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 松下政経塾 地域主権 湘南宣言

 本日、2月27日、以前このブログでもご紹介させていただいた、松下政経塾30周年記念のシンポジウムが開催されまました。

(財)松下政経塾30周年記念シンポジウムのご案内

 シンポジウムの最後に、副座長として、このシンポジウムの企画運営に携わった私が、宣言を会場にて朗読させていただきました。

 この宣言は、当たり前のことですが、今回のパネリストの皆さんにもそれぞれ事前にお配りして修正を加え、了承したものです。

 シンポジウムの中でも北川先生からご指摘をいただいたのですが、「地域主権というのは、主権が国家内に2つ存在することになる、未知の領域だ」ということや、以前、和光市であったシンポジウムでも、大森先生が、「地域主権という言葉は、憲法上疑義がある」と言われた点を配慮し、地域主権は、松下幸之助さんの定義をお借りして、「国防や外交、治安や教育行政、基本的な国土建設など全国家的に取り組む課題以外は」地域が主人公となって権限を持つ 地域「主(人公)」「権(限)」という表現といたしました。

 また、道州制についても、本当はもう一歩踏み込んだ表現をしたかったのですが、道州制についてはパネリストの間でも温度差があるようなので、「明治維新以来変わらない都道府県制度に疑問を呈し」という表現にとどめました。

 この宣言を起草しながら思ったのは、本格的な地方分権、地域主権を考えるには、まずは地方自治法の抜本改正ですが、終局的には憲法についても議論する必要があるように思いました。

 ちなみに、地方自治法の抜本改正案を早速、神奈川県では、今回のパネリストでもあった、松沢知事が素案をつくっていることがシンポジウムでも報告されました。

 神奈川県「地方自治基本法の提案」の概要


 シンポジウムについては詳細は改めてご報告しますが、手前味噌ながら、松下政経塾出身者の今回のパネラーはみな「明るくて」「元気」で「前向き」で「必ず笑いを最低一か所とる」というところに共通点があるように思いました。
 そういう人選を心がけたからでもあるのですが。松下政経塾の選考基準の一つ「愛きょう」となっています。私も7年間選考にかかわってきたのですが、やっぱり「愛きょう」があって明るいことは大事だとつくづく思いました。私も反省しきりです。


 以下、本文です。

 松下政経塾 地域主権 湘南宣言

本年度、松下政経塾は、開塾30周年を迎えました。

本塾創設者でもある松下幸之助は、明治維新以来変わらない都道府県制度に疑問を呈し、それぞれの地域ごとに切磋琢磨できるよう、大幅な権限委譲をおこなっていくべきとの考えを持っていました。

松下政経塾では、塾主松下幸之助のこの考えを受け、塾生時や卒塾後も、地方分権に向けた研究・実践活動をすすめてまいりました。

平成元年からは、松下政経塾が運動体として、地方分権を地域から進める「地域から日本を変える」運動を積極的に進めてきました。権限委譲の前に、まずは地域が自立的・主体的に、自己決定・自己統治をしていく能力を備えることが大事と考えたからです。

現在、地方分権を司る大臣に塾出身の国会議員が就任し、また、都道府県知事が2名、政令市市長2名を含め、市長・区長が9名、地方議員26名が地域で活動を行っています。

私たちは、まずもって、自分たちの地域は自分たちで自律的に経営していくのだという強い気概をもつべきと考えます。その上で、地域経営に必要となる権限を国から委譲させることが必要です。
国防や外交、治安や教育行政、基本的な国土建設など全国家的に取り組む課題以外は、地域が主人公となって権限を持ち、地域の課題に取り組み解決していく地域主権のより一層の実現に向けて取り組むことをここ湘南において宣言いたします。

松下政経塾自治体経営改革プロジェクト

平成22年2月27日 


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