議案第62号 への渋々の賛成討論
珍しく賛成討論をいたしました。
当麻市長から指摘されて気づいたのですが、当麻市長になってから、初めての本会議での賛成討論だったそうです。
委員会では、よくこういった形の賛成討論はしてきたのですが、本会議場では初めてでした。
内容を見ていただければわかると思いますが、渋々賛成して、問題点を指摘しておきました。
地方分権は、特に地方税についてはまだまだ先、といった印象です。
議案第62号 所沢市税条例等の一部を改正する条例制定についてしぶしぶ賛成の立場から意見を述べさせていただきます。
本条例については、地方税法の一部改正に伴う条例提案とのことで提案されました。地方税法の改正に伴う地方税条例改正は、2000年の地方分権一括法施行以後は、地方税法の改正箇所すべてをそのまま何の思慮もなく取り込むのではなく、それぞれの地域の実情に合わせて、対応することが求められるようになったと理解しております。
また、本年の地方自治法の改正によって、国の安全を脅かす以外の法定受託事務についても地方自治法96条第2項の議決事項に加わったことをみても、地方分権の流れは確実に加速しつつあります。
にもかかわらず、今回所沢市長は、改正の必要性の有無を検討することなく、あたかも、法定受託事務のごとく、機械的に、地方税条例の改正を提案しました。例えば、これまで申告されないという実績が生じていない、たばこ申告税の未申告についての過料をあらたに条例に加えようとしました。同様に、市民税についても過料を科した実績がないにもかかわらず一方的に、過料を3万円から10万円に引き上げるという提案を行いました。
条例制定及び改正の前提条件は、立法事実が存在することであり、過料を科した立法事実もなしに、一方的に過料を引き上げるのは、条例制定権の乱用のそしりをまねかれず、まさに「雀を撃つのに大砲を使ってはならない」という比例原則に照らしてみても、おおいに疑義のあるところであります。
ただ、残念ながら、現行において実態上は、課税自主権は著しく制約されており、所沢市の実情に合わせて、地方税条例を改正すると、そもそも埼玉県や国などが示す地方税条例(例)との乖離が著しくなり、今後の改正において参照条文先が一致しなくなるなどの混乱を来してしまう可能性があります。
とくに、所沢市においては法務部門がきわめて脆弱であり、いたずらに、所沢市の実情にあわせて、条例の修正を行った場合、その後の混乱も憂慮されるところであります。
本来であれば、議会はマグナカルタの時代から、徴税権力のチェックが最大の任務の一つであることからすれば、条例の修正もしくは削除を行うべきところでありますが、今回は、今後の法務体制の充実に期待し、しぶしぶながら、本議案に賛成いたしたいと思います。次回、徴税に関わる地方税条例改正に当たっては、所沢市の実態に合わせた改正案の提案をお願いするものです。