松下圭一著 「自治体は変わるか」に学ぶ②
つづいて、松下圭一著 岩波新書「自治体は変わるか」に学ぶについて、議会基本条例関連以外のトピックスで、私が共感した部分をご紹介します。
議会は市民のヒロバ(つまり市民のものということ筆者注)
「自治体議会も法制用語としての単なる「立法機関」ないし「議事機関」ではありません。
[議会の五課題]
(1)政治争点の集約・公開
(2)政策情報の集約・公開
(3)政治家の訓練・選別
(4)長・行政機構の監視
(5)政策の立案・改定・評価(立法・提言ならびに予算・決算)
議会は、市民の(5)立法機構である以前に、まず(1)(2)(3)(4)の意味での市民のヒロバなの です。」
以上のことから、本来は、議会と市民の協働という概念はおかしいことに気づいていただきたいですね。
議員の報酬について
「通年型議会になる自治体では、…ひろく議員報酬は自治体幹部なみを保障することになります。低ければ、議員は自営業者の副業となり、特に都市地区では勤労者はでにくい結果、市民と議員との職業構成比率がこれまで以上にズレます。」
「素人」議員論について
「いわゆる「素人」議員論もありますが、フルタイマーの職員の水準がたかくなった今日、議員も「市民」感覚をいかしながら専門情報をもたなければ、自治体政治から自治体経営までの決定責任をもちえないではありませんか。素人と市民とはちがいます。市民も職業などをとおして専門をもつという意味で、市民たる議員も専門をもっています。」
議員定数について
「市民の多様な意見を反映するために、議員定数の大幅減員には留意が必要です。数名の議員を減員するくらいならば、それ以前にムダな施策を議会は大幅に減らすべきでしょう。また議員数が少数になれば、それことかえってナレアイになるではありませんか。しかも、ヨーロッパなどの自治体議会と比べても、議員一人あたりの人口でいえば日本の議員数が多いことはありません」
「議員定数の減員がたえず問題になるのは、前述した議会への市民参加をはじめ、議員が市民から期待される活動をしないばかりか、情報公開すらも行わず、クライ印象を市民にあたえているからです」
議長の任期について
「議会の「権威」保持という理由で議長任期は四年であるべきだとの解説もありますが、『地方自治法』自体を改正して、各自治体議会で(議長任期を)自由とし、毎年交代でもよいではありませんか。」