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市民環境委員会視察 ① モエレ沼公園視察

廃棄物処理場が公園に! モエレ沼公園 北海道札幌市
 10月19日(水)~21日(金)、くわけんが所属する市民環境常任委員会では、廃棄物処理をテーマとして、視察を行いました。 最近はインターネットが普及しているため、行政についての情報は得やすくなっていますが、やはり現地に行って実際に見て、担当者とお話することは有益であることを実感しました。 くわけんとしても、非常に得るところの多かった視察ですし、市民の皆様の税金で行かせていただいていますので、報告させていただきます。
 19日は(水)は、北海道札幌市のモエレ沼公園を見学いたしました。 モエレ沼公園は、世界的な彫刻家で、山口淑子(李香蘭)の旦那でもあった、イサム・ノグチ氏がマスタープランを行ったことで有名です。 公園全体が、一種の野外彫刻として設計されています。 モエレ沼公園のホームページ
 今回の視察の目的は、モエレ沼公園の建設にあたっては、ゴミ処理場を公園にしたという点に着目して、視察を行いました。  このように書くと、ゴミ処理場の跡地利用として、公園を作ったように思われます。 くわけんも当初、そのように思っていました。
 しかし、案に相違して、実際は、ゆくゆくは公園を作る長期計画をたてながら、まずは、最終処分場として昭和54年からゴミの埋め立てを始めました。公園の基盤整備は、3年後の昭和57年から開始しました。処分場は平成2年の処理場閉鎖まで使われました。 昭和63年には、イサム・ノグチとの出会いがあり、公園の設計を彼に託すこととなりました。 造成が完成したのが、平成17年、つまり今年の3月。同年7月1日にグランドオープンとなりました。
  札幌市は、緑地の多い街のように思われる方も多いとは思いますが、一人当たりの緑地面積が3㎡/人と少ない街でした。そこで、全市的に公園面積を10㎡/人に増やそうという計画が立てられました。 しかし、実際には、公園を造成する予算はありません。地元からは、ぜひとも公園をという要望が強かったようです。丁度、そのころ、札幌市の政令指定都市昇格に伴う機構改革があり、ゴミ処理部門を含む廃棄物担当部門と、公園部門が、環境局として統合。公園造成の予算をひねり出すために、土地買取はゴミ処理場の予算及び補助金を利用しました。また、モエレ沼については、洪水防止のための一時貯留地とする国の治水事業として買取と整備をしたということです。そのため、モエレ沼を1回掘り込んだそうです。
 こうして、公園建設のために、ゴミ埋め立て、治水、公園と3つの事業を組み合わせました。
 周辺の住民の方々からは、苦情も不満もあったようです。現に、ゴミ処理場時代には、周辺にはにおいも漂っていたとのこと。ただ、最終的には公園になるというプランが示されていたために、周辺住民の方々の理解も得られたとのことでした。
 公園には、標高62メートルのモエレ山などがあります。そうした盛り土には、公共工事の建設残土が利用されているそうです。  総工費は約250億円、年間の維持管理費は人件費込みで2億円だそうです。
 基本的には、管理型の一般廃棄物最終処分場ですから、いまでも、公園から排出される排水は浄化処理をおこなってから流されているそうです。排水の汚染も基準を大幅にクリアしているそうで、本来であれば、もう浄化の必要もないそうですが、年のために浄化を行っているそうです。
 所沢市も北野最終処分場の次の処分場の建設の検討に入っています。 ぜひとも、所沢市としても、最終処分場跡地は公園化することを検討していただきたいものです。  

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