«  改めて議員年金について① | メイン | 札幌市議会で学んだこと① »

 改めて議員年金について②

さて、ここで、年金制度見直し案がいくつか出されていますが、制度存続は限りなく不人気かつ非現実的かつ問題先送りにすぎないので、廃止案だけご紹介しましょう。

 国の案では、一時金は掛け金の63%支給というもので、市議会議長会は80%支給という案です。私としては、当然80%支給に賛成です。実質、80%支給といっても、地方公共団体負担金分を加え、さらに地方公共団体負担金分を、地方公務員共済の雇用者負担金と比例して考えると、80%であっても、実質掛け金の40%に過ぎないからです。

 この80%の根拠は、国会議員年金制度廃止時に、やはり掛け金の8割を一時金として支払った経緯から来ているのでしょう。そもそも、市議会議員共済は市議会議員には自己決定権はほとんどありません。なぜなら、議長しか、共済会の役員になれないからです。法律は国会議員が決めています。
 もし、国会議員は自分たちはお手盛りで、8割返させたのに、市議会議員は63%で我慢しろというのは、憲法で定められた法の下の平等にも反しますし、ちょっと納得できない議論ですね。

 いずれにせよ、私たちのような年金受給資格のない議員より、受給資格のある方にとっては事態は深刻です。かつては、支給開始年齢も55歳からだったこともあったようで、現にどこかの市長さんもすでに市議会議員年金をもらっているとかいないとかという噂も聞こえてきます。問題はすでにもらい始めた方はまだしも、65歳に達していない受給資格者は、そんなことであれば、かつての利子の高い時代であれば、掛け金をかけずに自分で運用させてくれていれば、という声も聞こえてきそうです。
 
 それから、「財政悪化の責任をとって、一時金もすべて没収せよ」という意見の方もおられるとは思いますが、そもそも強制加入で、かつ離脱が現実的に許されない状況であり、法律に基礎を置く共済ですから、法治国家としては、それは、現実的に無理ですし、強行すれば訴訟が乱立します。
 一言でいえば財産権の侵害にあたり、憲法違反です。

 実は、同じ地方議員共済でも都道府県議会共済はまだ制度が安定しています。なぜなら、都道府県は合併がなかったからです。いわば、国が進めた平成大合併の副産物ともいえるこの問題。合併による財政削減効果も大きかったといわれているのですから、その分は国税を投入せざるを得ないでしょう。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kuwaken.net/cgi/mt/mt-tb.cgi/276

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)