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2006.08月市民環境常任委員会視察① 平地型一般廃棄物最終処理場

 本日8月1日、市民環境常任委員会の視察として、茨城県八千代町にある、平地型最終処分場、クリーンパーク・きぬを訪問しました。
 所沢市でも北野一般廃棄物最終処分場がすでに埋め立てが終了となり、次の最終処分場建設の検討が進んでいます。
 最終処分場は、谷戸など山間部を利用するタイプ、平地を掘り込むタイプ、海面、水面を利用するタイプと大まかに4つに分類されています。全国的にいえば、平成16年度で、最終処分場数が、山間部タイプが1,464、平地タイプが504、海面25、水面が16あります。
 所沢市では最終処分場の候補地として、山間タイプと、平地タイプが候補地としてあげられています。今回、「クリーンパーク・きぬ」を視察訪問先として選定したのは、平地タイプであることと、平成11年と最近供用開始されたことに着目したためです。

 特に、今回は周辺住民の皆さんの同意をどうやっていただいたか、コスト的な問題、運用上の問題を中心に担当者にお聞きしました。

 「クリーンパーク・きぬ」は、八千代町単独の施設ではなく、八千代町を含む下妻地方広域事務組合によって建設、運営されています。下妻地方広域事業組合は、八千代町、下妻市、常総市、及び筑西市によって構成されています。ただ、市町村合併が進む以前は、八千代町、下妻市、現在は下妻市に合併した千代川村、現在は水街道市と合併し、常総市となった石下町によって構成されていました。
 その4市町村で、し尿処理場は石下町、葬祭場は下妻市、ごみ処理施設は千代川村と、いわゆる迷惑施設を分担していました。唯一八千代町だけがそうした施設を有していなかったため、最終処分場は八千代町が分担するということになっていたそうです。

 最終処分用の建設地として、現在の鬼怒川沿いの場所には比較的すんなりと決定したということです。もともと最終処分場があった場所は、かつては砂利採取業者が砂利採取を行っていた場所で、その後、業者の倒産にともない、管理者がいなくなってから、事実上の廃棄物保管場所となっていたそうです。そのため、周辺の環境は悪化し、ときどき自然発火が起こったそうです。
 地域の方々としては、むしろ管理がしっかりした最終処分場ができるのであれば現状よりマシであるとのことから、受入れが決まったそうです。
 また、土地所有者も周辺住民の方が多かったそうです。
 
 施設の特長としては、処理場から排出される浸出液の処理について、所沢市の最終処分場で行っている水処理方法に加え、逆浸透圧を利用した浄化を行っていることです。この結果、ほぼ水道水に近い水質まで浄化して、鬼怒川に流しているそうです。
 この地域は水田地帯であり、上流の汚染は下流域の農業被害に直結することから、より高度の浄化を行っているようです。
 ただ、近年は浸出液の塩分濃度が高くなっているそうで、ほぼ海水並の塩分濃度だそうです。そのため、処理能力も公称日量70㎥なのですが、実際には20~30㎥だそうです。
(電気伝導度でいえば、20mSを0.4~0.5mSまで浄化)

 当初計画では、平成11年から平成26年の15年で処分場は一杯になると予想されていましたが、ゴミ減量化の取り組みもあり、8年たった現在も、3分の1に満たない埋め立て状況だそうで、このペースで行けば、さらにこれから15年程度、つまり、平成31年まで利用できるのではないかと予想しているそうです。全体の埋め立て可能量は当初ベースで113,000㎥、総工費37億円かかったそうです。
 ランニングコストについては逆浸透膜を利用した浄化方法を採用しているため、膜の更新に2000万円年1億円程度の維持費が隣接する公園の管理費も含めかかっているようです。

  「クリーンパーク・きぬ」は、平地型でありながら、建設にあたって比較的スムーズに建設がすすみましたが、所沢市の場合は、前提条件が異なるため、今回のケースのようには建設がスムーズにすすまないだろうという印象を持ちました。

 
 

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コメント

くわけんさんのいつも熱心な活動に頭が下がります。ごみ処分場については、よく知らないのですが、いつまでも穴掘って埋めて一杯になったら別の場所、とやっていくわけにはいかないでしょう。ここはだめ、と反対する気持ちはわかりますが、被害者意識だけでなく、ごみを出す当事者として当面の処分をどうするか、穴に埋めない未来の廃棄物処理はどうしたいのか、早く真剣に検討しないと大変なことになるのではないでしょうか?

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