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2007.09議会 一般質問③ いわゆる縁故債について

 縁故債、今は、銀行等引き受け債というそうですが、政府部門ではなく民間部門から調達する地方債のことです。本日は、銀行等引き受け債では長いので、縁故債として話をすすめさせていただきます。
 昨年9月、地方債が許可制から協議制に移行し、地方公共団体も、資金を資本市場から調達しなくてはならなくなりました。地方債に占める政府資金の割合もこの5年で、7兆六千億円から三兆三千億円へと半減しました。今後は、縁故債の比率はさらに上昇してくると考えられます。
 また、来年一月から、非居住者 つまり外国人が地方債を買った場合、これまで原則15%が源泉徴収されていたのですが、それが、非課税になる、ということで、いま、外資が虎視眈々と地方債マーケットへの参入を狙っています。
 実際に、外資による地方債引き受けは進んでおり、元々はフランス政府の金融公庫であり、現在はベルギーに本拠地を置く「デクシア」という自治体融資を専門に行っている銀行はこの3月に、山形県債50億円を20年間、金利年2.118%で引き受けました。デクシアは将来的に日本の自治体向け融資の10%を狙っていると公言しています。
 
 縁故債の発行方式には、証券を発行する証券方式と、借り入れ証文を発行する証書借り入れ方式とがある。銀行側も市場実勢金利から乖離した金利となり、時価評価で含み損が顕在化し、株主代表訴訟にさらされやすい証券方式より、証書借り入れ方式を好む傾向にある。

 また、証書借り入れ方式の場合、もし金融機関が破綻した場合、預金残高と借入金残高を相殺できます。

くわけん 
 現在発行している縁故債の発行時の引き受け手はどのような構成になっているか。上位3つぐらいでいいので示していただきたい。
 また、縁故債のうち、証券方式と証書借り入れ方式のそれぞれの割合と総額を示していただきたい。
 
 非課税措置が始まれば、外資も大変興味を持っており、まずは既に発行済みの地方債を引き受けることから日本の地方債市場に参入することも考えられます。

 現時点で、縁故債の所有者を把握しているか。把握しているとしたら、縁故債が転売引き受け手から転売されているという事例はないか?

渋谷財務部長
 主な借入先と平成19年度3月末の残高については、埼玉県市町村振興協会に約27億9000万円、埼玉県市町村職員共済組合に約7億4000万円、埼玉りそな銀行に約39億9000万円など、あわせて約102億円の残高がある。
 現時点の縁故債の所有者については、全て借入先が所有。


 地方債については、これからは、外資ともうまく付き合っていかなくてはならないという時代に入ってくると思う。しかし、一方で、これまで、国内の金融機関との馴れ合いの関係ではすまないことも考慮しておく必要がある。

 例えば、証書借り入れ方式の場合は、転売されてしまった場合、ペイオフ時の相殺が不可能になってしまう。
 
 また、当然、これまでの国内金融機関とは違い、外資の場合は、ステークホルダー、利害関係者として、行政経営について、様々な注文をつけてくる可能性が出てきます。
そのためには、われわれも、付き合う外資の銀行をしっかりと選別していかないと、債権者にふりまわされるという危険性も考えておかなくてはいけません。それこそ、経営がうまくいかないと、銀行から副市長を派遣されるということも考えられます。実際にこのデクシアは、聞くところによれば、カリフォルニアのオレンジ郡の財政再建の際に、人員を派遣したということです。
そこで、質問です。

(2回目)
くわけん
 今後の縁故債発行にあたっては、転売禁止とはいわないまでも、例えば外資に売られる可能性も考えるなら、転売時の報告義務条項を引き受け契約に盛り込むことはできないのか?

渋谷財務部長
 現在、一般の貸付に使われる証書で契約をしており、その中には譲渡について認める条文が入っている。今後、金融機関と協議していきたい。

(3回目)
くわけん
いずれにしろ、地方債マーケットの開国は不可避。であるなら、積極的に所沢市も格付けを取得する意向はないか?

渋谷財務部長
そういったことは想定されることだろうと認識している。

(くわけんより)
 郵政民営化によって、地方債も自己調達の時代になってきました。
 これまでは、国の言うことにしたがっていさえすれば、地方債の買い手を自ら探す必要もありませんでした。しかし、これからは、資金調達も民間からの調達が主流になってきます。
 調達金利が0.1%違うと、たとえば、100億の資金調達で1000万円違ってきます。
 調達金利は、財政の健全度によって変わってきます。ますます、財政の開示が重要です。
 そのためにも、公会計の整備、具体的には2章方式による公会計整備が必須条件です。

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