« お金の使い方は正しくなければいけないけれど | メイン | 独立変数都市と従属変数都市 »

リニアの部分開業(相模原~甲府)から所沢の成長戦略を考える②

 藤沢市と所沢市の人口について平成2年(1990年)から現在までで比較すると、

 藤沢市 平成2年 350,330 →平成21年 407,700 増加数 57,370 増加率 1.16 
 所沢市 平成2年 302,386 →平成21年 341,865 増加数 39,479 増加率 1.13

 増加率については、それほどの違いはないようですが増加数は18,000人ほどの差があります。
 新駅の開業もこの20年でありませんが、1999年に、湘南台駅に、それまでの小田急江ノ島線に加えて
相鉄線、横浜市営地下鉄ブルーラインが接続しました。
 詳細なデータを持ち合わせていないのですが、この新規接続が、18,000人の違いを生みだしたのでしょうか。

 平成12年に答申された運輸政策審議会「東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について」に関係する個所は、
 所沢市 <18>東京12号線の建設及び延伸 都庁前―光が丘━大泉学園町⇒武蔵野線方面
 藤沢市 <4>相模鉄道いずみ野線の延伸 二俣川―湘南台⇒相模線方面

 今後整備について検討すべき方向を示す場合は「⇒」ですので、目標年次までに整備ないしは着工にももれている路線ということになります。

 ちなみに、旧運輸政策審議会(現在は交通政策審議会)の交通網整備についての答申は15年に1回しか出されません。現在の計画年度が2000年から2015年です。

 所沢市も藤沢市も一応、東京12号線の延伸、相模鉄道いずみ野線の延伸が答申されてはいますが、いずれも着工の予定すら立っていない状況です。

 こうしてみると、所沢市も藤沢市もあまり違いがないように見えますが、藤沢市のほうが私からみるとより積極的な人口増加策をとっているようです。

 まずは、JR東海道線辻堂駅周辺の再開発。名称を湘南C-X(シークロス)といいます。
 北口にあった関東特殊製鋼本社工場跡地を利用転換し、辻堂駅北口を中心とした多様な機能を持つ都市拠点の形成を目的に整備が進められている。面積約25haに移住人口2,300人、就業人口1万人を想定。事業主体は都市再生機構。(湘南C-X wikiより)

 また、現在は新幹線の新横浜~小田原間の新駅誘致にも積極的に取り組んでいる。
 東海道新幹線神奈川新駅誘致について
 駅そのものは藤沢市にはないが、藤沢市にとっても開業インパクトは大きい。
 
 現状では新駅の設置は厳しいが、実際にリニア開業が進めば、新幹線の在来線化によって、新駅開業の可能性も高くなってきます。

 所沢の場合は、新幹線も通過していないので、そういった新駅の可能性も低い。

 現実的可能性が高いのは、やはり地下鉄12号線の東所沢駅延伸でしょう。
 また、旧車両工場跡地開発も人口増加のためには重要です。湘南CーXのような就労人口増加と定住人口増加の双方を狙える地域開発が重要です。

 また、よくいわれる上北台からのモノレールの所沢方面への延伸ですが、地図でみると、西武球場前は一直線ですから、そこまでは地権者も東京都が中心になるでしょうから、なんとか実現できないものですかね。実際には、運輸政策審議会答申では、上北台から箱根ヶ崎駅方面へのルートで答申されてますからそうとう難しいとは思いますが。

 いずれにせよ、来年度へ向けて策定する総合計画でどれだけ交通体系の整備を盛り込むことができるのか、そして、次回の計画年度2016年~2030年の交通政策審議会へ向けて所沢市がどのように12号線延伸をアピールしていくかが重要になってくるというのが今年ですので、私も所沢市の鉄道交通こそが成長戦略のカギをにぎるので、今年は研究提言を積極的におこなっていきます。
 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kuwaken.net/cgi/mt/mt-tb.cgi/210

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)