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 元ニセコ町長、逢坂 誠二(衆議院議員)首相補佐官に質問

 本日5月17日(月)、日本自治創造学会第1回の研究大会があり、参加しました。
 プログラムにある、逢坂 誠二(衆議院議員)首相補佐官で最後に質問しました。
 逢坂氏は、政府の政策のなかで、国と地方の協議の場を地方六団体と協議する機会を制度化する法案が、上程され参議院で可決したこと(おそらく衆議院でも可決するでしょう)をこれまでになかったことで画期的と評価されて報告されたことについての質問です。

 <参考>国と地方の協議の場に関する法律案

 くわけん「地方六団体が必ずしも、地方の声を代弁する組織の相手としてみなすことは、あまり納得がいかない。全国市議会議長会会長を私は選挙で選んでいない。」
 逢坂補佐官「その指摘はごもっとも。(六団体の)レディチマシー(正統性)の問題は議論のあるところだ。六団体の在り方については、国からどうこういえる問題ではないので、むしろ地方の側から、役員選挙を導入するなどして改革してほしい」

 という肩すかしの返事が返ってきまして。なにしろ議長にもなってないのに、どうやって働きかければよいのか?

 質問は1分でということだったので、前置きがないのですが、私も、この法案自身はまあ、一歩前進かと思っていますが、それにしても、六団体のガバナンス問題は、やはりありますね。
 その後、ある友人から、私と同じような指摘を片山善博慶応義塾大学教授が、参議院の参考人質疑で言っていたと教えてくれたので、そこの部分を引用させていただきます。

 参議院 総務委員会 平成22年4月16日 第13号
 「○参考人 慶應義塾大学法学部政治学科教授  片山 善博君
二つ目の国と地方の協議の場に関する法律案ですが、これは私は反対であります。私は知事をやっておりまして全国知事会にも属しておりましたけれども、あえてこの法案には反対であります。これは民主党の皆さんがマニフェストに書く書かないで去年議論をされていたときも私は明確に反対の意思をしかるべくお伝えしておきましたけれども、残念ながら入ってしまったということです。
 (中略)
 地方六団体というのは、大体いつも決議をしたりして、いろんなことを政府に要求されます。どんなことを要求するかというと、権限を移譲しなさい、関与をなくしなさい、地方交付税を増やしてください、地方消費税をもっと分け前を増やしてくださいというようなことです。こういうのを要求するというのは、これは政治学では一般には圧力団体というんです。プレッシャーグループです。プレッシャーグループと政府が法律上協議の場を設けるって、これは非常に珍妙なことであります。プレッシャーグループはあっていいんです。政治に対してアクセスをし働きかけるというのはあっていいですけれども、わざわざその圧力団体と政府とが法律上協議をしなければいけない。なおかつ、そこに参加した人はその結果を尊重しなければいけないというのはどういうことなのか、非常に不可解で私はなりません。
 もう一つ、地方六団体は天下り団体です。総務省の天下り団体です。ちょっと言いにくい面もありますが、ずっと代々もう例外なく総務省の官僚OBの皆さんが事務総長に座っております、現在もそうであります。一方、今、民主党政権はこの天下り団体に対して、その見直しを積極的に進められておられます。来週からは行政刷新会議の下で独立行政法人の見直しも、事業仕分も始まります。ここでの焦点は、いかに天下りを解体するかということのはずであります。そういう時期に、何ゆえに、れっきとした堂々たる天下り団体を政府の協議相手として法律に位置付けるのか。私はどうもダブルスタンダードではないかと思うのであります。こんなことは絶対やめられるべきだと思います。(後略)」

 私も、所沢市議会事務局も、市議会議長会には、何か議事運営で分からないことなどがあると懇切丁寧に教えていただいたり、大変お世話になっていますし、こういった団体の必要性は感じています。
 しかし、実際に、たとえば埼玉県の市議会議長会長も、各ブロックごとの長も持ち回りて決めています。
 こういう団体を国の正式の協議相手とするのは、ちょっと民主主義的な手続きから言えば違和感を感じざるを得ません。もし、協議相手とするなら、少なくとも主だった役員は、議長のなかから選挙で選ぶ必要があるし、当然候補者はなんらかのマニフェストを掲げていただきたいと思います。

 それに、よくわかりませんが、必要もないのに、毎年市議会議員手帳というのが配布されます。市議会議長会には所沢市も負担金を支出している見返りかもしれませんが、こういう手帳も希望者だけにしていただきたいですね。結局は市民の税金なんですから。

 他の、佐々木先生や御厨先生のお話もおもしろかったのですが、とりあえず、逢坂氏への質問とその回答を中心に報告させていただきました。

 

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