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松下幸之助さんは憲法を大変大事に考えていた(神戸視察)

 今日は、松下政経塾出身者の地方議員の会研修会で神戸に来ています。
 神戸市立病院改革について、「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」についてご担当の方から説明を受けました。

 要点だけご紹介すると、病院改革については、神戸市では 1)地方公営企業法全部適用 2)独立行政法人化 の2つの選択肢があり、(この時点で、横浜市が実施した、指定管理者が省かれている)より柔軟な経営ができる2)の方式を選んだとのことでした。なぜ2)かといえば、複数年度契約が可能なことが理由のひとつとして挙げられていました。
 経営がうまくいっている民間病院と公立病院のコスト差の違いは、まずは看護師や、放射線技師などの人件費、事務部門の人件費、そして、医薬品や医療需要品の調達コストの違いが大きいといわれています。複数年契約になれば、この医薬品、需要品調達コストが引き下げられます。
 また、独立行政法人化すれば、特に一般独立行政法人になった場合職員の身分が公務員でなくなります。さらに、これが指定管理者になれば雇用継続の義務も無くなるので、それが理由でさすがに神戸市は指定管理者という選択肢はとれなかったようです。
 
 「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」は、市街化調整区域の中の特に、農業振興地域を地域住民が里づくり協議会という組織を形成して、農家も非農家も一緒になって、地域の利用計画を作成できるしくみです。
 上位法には都市計画法、農地法などがありますが、例えば、この条例で駐車場や廃棄物処理場などゾーニングを開発の容易なゾーニングに指定すれば、羈束(自由裁量がほとんどない)に近い形で開発許可が得られるという可能性が高くなるそうです。
 こういった制度を利用して、逆に開発圧力が強まるのではないかという問いに対しては、計画策定の中で本来の条例趣旨(産業としての農業の振興、農村景観の保全など)にあわない計画は、いくら住民の過半数の同意を経ても計画を許可しないとのことでした。
 所沢市でもなんらかの形でこういった条例が必要になるでしょう。

 今回は、神戸市議会議長となられた松下政経塾1期生でもある吉田謙治先輩に、様々にご準備をいただきました。私たち政経塾出身者にとって、1期生は特別な存在です。最も高い倍率を経て入塾していますし、松下幸之助塾主が精魂を傾けて選抜されたすばらしい方ばかりで、なんとなく他の期と雰囲気が違います。現在、岡山県議会議員でもある1期生、内山登先輩も駆けつけてくださいました。
 
 夜の懇親会には、前塾長の関さんも駆けつけてくださいました。いろいろとここには書けないおもしろいお話をお聞きしました。関さんは9年間にわたって塾長を勤められたのですが、塾に来て改めて松下幸之助さんは日本国憲法というものを非常に重要に考えていたし、よく読まれていたということでした。

 日本国憲法の中には、権利という言葉は本文中に21回、義務は3回と権利と義務とのバランスが悪いことを気にしていたそうです。そういった意味も含めてやはり憲法については再検討すべきだというお考えだったのではないかとのことでした。

 なるほど、9条ではなく、そういった権利義務に視点が行く点がやはり幸之助さんらしいなと思いました。 また、聖徳太子と聖徳太子が作られた17条の憲法を大変尊敬し評価していたようです。

 
 

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