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民族・政治体制・政権

 ある会合で、君が代斉唱の際に起立しない議員がいることについて議論となりました。
 そのことについて文句もよく言われます。別に、わたしが起立しないからということではなく、子供たちが見ているのに、ルールを守らない人がいると教育上良くないということのようです。

 なぜ起立しないのか少し考えてみたいと思います。

 たとえば、なぜ私が起立するかといえば、私は、政治体制として立憲君主制を擁護する立場にあるからです。つまり、天皇制には賛成の立場なので君が代に抵抗感もありません。
 実際に、英国やオランダ、スゥエーデン、デンマークなど、西欧においても立憲君主制の国は多くあります。君主を廃止する共和制や大統領制には反対の立場です。
 君主制のメリットとしては権威と権力のすみ分けができる点にあります。よって政治が安定します。政権の交代ごとに前政権のトップが必ず逮捕されるという状態は私はあまり好きではありません。

 一方、起立しない議員の方々の党派綱領は、議会制民主主義を是認しながらも終局的には別の政治体制を目指しています。
 つまり、現状の政治体制については弁証法的に否定の立場をとっているのです。よく内心の自由を保障するという観点からの説明や説得がなされますが、本来的には、国旗や国歌は、基本的には政治体制を象徴するものですので、現状の政治体制に否定的であるとするなら、起立しないという選択肢はあるでしょう。

 政治体制が変われば、国旗や国歌はかわることが多いです。
 ところが、多くの日本人は、この民族、政治体制、政権の3重構造を理解していない人が多いので、いきおい起立しないことについて疑問を呈します。

 なぜなら、日本は、日本語を主に話す日本民族が、資本主義、自由主義、議会制民主主義に基づく立憲君主国という政治体制で、日本国として成立しているからです。
 ですから、政権交代とは、あくまでも同じ政治体制下における政権の交代にすぎません。

 お隣の朝鮮半島では、同じ民族でありながら、南と北で政治体制が違います。ですから国旗も国歌も違います。つまり、同じ民族であっても、政治体制が違うという選択肢があるということです。
 
 米国や英国などでは、政権交代はあっても、党派として政治体制の変換を訴える党派は議会内に存在していません。
 米国などは最近はそうでないようですが、かつては入国審査の際に、ある党派は入国できないと明記されていました。
 しかし一方でおもしろいのは、憲法上、国民に政府を転覆させる権利(抵抗権)があることを認めていることです。 そのことから民兵(ミリシア)や銃の保持が認められています。

 以上のような観点から、起立しないという行為は政治的な立場からいえば、抵抗権の行使ということになるのだろうかなと分析しています。

 

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