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 商工会議所への補助金問題について③

 私以外の議員の平成21年3月定例会で行われた、商工会議所への補助金問題についても掲載しておきます。

 同じ会派の中村太(とおる)議員の議論です。大変示唆に富む内容で、その後の付帯決議の文面も中村議員の質疑を元に作成されました。

 中村太議員
 歳出予算説明書の155ページ、7款商工費、01商業振興費、19負担金補助及び交付金、80商工会館取得補助金2億6,376万3,000円を中心とする所沢商工会議所商工会館施設補助取得事業2億6,746万3,000円のことなんですけれども、額が大きいですよね。新規事業概要調書等を拝見させていただきまして、素直に考えればですよ、この事業スキームでは、商工会議所が購入する床に対してこれだけの多額の補助金を支出しているにもかかわらず、今後、そこの床に対しての市の関与というものがほとんど不明確、全くなくなってしまっているんじゃないかとも思われますし、これ完全に商工会議所のものになってしまうんですね、2億6,746万3,000円かかるんですけれども。そういうところで、ちょっとこのお金というのはやっぱり額が大きいので、対応に関しては私自身も結構いささか苦慮しているところというのが実情なんです。
 まずは、その商工会館取得補助金の積算根拠、これを具体的に御説明をいただきたいと思います。

大舘市民経済部長 
 内訳といたしまして、商工会議所のほうが取得する床の価格が5億900万円、それと、取得するときに、現況ということで何も内装等がございませんので、その内装に係る費用が2,698万5,000円、それに対しまして3分の1の補助ということで、市のほうが、まず、5億900万円に対しまして1億6,966万7,000円です。それと、内装工事分といたしまして899万5,000円。それと、商工会議所のほうが再開発事業に先行いたしまして旧の建物を撤去してございますので、それの撤去費用、それから、その補償分を含めまして8,510万1,000円。合計いたしまして2億6,376万3,000円ということでございます。


中村太議員

地方自治法第232条の2というのですね、普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができると規定されていまして、行政実例等を見ますと、公益上必要があるかどうかを一応認定するのは長及び議会であると書いてあるんです。ですから、ここで議案が提出されて、私たちもこれは公益上必要だなという議決をしたときには、これがすなわち行政実例上は根拠となってしまうんです。
 ですから、私たちは、この2億6,000万幾らかというお金が本当に適切なのかなとか、額はこれでいいのかなとかというのを、今の厳しい財政事情ですから、すごく判断しなければいけないんです。

 別に反対とか賛成とか言っているんじゃなくて、そういった観点もありますので、公益上必要というのが今どういうところで考えられているのかということをお聞きします。
 ちなみに、この認定する長及び議会なんですけれども、この認定は全くの自由裁量行為ではなくて、客観的にも公益上必要であると認められなければならないということなんですね。ですから、その客観的にも公益上必要であると認められると考える理由というのはどう理解したらいいんでしょうか。その辺についての御見解を伺います。

大舘市民経済部長 

 客観的に公益上必要があるかどうかという判断の理由ということでございますけれども、まず、商工会議所は、御存じのとおり、市内の中小企業の経営支援とか共済事業、それから、中心市街地でやっておりますいろんなまちおこし事業とか、地域経済の振興を目指す、営利を目的としない公的な地域の総合経済団体だというふうな理解が1つございまして、そこに市のほうが財政的な支援をしていくということは、商工会議所が実施しているいろんな事業をまた支援していくことでございますし、そのことによって、所沢の商工業を支えておりますいろんな中小企業の皆さんの支援にもつながるというふうには理解しております。
 また、商工会議所が、一面、当市の商工業者の大部分を占めます小規模事業者に対します総合的な指導団体として、中小企業の相談所とか、いろんな面で事業を起こしていると。そういった事業を通じて今回のこうした支援が当然、地域の活性化ということで還元されてくるというふうに考えて、一応公益上必要であるというふうに判断したところでございます。

