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会派「翔」マニフェストの評価について⑩

前回は、私達が提案した会派「翔」のマニフェスト(以下、特に断らない限り、会派マニフェスト)と、その現時点での評価、特に財源の項目をどのように取捨選択、決定したかを中心にご紹介した。今回は、マニフェストの項目選びの方法や、その後のマニフェストの周知の方法について、特に現役の議員ではない、あるいは1人会派で活動している方々でもゼロから作成する方法について、私が属する会派が現在進めている次期選挙にむけのマニフェスト作成の事例も参考にしながらご紹介する。


論点、争点を探ろう
まず大事なのは、皆さんの自治体で何が争点もしくは論点になっているかを見極めることである。争点には、だれしもが必要と思い、意見もそれほど分かれない「合意争点」と、立場によって意見が分かれる「競争争点」がある。「合意争点」は、所沢市で言えば、保育園児の待機児解消問題だ。どの会派も待機児解消には賛成である。しかし、一歩議論を進めて、待機児解消のために、公立保育園民営化の促進となると、「競争争点」になってしまう。所沢市議会でも公立保育園民営化議論で、議会の意見は大きく二つに分かれた。わが会派のマニフェストでは、「合意争点」も「競争争点」も掲載した。

もちろん、論点、争点を新たに提起するというのも重要だ。特に新人候補にとっては、これまで取り上げられてこなかった論点を取り上げ、注目させ訴えるというのも大きな役割である。選挙の当選だけを考えるなら、複数の論点をとりあげるとり、ワンイシュー(単一争点)で勝負するという方法も有力である。しかし、もしそのワンイシューが任期の早い時期に解決した場合、その後の議員活動がぼやけてしまう。
所沢市でもかつて大きな争点だったのが、学校給食の自校給食化である。自校給食化とは給食センターでつくった給食を各校へ運搬する方法ではなく、学校ごとに厨房施設を作って、各校ごとに提供する仕組みに変更することである。
当時は、既存の議員があまり熱心に取り上げてこなかったため、住民ニーズの高かった学校給食問題を論点として取り上げたことで、何人かの新人議員が当選した。
 今回のわが会派のマニフェストで言えば、「議会基本条例の制定」が若干それに近い。
学校給食問題のように、ある問題を解決したい、その問題を解決するために公職に就きたいという強力な論点があるわけではないが、現状の政治や行政に不満があり、理想的な姿に近づけるための具体的な事例が論点である。ではそういった論点をどのように見つけ出すか。 
まずは、自分が疑問や不満に思っているポイントを書き出してリストにしてみることだ。
そういったリストを作ってみると、後ほど述べる各種情報源で、既に取り上げられている論点が多いことに気づくだろう。あるいは、ポイントに結びつける政策が見つからない、見つけられないということもあるだろう。他の現職議員や候補者が取り上げておらず、かつ争点喚起力のある論点を見つけるのは容易ではない。なぜかと言えば、現職議員は、鵜の目鷹の目で、新しい論点探しを行っており、大方の論点は出尽くしてしまっている感があるからだ。もちろん、ある特定分野、例えば医療や福祉、情報化など、現在の議員のレベルを超えた専門知識がある方なら、これまでの論点ではカバーしきれていない論点を案出する可能性も否定できない。いずれにせよ、まずは仮説としてリストを作ってみることである。

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