講演「政権交代と地方自治」の論点と私の考え②
時代認識
冒頭で、現在がどういう状況かというお話があり、現在は、明治維新、戦後改革に続く次期であり、昨年の政権交代は明治維新に相当するという話でした。1995年~2001年は幕末に相当した。ただし、明治維新になぞらえれば、明治維新から明治憲法制定まで約20年かかっているので、現在のこの混乱も収束を見るまでに、10年~20年ぐらいはかかるのではないかとのことでした。
途中から加わった地方分権改革推進委員会についての評価と総括では、政権が安定しなかったため最終勧告がでてから政府側が対応すると終始したため、実効性が得られなかった。本来であれば、提言ごとにしっかりと実現を図っていくよう促すべきだったということでした。
西尾先生の地方分権改革推進委員にかかわっての成果は、「都道府県から基礎自治体への権限委譲」、「義務付け・枠づけの見直し」を地方交付税総額の抑制とは切り離して勧告できたこと、「出先機関の原則廃止」を修正し、ハローワーク以外の都道府県移管を阻止できたこと、「地方税財源の充実確保」をまとめることができたこと、だそうです。
民主党政権についても、様々な問題はあるが、「義務付け・枠づけの見直し」には取り組もうとしている点を評価していました。
3月3日の地域主権戦略会議では、4つの課題を重点的に取り上げることとなりました。
義務付け・枠付けの見直し
主査 小早川教授
基礎自治体への権限移譲
主査 前田理事長
ひもつき補助金の一括交付金化
主査 神野教授
出先機関の抜本的改革
主査 北川教授
基礎自治体への権限移譲については、西尾先生は、質問に答えて、「委譲については一律に行うのが望ましい」との意見でした。私も、現在の基礎自治体への権限移譲は、中途半端だと思います。
県が条例で権限委譲項目を決めて、基礎自治体がそれを選択する形になっていますが、所沢市でもあまり選択していません。所沢市の自治の気概が弱いのですが、県も人やお金と一緒の権限移譲というより、行革のための権限移譲としか見えないからです。
やはり委譲項目を選ぶアラカルト方式より、財源なども含めて、一定の権限移譲を、中核市、特例市など規模別に、強制的に委譲する方法が現実的なのかもしれません。