オランダのボランティア支援組織CIVIQその③
前より続く
自治体の支援にあたっては、特に議会向けにワークショップを開くことが多いという。いずれの議員もなんらかのボランティアの体験を持っていることが多いため、ます自分のボランティア体験を語ってもらい、そこから現在かかえる問題点を抽出してもらう。その結果、必ず話題となるのが、補助金、お金の問題、ボランティアの募集の問題、施設の問題、ボランティアに必要とされる知識が不足している問題、などが挙げられるという。そうしたことをお金、補助金で解決できないのは、オランダも日本と同じ状況である。 例えば、施設については、学校の有効活用を考える。また知識の不足については、自治体の企業との連携をアドバイスするという。実際に、ある自治体では、会計について銀行がボランティアに対して教育をしてくれているという。 特に、これからは、企業も社会的な責任を負うべきという意識が強くなってきているため、企業側はボランティアのサポートに対して熱心であるという。例えばボランティアの募集については、ある大手広告代理店が協力しているという。ただ、オランダでも、企業との連携が軌道に乗ってきたのは、ここ1年ぐらいのことだという。特に長年ボランティア活動をやってきた人ほど、営利とボランティアに一線を画したいという意識は強いという。しかし、企業部門との連携は、実際にうまくいけば、ボランティアを現代化できるということで、CIVIQでも熱心に取り組んでいる。 CIVIQのゴールとしては、ボランティア活動の深化発展を通じて、社会的な結合力を高めることだという。
CIVIQへの訪問を通じて、所沢市のボランティア活動をより促進させるために必要だと考えられることを、何点か挙げてみたい。 1)ボランティア政策の確立 ボランティア政策についての基本的な考え方を整理する必要がある。また、若い世代をボランティア活動に呼び込むためには、これまでのやり方では限界があることを認識し、そうした認識に基づいた政策を打ち立てるべき。
2)ボランティア支援センターの設立と充実 ボランティアに予算をつける窓口としての支援センターだけではなく、知恵をつける支援センターとするべきだろう。ただし、その際に問題となるのは支援する側の知識の問題である。 3)市内企業との連携 この点が一番難しいとは思うが、より一歩進んだ形で、予算や物品の提供という範囲を超えて、施設やノウハウの支援ということが重要であろう。 以上