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2011.06  一般質問④ 富士山噴火への対応

東北大地震によって、地下のエネルギーが放出されたことにより、東北地方においては、余震の心配は残るものの、3・11以上の震災の心配は薄らいでいる。一方で、地震学者は、巨大地震と富士山の噴火の連動との関係性を指摘している。京都大学の鎌田教授によれば、過去にも大地震後に富士山が噴火する可能性が多く、一番近い例では、1707年の宝永の大噴火は、宝永地震の実に49日後に起こったとのことで、富士山噴火の可能性はさらに高まったとのことである。
 実際に、この鎌田先生の著書によれば、もし富士山大噴火が起こった場合は、所沢にも火山灰が降ることが予測されている。降灰量は、2cm~10cmの範囲にすっぽり入っている。鹿児島市と違って、火山灰の降灰に慣れていないため、様々な被害が予想される。
 ライフラインで言えば最も心配なのが、上水道である。「火山灰被害を軽減するために」という筑波大学大学院システム情報工学研究科都市防災研究室で発行しているこのパンフレットにも、「降灰によって断水することも考えられます」。また、「水道に多くの灰が入ってしまうこともあり得ます」ともあります。こちらの雑誌ニュートンでも同じような記事が掲載されています。
くわけん 埼玉県の大久保浄水場もこの2cm~10cmの範囲に入っている。大久保浄水場の噴火による火山灰対策はどうなっているのか?浄水場に屋根はあるのか?
青木水道部長 大久保浄水場については、開放水面に屋根等は設置されていない。

くわけん 所沢市の浄水場の対策はどうなっているのか?
青木下水道部長 開放水面については密閉状態になっている。
くわけん もし、埼玉県からの水道の供給が滞った場合は、所沢市の地下水で対応することになると思うが、現在は、1万トン、1日の消費量の約10%まかなっているが、どこまで供給を増やすことができるのか?
青木水道部長 地下水の回復状況を見ながらの取水となるが、所沢市のポンプを最大限稼働させた場合、一日あたりおよそ34,000立方メートルの取水が可能

だいたい、34%ぐらいの供給率ということですね。
浄水問題も深刻だが、降灰の処理も問題である。72平方キロに対して、約5センチ積もった場合、全体で約360万立方メートル、市街化区域に限っても130万立方メートルの灰が降ることになる。灰は雪と違って溶けない。
これだけの灰の処理となると大変なことになる。

くわけん 現状の地域防災計画によれば、この灰の処理はどのように行われるのか?
鈴木危機管理担当理事 現状の地域防災計画には、火山灰処理についての記載はない。災害廃棄物は一時的に北の運動場、それかた北中運動場に保管することになる。その後の最終処分方法は未定。

くわけん 地域防災計画では、富士山噴火は全く想定にはないようだが、今回の計画改定にあたっては富士山噴火のケースも含めるべきではないか?
鈴木危機管理担当理事 降灰による処理量も大変膨大なものになる可能性が大きい。担当部署とも協議して検討したい。市民に対しても火山灰について注視しなければならない情報の提供を検討したい。

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