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 改めて議員年金について①

 埼玉県のある団体から議員年金についての是非を問うアンケートが送られてきました。早速回答して返送させていただきました。
 この機会に、議員年金について、何か議員の特権であるかのごとく誤解している方々も多いので、あらためて私の考えと、議員年金について紹介いたします。

 まず、私は議員年金は即刻廃止していただきたいという立場です。
 おそらく、期数の浅い議員は誰しもそう思っているのではないでしょうか。

 議員年金の詳細は 地方議会議員年金のあらましを見ていただくとして、かいつまんでご紹介いたします。

 年金の方式としては、現役世代が受給者分を負担する賦課方式と自分たちが積み立てた原資を年金としていただく積み立て方式があり、市議会議員年金は前者にあたります。
 現役世代が受給世代を支えるためには、受給者が少なく、現役世代が多くなくてはなりませんが、「平成の大合併の急速な進展に伴い、大幅な議員数の減少と年金受給者の増加で、1人の会員が3人の受給者を支える極めて不均衡な状態」(市議会議長会 市議会議員年金財政に対する緊急要望 より)にあり、制度の破たんは目前です。

 それで、様々な年金改革案が提出されているのです。
 ここで、いちおう制度がこのまま存続するとして、議論を進めます。
 私が議員年金をもらうためには、12年間市議会議員をしなくては受給資格は発生しません。
 12年というと、1期4年で3期なのですが、私は市議会議員の公職選挙法違反に伴う大量逮捕及び辞職による補欠選挙で当選したので、1期目は3年しか議員ではありませんでした。
 ということは、私の場合、受給資格を得るには4期努めなくてはなりません。3期目の当選もおぼつかないおじさん非イケメン議員(?)としては、4期など夢のまた夢の世界です。
 では、たとえば、仮に2期目で議員を終えるとした場合、年金はどうなるのでしょうか。続けて市議会議員にならない場合、一時金を請求できます。7年在職の場合は、
 「在職期間が4年をこえ8年以下の場合 」「在職期間に係る掛金総額の100分の57 」の一時金が支給されます。つまり、掛け金はほぼ4割は没収です。おっと、現在の受給者に支払われます。

 現在、私は月89,600円の掛け金を支払っていますが、この額に57%をかけると、51,072円裏返すと38528円は、ほぼ確実に取り戻せない額です。いわば税金と思ってあきらめています。

 本当であれば、この6年で、約630万円支払っていますから、市議会議員年金から離脱したいのですが、事実上できない仕組みになっています。徳島県小松島市も一旦支払いを拒否しましたが、その後復帰しています。
 なぜなら、「地方公務員等共済組合法」により「すべての地方議会議員を対象とした強制加入の公的年金制度」(市議会議長会)だからだそうです。条文には明確に記されているとは思えないのですが。
 
 最大の理由は、もし議員が離脱すると議員の共済金だけでなく、付随して所沢市が支払っている、「地方公共団体の負担金」も共済会に入らないからです。この負担金が、驚くなかれ、月92,400円。議員の負担分より多く支払っているのです。
 ここで、早とちりされては困るのは、議員がもらえる年金や一時金の掛け金総額には、この「地方公共団体の負担金」分は含まれませんからご注意を。
 まあ、ここの部分を誤解して、「特権だ」と叫ぶ人がいますが、この地方公共団体負担金分は何度もいいますが、制度運営のための協力金であり、議員個人の掛け金補助ではないことをご理解ください。

 平成21年度で、所沢市は総額約3700万円を共済会に支払っています。ですから、もし市議会議員年金が廃止されるだけで、約3700万円が財源として浮上してきます。

 

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