スリランカ和平は武力によって成し遂げられたのか?
年末、私の小中高大の友人であり医薬品研究開発者のO氏と、二人の共通の知人である、O君と3人で久しぶりに会いました。O氏の話もいつもながら難しいことをわかりやすく説明していただきました。この話はのちに譲るとして、今日は、長年スリランカ和平にかかわってきたO君とのやりとりからご紹介します。(O君は日本人です)
注 スリランカは、国内多数派のシンハラと、少数派で、南部インドからのちに英国によって連れてこられたタミルとで内戦が起っていた。さまざまなNGO、NPOがこの二者の和平を目指して活動していたが、最終的には、現在のスリランカ政権が北部のタミル拠点を軍事占拠し、最高指導者の死亡により、事実上内戦終結宣言が出される。(スリランカについてのwikiはこちら)
くわけん 結局、スリランカの内戦終結は、武力によって成し遂げられたということか?
O君 結果的にはそうなりますね。
くわけん いろんな国際NGO、NPO(以下NGO)が平和的な話し合いによる和平実現を目指していったんは合意したはずなのにね。そして、多くのNGOが、言い方はわるいけど、和平をネタに、先進国からお金を集めていたよね。そういうNGOは今後は、たいへんだね。
O君 そうですね。
くわけん なぜ、今になってスリランカ政府軍はこんなに武力を増強することができたの?
O君 中国の軍事援助といわれています。
くわけん なるほど、インド包囲網の一環として、中国はスリランカに目を向けたということか。
O君 スリランカに中国は万人単位の人を送って、インフラ整備などを支援しているようですよ。
くわけん 大国のパワーゲームの変化(つまり中国の台頭)がスリランカに和平をもらたしたということか。何とも残念かつ皮肉なことだね。国家にも、数学的に言うと、独立変数国家(つまり、自国の運命をある程度自己決定できる国)と従属変数国家があるということかな。日本はどっちなんだろう。「普通の国」を目指すということは、従属変数国家から独立変数国家を目指すということなのかな?
私も、1990年にスリランカを訪問したことがあります。スリランカは、大変きれいな国で、2000年前に、つまり我々がまだ、弥生時代だったころに、すでにダムとダム湖で灌漑をおこなっていた国です。
上座部仏教(いわゆる小乗仏教)はインドからスリランカを経由して、世界に伝わったといわれています。かつてはスリランカも、大乗仏教と併存していた時代がありましたが、いまは、大乗仏教は廃れてしまったようです。
ちなみに、独立変数国家と従属変数国家ですが、国家としては独立変数国家のほうが、いいような気もしますが、独立変数国家の国民の幸せの平均値は、従属変数国家に比べて必ずしも高くなさそうだというのが悩ましい点です。