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オランダ ユトレヒト市 廃棄物処理行政について

Utrecht市廃棄物及び港湾サービス部を訪問して、ユトレヒトの廃棄物処理行政について質問。  対応者は、部門最高責任者のmr.
Peter de Laat プロジェクトマネージャーmr. Martin Horstink  広報担当ms. Suzzune Visse の3名。
 ちなみに、Laat氏は、現在ここの部門責任者となっているが、基本はDLI-managementという会社に所属しており、「トラブルシューター」として、市との委託契約により派遣されている。 廃棄物処理部門の前任の責任者は、30年間同じ人物が就任していた。そのためこの部門の改革にあたっては、どうしても現場部門の立場に立ってしまうため、前任者を解任して、Laat氏が就任した。 Laat氏就任当初は、相当軋轢もあったようだが、今は落ち着いたとのこと。
廃棄物処理部門について
 現在も100%公営で運営。この部門はユトレヒト市にとっても伝統ある部門。2001年には125周年を祝った。現在、347名の現業職員と、70名の事務部門職員がいる。 現在ユトレヒト市は人口260,000人、2015年には、330,000人を目標としている。
部門の民営化について 現在は考えていない。議会もそのように結論を出している。政権が変わらないとこの方向性に変化はないのではないか。(現在は社会民主党が政権をとっており、もし、労働党の政権になれば民営化が進むとのことであった。) やはり廃棄物収集には特別の知識が必要。また、伝統もある。よって直営を堅持することとした。 他のオランダの都市では民営化が進んでいるが、大きな都市では直営が多いのでは。 ただし、直営で行うといっても、企業努力・合理化は進めている。組合とは、同一賃金、年金、有給休暇を補償するという条件で他組織への転換を進めている。 また、これまでであれば当部門は、廃棄物収集のみの担当であったが、道路清掃や公園清掃など、他業務も行っている。 しかし、こうした合理化の成果が上がりコストが実質的に削減されるようになるには、5-10年程度かかるのではないかと予測している。
 ユトレヒト市の廃棄物処理及び収集について オランダでは、10年ほど前に法律ができて、廃棄物の埋め立てが原則禁止となった。 そのため、焼却及びリサイクルのみとなっている。焼却炉はロッテルダムにあり、運河を通じて船で輸送。焼却炉は民間会社が運営。全国に5~6ヶ所そうした焼却炉がオランダにはある。ユトレヒト市は、そこの民間会社と契約している。焼却時には同時に発電も行っている。焼却炉の形式は不明だが、特別の炉であるとのこと。プラスティック焼却も当然行っている。ダイオキシン発生についての懸念も住民にはあったが、排出される煙について、ダイオキシンが発生しないよう処理装置を取り付けているので問題ないと認識している。焼却灰についてのみ埋め立てが許されているが量は少量である。 また、焼却前の前処理のための工場があり、ここで、リサイクル可能なものと、焼却にまわすものとを分別している。 収集については、(リサイクルに)わけられない廃棄物(段ボール、プラスティックバック、生ゴミ等)、有機廃棄物(落ち葉や枝など庭からの廃棄物)、化学製品、ガラス、紙、繊維など。住宅地では週1回、中心部では週2回、わけられない廃棄物を収集。それ以外に、2週間に一回、それぞれリサイクル可能な廃棄物を収集する。 年間1人当たり、280kgのゴミを排出している。 ただし、市中心部では分別が徹底しないため、分別収集を昨年12月にやめた。
 有料化について 有料化については検討したが、有料化すると、廃棄物処理無料の町へと流出する懸念があるため、現時点では考えていない。
 

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