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2010.03定例会 一般質問① 公民館利用ルールについて

利用制限の根拠条例

Q 行政法の理論として侵害留保説というのがあるが、侵害留保説とは何か?
山嵜教育総務部長 国民の権利や自由を制約し、または新たな義務を課するような活動を法律の根拠なくして行政権が単独でなすことは許されないという考え方に基づく理論

Q では、侵害留保説に基づき公の施設の利用について規定している地方自治法の条文は第何条になるのか。その内容は。
山嵜教育総務部長 地方自治法第244条の2であり、その内容は公の施設の設置およびその管理に関する事項は条例でこれを定めなければならないというもの。


Q 公民館設置及び管理条例施行規則並びにコミュニティ会館条例では、施設の利用は「3日をこえて使用することができない」となっているが、この条文は読み替えれば、3日までの利用を確保しているともいえる。にもかかわらず、実際には月12時間までとする利用制限を行っている。この条例上の根拠は何か?条例上の根拠がないとしたらどういった根拠に基づき運用しているのか?
山嵜教育総務部長 指摘の通り、条例上の根拠はない。
12時間の根拠は、平成16年4月に行った使用料減免基準の見直しの中で、予約時間数の制限についても決済で定めたものである。


Q 決済運用ということだが、その決済は市長決裁だとおもうがそれでよいか?
山嵜教育総務部長 その通りです。
Q 公民館設置及び管理条例では、第13条で「必要な事項は、教育委員会が別に定める」となっている。市長ではなく、本来であれば教育委員会が決済を行うべきではないのか?
山嵜教育総務部長 公民館設置および管理条例第8条に「市長は公用又は公共的事業のために使用する場合において必要があると認めるときは、その申請により使用料を減免することができる」とあり、減免規定の見直しということもあったので市長決裁とした。


Q 減免に関しては市長決裁というのがわかるが、問題なのは、この市長決裁で同時に「公民館サークル基準」「設置目的以外使用基準」というのも一緒に決裁してしまっている。そもそもこの「公民館サークル基準」はだれがどういう立場でいつ定めたものなのか。

山嵜教育総務部長 平成16年の市長決裁の際に、減免に関する基準の一部として改定した。

「公民館サークル基準」を市長決裁で運用するのは、第13条に対する明白な条例違反です。

Q 公民館は、現在個人での申し込みができないが、団体利用であれば申し込みは個人であっても問題がないのではないか?また、条例施行規則では、第12条で公共施設利用者カードの交付を受けようとする者は、所沢市公共施設利用者カード登録申請書「様式第3号」により申請しなくてはならないとある。しかし、様式第3号(その1)は個人登録用となっている。さらにご丁寧に、第12条第2項では、利用者カードの交付を受けた者は、公共施設案内・予約システムを利用して申請することができる。となっている。素直に規則を読めば、個人申し込みは可能ということになってしまうが。個人での申し込みを制限する条例上の根拠を重ねて尋ねる。
山嵜教育総務部長 条例上の根拠はないが、公民館は社会教育法第2条に規定されているように組織的な教育活動を行う場所である。個人の場合も一人で使うのではなく複数での利用なら、団体利用なので、公民館は利用できる。

千葉県市原市では、団体利用なら個人で申し込みが可能です。

Q 現在、団体の私有物及び、私有物を保管する物置、ロッカー、倉庫等が存在している館を示していただきたい。
山嵜教育総務部長 小手指公民館を除く全館で、サークル関係が所有するものを保管する物置、ロッカー、倉庫等が存在する。

Q 公民館設置及び管理条例では第11条(原状回復義務)とあり、使用者は原状に回復して引き渡すとなっている。この観点からすれば、団体の私有物の保管は、第11条に違反するのではないか?私有物の保管を認める条例上の根拠を示していただきたい。また、私有物を保管することについての決済は取っているのか?
山嵜教育総務部長 条例上の根拠はない。これまでは、社会教育法第11条「教育委員会は社会教育関係団体の求めに応じこれに対し社会教育に関する事業に必要な物資の確保につき援助を行う」という規定があり、これを解釈する中で、援助を行ってきたことは事実。しかし、時代の変化とともに、昭和45年以来40年経過した中で、サークル活動も増大し、平等な対応も困難なので、今後一定の基準を示すなどしていきたい。
Q こういう違法状態は好ましくない。また、館によって私有物が置けたり置けなかったする状態も法の下の平等に反する。直ちに、私有物は撤去すべきと考えるがご見解は?
山嵜教育総務部長 団体が公民館と共催して事業を行う場合以外は、団体の備品等は持ち帰っていただく形で、全館で統一的な基準も必要になるので対応していきたい。

Q 今回公民館関係の条例を、川越市、旭川市、藤沢市と調べたが、市民の権利制限については条例もしくは規則上に位置づけてあった。これほど条例体系が不備なのは問題だ。
なぜ、このような不法状態が放置されてきたのか原因を教えていただきたい。
山嵜教育総務部長 公共施設予約システム導入時に、ハード面整備に関して、公民館・体育施設、コミュニティ施設などが一体化して進めてきた経緯もあり、その際に、公民館設置および管理条例との整合性がとれない面がでてきた。
Q 次の定例会までに、直ちに条例や規則の見直しや、条例違反状態を解消するということでよいか?
山嵜教育総務部長 速やかに必要な整備を図るように努力する。
市長に
Q 条例と決済との整合性が全くないものがこれ以外にも多数あるものと思う。現に、先日市長にお出ましいただいた、総合福祉センター暫定利用の決済書も行政財産の目的外使用としては問題があった。市長は、市長決済であっても法律や条令を遵守した上で決済を挙げるべきと考えるがいかがか?
当麻市長 市長決裁で運用する場合については、所沢市事務決裁規定第3条の事務決裁の原則に関する規定があるが、市長決裁であっても法令や条例等に違反することはできないもので、職員は法令や条例等を遵守した上で決裁をあげるべきものと考えている。

Q 今回のケース以外にも、条例や規則の根拠がなく、決済運用で行っていることについて一斉に点検して是正する気はあるか?
当麻市長 市が所管する施設については多くの施設があるため、短期間で実施することはなかなか難しいが市政の透明性の向上と市民の信頼を確保するという観点から、行政組織の法令遵守の推進を図るためには、まずは各施設の状況把握が必要と思っているので、各施設を所管する課に指示したい

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