市長と議長 どっちが先にあいさつするか?
2月8日(月) 議員クラブの研修会で、元全国市議会議長会調査工法部長の加藤幸雄先生の講義がありました。
みなさんは市長と議長、どっちが先にあいさつすべきだと思いますか?
所沢市では、市長があいさつをし、その後、議長があいさつをします。
その逆はみたことがありません。
正解は、ということではないのですが、加藤先生は、「本来、議長が先で、市長が後にあいさつすべき」とおっしゃいます。
その理由、わかりますか?(以下は、加藤先生の説明ではなく、私の勝手な解釈です。)
市議会議員は、出馬しようとする自治体の住民票が要りますが、市長は、立候補する自治体の住民票がなくても出馬できます。 このことの意味、わかりますか?
日本国憲法第93条では、
1.地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
2.地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
1項に議会の定義が、2項に長と議員の定義がでてきます。
まず、議会の定義が先にでてくるのはなぜでしょうか?
第1項では、議会は、必ず置かなくてはいけないという意味です。でも、長は必ずおくという規定は憲法のどこにも書いていません。
第2項で言っているのは、長を置く場合は、選挙で選んで、と言っているだけです。
では市長は置かなくてもいいのか。憲法ではおかなくてもいいのですが、地方自治法では、第百三十九条 第2項に 市町村に市町村長を置く。 という規定があります。
ちなみに、地方自治法でも、議会は第6章で、市長を含む執行機関は第7章です。住民は、第2章です。一番最初に記述されているのが住民です。次に登場するのが議会です。執行機関は、第7章です。
ね、順番からいうと議会のほうが長より早いでしょ。だからあいさつも、本当は先じゃなくちゃ。
まあ、本質的にどちらが先かはそれほどこだわる必要はないとおもうのでもありますが。
憲法上は議会優位の設計ですが、これが地方自治法では、全く長優位に変えられています。
加藤先生いわく、地方自治法に定められた 1 専決処分(第179条) 2 再議権(第176、177条) 3 会議の招集権(第101条) によって長の優位が保障されているそうです。
まあ、長が優位となる最も大きい原因は、水戸黄門好きな国民性にあるのかもしれません。