あの人に会いたい「松下幸之助」から
先日、たまたまインターネットを見ていて、NHKに松下幸之助さんが出演したビデオを再編集した、あの人に会いたい「松下幸之助」編を発見しました。
統率力について
「こうすればよい、ああすればよいというのを聞いてさんこうにするのはよろしいが
本当に身につけるのは自分で体験して悟るしかしょうがない」
人のまねはいけない
「あなたはあなたの生き方、私は私の生き方というものがおのずとあっていいわけですな。
同化するというのは危ない。自分をしっかりにぎってないといけない。自分はこうだと。」
もうけについて
「もうけというのが先にたつと、事が汚くなる。もうけは一番あとの精算です。奉仕を先にもってこないといけないのです。結果がもうかると。」
先憂後楽
「政治家だったら先憂後楽です。先憂後楽というのは何にでも通じます。その志のないものは上にたてません。」
戦後の復興は本当の復興ではない。
「今まではうたかたの繁栄だったわけです。だいたい戦後30年は高度成長に経済が発展してきました。それは外国の援助やったわけです。日本の国民の自力によって戦後復興したわけではないです。
ぼくが考えるにね、3年も4年も戦争して負けた。昔であれば民族が奴隷になったり非常に苦しみを味わいます。ところ日本は戦争に負けたその日から救済されているわけです。早く言えば。ひとつ技術もあげましょう。食べ物も一つ援助しましょうと。政治の方も教えましょう。そういう結構な負け方はないわけです。
そこにそもそも甘えがあったわけです。その甘えが積もり積もって今日、つけを払わなきゃならないです。物資は豊かだけど精神的には貧困であると。戦後30年にしてようやく日本は精神的な敗北をしたわけですな。日本の持てる精神です。日本人の古来の。そういういいものがあるとするならここらで精神復興せにゃいかんですよ。精神復興即、それは日本の本当の復興でんな」
私は、松下政経塾に入塾が決まるまで正直、それほど松下幸之助に関心があったわけではありませんでした。しかし、入塾が決まって、松下幸之助さんの書かれたものをよんで、松下幸之助さんが、ひとのまねはいけない、と強調しているように、自分というものをしっかり持つことの重要性を強調していることに大変驚きかつ、安心しました。
私の最も大事にしている言葉であり私の基本的な行動原理になっている言葉があります。それは、お釈迦様入滅前に弟子たちに語った言葉です。
「誰でも自らを島とし、自らをたよりとし、他人をたよりとせず、法を島とし、法をよりどころとし、他のものをよりどころとしないでいる人々がいるならば、かれらはわが修業僧として最高の境地にあるであろう」
大パリニッパーナ経 中村元 訳 岩波書店