるが、日本でいえば、消防団員に相当する、ボランティアの教育にも利用されているという。

 TCアプリについては、近隣の消防隊でも利用が進んでいるそうであり、TCの開発者である消防署員がアプリ販売により、収益を得ているそうである。TCアプリは、洗練されてはいないが、やはり現場の方々が使いやすいように工夫がされているため、評価は高いようである。


 

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