中村太議員
 商工会議所の関係なんですが、これは判例では、やっぱり客観上、客観的にも公益上必要であると認められないと、長の裁量権にも限界がありますから、これ乱用または逸脱だと認められる場合は違法だという評価されてしまうんです。これについての判断基準が、ちょっと長いんですけれども、当該補助金交付の目的、趣旨、効用及び経緯、補助の対象となる事業の目的、性質及び状況、当該地方公共団体の財政の規模及び状況、議会の対応、地方財政に係る諸規範等の諸般の事情を総合的に考慮した上で検討することが必要だというふうにしているんです。
 今、大舘部長がおっしゃったところで何となくはわかるんです。もちろん商工会議所が公益的活動をしていないなんて私は全く言っていないんですけれども、やっぱりこの額が出てきた経緯というのがみえてこないんです。では、この額というのは本当に商工会議所さんがこの額でよかったと言っているのか、商工会議所さんがお願いしますと言った額をそのまま計上したのか、それとも、やっぱり市と商工会議所の間で、お金の話ですから、何回もいろんな話し合いがあったと思うんです。商工会議所は、これしかお金が出せないから、ここから先はやってくれないかとか、市も、ここまでしかお金出せないから、ここについては商工会議所さんちょっと泣いてくれないかという話があったと思うんです。その辺の細かい事情についてがみえてこないので、その辺についてはもう少し、これは多分、副市長、答えていただけるでしょうか。その辺のことについて、この2億6,376万円の出てきた商工会議所との話し合いの経緯というのは、ここら辺をもうちょっと確認をさせてください。
 あと、もう1点は、これは質疑というよりかは蛇足になるかもしれないんですけれども、やっぱりこの同じ判例で、地方財政法第4条第1項というのが、地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度を超えて、これを支出してはならないと言っているんです。この財政規律は、先ほどの上段部分で、すごく大きな指針になるんですよという話をしているんですね。それが、さっき言った地方財政に係る諸規範等のなんですよ。ですから、これがやっぱり最少なんだということを言わなければいけないと思うんです。説明してほしいんですよ。だから、その部分についても併せてお答えをいただきたいなと思っております。
 あと、これは、今、商工行政としてこういった施策で補助金を出すんですけれども、仮に、では、同じようなケースで農協さんがやると言ったら、やっぱり補助金を出さざるを得なくなりますよね。この辺のことについてはどうお考えですか。これは部長でも副市長でも構いませんけれども。
 私、先ほど、公益上必要であるかどうかというときに、ここでいろんな話を聞いていておかしいなと思うのは、財務部長は、今回、景気が悪くなっても法人税のは所沢市は少ないと言って、法人が余りないから影響ないというようなお話されるんですよ。だけど、こっちではやっぱり2億6,700何万円払うだけの公益上必要があると言っているんです。その辺の答弁の整合性というか、何かこう納得をさせていただきたいなという気持ちが強いので、そこについての御見解というか、これは正確な数字とかではないんですけれども、少しその辺のことについても御見解をいただきたいと思います。

西久保副市長 
 商工会議所に伴います補助金についての御質疑でございますけれども、商工会議所は、御存じのとおり昭和26年6月に所沢市に誕生したわけでございまして、その間、所沢市の商工業を含めて支えてきた。その間、事務所を建てたり、事務所を壊して新たな旧庁舎に移る、それについても所沢市も支援をしてまいりまして、その間、やっぱり所沢市の商業、工業の方々と連携をとりながら、今日までこういう所沢市の商業を支えてきた大きな公益的な団体だというふうに評価しております。
 そういう中で、今回、元町北地区の再開発に伴いまして、その中で、ぜひさらに商工会議所が発展していただきたいということの気持ちも込めまして、お互いの話し合いを進めてきたということでございます。
 今回、この額を決めたのも、1つは、さまざまな市町村のどういう形態で商工会議所に補助、支援をしているかということも当然調べさせていただきました。そういう実例なども参考にしながら、今回、総経費の全体の床を買うお金、それから、それに絡みます経費の約3分の1を負担しようということで今回決めさせていただいたということで、これにつきましては、商工会議所についても、ほかのところにつくろうかとか、自前で何かつくろうかとか、さまざまな紆余曲折があったことは私も聞いております。ですから、そういう紆余曲折を経た上で商工会議所としても決定をしたと、機関決定した上で所沢市に支援の要請があったということも聞いております。
 そういう経過を含めまして、平成18年、19年から検討した結果、こういう形で商工会議所との合意に達したと。ただ、商工会議所としても、現在、残りの何億、3億円近いお金を、商工業者さんの中でのお金を、基金を取り崩すこともありますし、借り入れもしたり、併せて、足りないところは会員さんから御寄附を願うということで、今、大変努力をされているということで、まさにこれが一大事業で、今後の所沢市の商工業を支えていく商工会議所としてぜひ頑張っていただきたいということと、所沢市としても商工業を支える意味で、今回こういう補助金を出したい、出すことで議会の皆さんに御審議をお願いしたということで、ぜひ御理解いただきたいということでございます。


大舘市民経済部長 
JAの場合はどうかというふうな御質疑でございますけれども、特に補助の対象になるような内容については十分精査しなければいけないと思っておりますし、また、その時々の市の財政事情も含めて、総合的にそれについては判断していかなければいけないというふうに考えております

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