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2005.03月議会 一般質問⑦ 所沢市の業務民間委託について 

 本年2月に、オランダの2つの市で見てきた廃棄物処理収集体制が、民間委託でなかったことは既にご報告したとおりです。  オランダ ユトレヒト市 廃棄物処理行政について
 オランダ ティルブルグ市の廃棄物処理収集
 所沢市もNPM(ニューパブリックマネジメント:新公共経営)の流れを受けて、民間委託ありきで進んでいますが、本当にそれだけが唯一の答えだろうか、という疑問をオランダの視察で抱きました。 そこで、今回の一般質問で、民間委託のあり方について質問いたしました。
 ところでNPMという言葉はご存知でしょうか?簡単に言えば「行政にも経営感覚を!」 ということです。  詳細は、NPMに熱心な 静岡県のホームページ をご参照ください。
NPM(ニューパブリックマネジメント:新公共経営)について(リクツっぽいので飛ばして読んでいただいても結構です)
 NPMというとイギリスやニュージーランドの例が、よく取り上げられる。しかし、世界的にみれば、こうしたアングロサクソンの国のNPMだけがNPMではないことが最近わかってきた。ところが、日本では、NPMイコールイギリスやニュージーランドの例、つまりアングロサクソンNPMと私も思い込んでいた。  ナショルトという学者は、改革を進めている諸国を3つの類型に分けている。業績、成果による統治である「契約モデル」、市場による統治である「顧客選択モデル」、市民社会による統治である「市民主導型モデル」である。 アングロサクソン型とは、この2番目の市場による統治が中心となる「顧客選択モデル」である。
 こうした、NPMイコールアングロサクソン型という「思い込み」をとくために、NPMの「市民主導型」のモデルとされるオランダを、この2月に訪問した。
 民営化について
 特に、アングロサクソン型のNPMでは、なるべく多くの行政サービスを市場化することが理想のように語られている。しかし、今回の所沢市の廃棄物収集の民間委託のように、一気に民間企業へ委託という選択肢だけが唯一の方法なのだろうか?
 私がテーマとしている情報システム関係でも、結局100%民間委託した結果、システムについて完全にブラックボックス化して業者のいいなりになってしまっているように見える。
 オランダの2都市の廃棄物収集処理事業について聞き取り調査を行った。 ユトレヒト市は公営を貫くという。そのかわり、これまで廃棄物収集業務だけであった職員も街路の清掃など、職種の幅を広げるという。  もう一都市のティルブルグ市では、部門ごと切り離し民営化し、職員については、公務員の身分待遇を補償し、その後、徐々に民営化をしていくとい方法をとっている。
 特にティルブルグ市のようなやり方、つまり、職員の身分は保障し公務員のままで、現在の部門ごと民営化を行うという方法である。この方法のメリットは、業務内容についての縛りが自由になることである。 現在の郵政民営化議論でもわかるように、業務のしばりをはずすことと分権化を行うことによって、より裁量が高く多様なサービスを提供することが可能になる。
 また、横浜市交通局でも、いきなり路線ごと民間委託ではなく、まず経営計画プランを交通局が作成するなど、自発的に経営改革に取り組んでいる。その結果、単年度黒字の見通しが見えてきたという。
 Q 所沢市の廃棄物処理行政や、給食行政についても、まず始めに民間委託ありきではなく、部門への分権化を行って、職員の自主性を高めるといった方法を検討する必要があるのではないか?こういった可能性も検討したことがあるのか?
 A 所沢市では積極的に民間活力の導入を進めている。民間委託にあたっては、平成12年度に策定された民間委託推進のための指針に基づき、行政みずからが行うべき本来業務かどうか、市民サービスの維持向上が図れるかどうか、費用対効果の視点などから検討して進めてきた。民間委託方法にも様々あるので、今後民間活力の効果が最大限得られるかを常に念頭におきながら進めていく。

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