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 学びノート集中審議(教育福祉常任委員会)

 平成22年5月20日(木)、午後教育福祉常任委員会が開催されました。今回は、前回の4月21日(水)に引き続き、本年度で計画期間が終了する所沢市第4次総合計画の評価ということで、学校教育関係の評価を行いました。
 私が所属する教育福祉常任委員会では、すべての項目を議論するのではなく、いくつかの項目にしぼって議論をするということになっています。前回は、特に地域福祉と保育政策について、今回は、所沢の特色ある教育ということをテーマにしました。
 まずは、和田小学校で給食をいただきました。
 和田小は栄養教諭(教員免許+栄養士)を配置しており、県内でも有名な先生が給食の解説をしてくれました。

 グリンピースご飯がおいしかったです。
 ちょっとびっくりしたのは、当日は6年生の皆さんとご一緒したのですが、配膳の際に、ご飯は左、汁物は右におくということをご存じないようだったことです。
 確かに、左利きの方にとっては、この型は不便なので、最近はこだわらないことになっているのかもしれません。
 それに、かつては、というよりいまでも、教室の配置が、左側に窓があるように生徒の机も配置していますから、左利きの生徒さんは、どうしても手許が暗くなってしまいます。しかし、最近は手書きで文章を書くことが少なくなったので、右利き、左利きの違いがそれほどハンデにならなくなっているのでしょう。ですから、あまり、配膳の位置にもこだわる必要がなくなっているのかもしれませんね。
 まあ、こういうことを言う私がもう古い人間なのかもしれませんが。
 ついでにいうと、いただきますの際に合掌するのは素晴らしいのですが、パチンと柏手を打たれる生徒さんが複数いらっしゃったのにもたじろぎました。
 そういう私も、いただきます、ごちそうさまの際に丁寧に合掌してませんから、何か言う資格は私にはないのですが。

 ちょっと話が脇にそれますが、食事の仕方というのは、文化そのものであり、例えば、韓国では、ご飯椀(鉄製)を持ち上げるのが不作法となっています。もちろん日本では持ち上げない方が不作法です。

 文化人類学で、例えば女性が水浴びをしている時に、覗かれているのがわかったときに、陰部を隠すか、目を隠すかで文化の違いが分かれるというたぶん俗説を聞いたことがあります。文化はある習慣が始まった理由はともあれ、それが何世代にもわたって、一種のルールとして定着していったものだとすると、食事の作法が変わっていっているということは日本の文化の変容が起こっているといってもいいのでしょうね。
 食育というのは、食べ物の産地や旬を知ることばかりではなく、本来はそういう食事の作法も含まれているのかと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。そもそもそうした合意はきっととれないでしょうし、保護者の方にしてみれば、何をそんな強制をするんだという文句が出るのかもしれません。ちょっと現場の方の声を聞いてみたいですね。当然、政治が文化を強制するわけにはいきませんから、多くの保護者が食事作法を文化の共通了解として認めて下さらなければ、やはり食育教育は食材の産地紹介や旬の紹介にとどまらざるを得ないでしょうね。食育基本法が議員立法だったのも、そういった点にあるのでしょう。

 さて、役所に帰ってきて特に、中心的に「学び」ノートについて議論をしました。学びノートとは、所沢市の全小中学生に配布される所沢独自のドリルです。国語と算数、数学、そして最近は英語もあります。
 その志は素晴らしいのですが、はっきりいって、子どもを所沢市の小中学生に通わせている、保護者の方々からムダではないかと文句を言われる筆頭の事業でもあります。

 学びノートのあり方については、教育福祉常任委員会として、提言を行うことになりました。以下、委員長に私が提出した、提言私案を掲載いたします。これを読んでいただければ、この日の議論についてはある程度ご理解いただけるものと思います。

 以下、学びノート提言についての桑畠私案

 所沢市教育委員会の独自事業である「学び」ノート事業については、事業開始以来5年を経過した。平成22年5月20日に開催された教育福祉常任委員会において、英語学びノートについては一定の評価がえられたが、国語、算数、数学の「学び」ノート事業について積極的に評価する意見はなかった。委員会としては、英語を除く、国語、算数、数学については、事業の存続も含め、何らかの改善をすべきという結論に達した。委員会において指摘された事項は、1)当初、自主教材として構想されたが、その後利用が低迷したため、授業での活用も目指すことになった。そのことが、このノートの成果をあいまいにしているのではないか。2)アンケート調査など保護者や現場の先生など、利用者の声を反映させる工夫をほとんどしてこなかったのではないか、3)利用対象を、学力の底上げに加えてより発展的な学習もできる内容を加えるなど、編集の方向性に混乱があるのではないか、4)副教材などの費用負担を抑制する目的は結果的には達していないのではないか、などであった。
 今後の改善にあたっては、1)英語の学びノートのように利用対象や目的を絞り込む、2)現状の全員配布から、製本配布を希望しない利用者には配布しない制度を設ける、3)著作権料の支払いも含め、教科書準拠の内容とする。などを検討すべきであり、現状のままでの事業続行は容認しがたい。
 以上、教育福祉常任委員会として、提案する。

 終わり


 

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