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高校における特別支援教育の充実について②

 高校における特別支援教育は、いわゆる特別支援学校では充実しており、おおむね生徒2~3人あたりの先生の数が1名配置されています。
 特に、埼玉県でも発達障害者を主に対象とした特別支援学校もできてきており、私の知り合いのお子さんもその学校を今年の3月に卒業予定であり、無事就職先も決定したようです。

 しかし、そういった特別支援学校は定員も場所も限られており、また、大学への進学と就職を迷っている場合などには、そういった特別の配慮のない一般高校への進学となります。

 埼玉県では「高校においても、発達障害を含む特別な教育的支援を必要としている生徒が在籍していると考えられるにもかかわらず、平成20年9月1日現在、県公立高等学校における校内委員会の設置率は68.8%、特別支援教育コーディネーターの指名状況は63.0%」(今後の埼玉における特別支援教育の推進の方向性について 平成21年3月30日 今後の埼玉の特別支援教育の在り方検討会議より)という状況です。

 平成19年に教育基本法の改正に伴い改正された学校教育法第81条でも「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び中等教育学校においては、次項各号のいずれかに該当する幼児、児童及び生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し、文部科学大臣の定めるところにより、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする。」

 事項には「六  その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの 」と定義され、「その他障害のある者」に発達障害が含まれました。

 この学校教育法第81条 および 発達障害者支援法 第8条  国及び地方公共団体は、発達障害児(十八歳以上の発達障害者であって高等学校、中等教育学校及び特別支援学校に在学する者を含む。)がその障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるようにするため、適切な教育的支援、支援体制の整備その他必要な措置を講じるものとする。

 によって、高等学校でも特別な配慮を受けられることが法的には担保されているのですが、どうしても、義務教育ではないために、その対応は遅れがちになります。

 いずれにせよ、法律的には保障されているのですから、その条文を現実化させていくためには、「権利のための闘争」(イェーリング)を進めなくてはなりません。

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