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消防広域化をきっかけに考えること②

こうした、マクロな動きと共に、3月11日の東北大震災の経験を経て、所沢市にとっ
ても行政広域化や合併についていよいよ本格的に検討すべき時期に入ったという思いが
強くなってきています。
 3月11日後、結局1日だけでしたが、西武鉄道が、埼玉県内での運行を取りやめました
。私の妻も、東京への通勤が不可能となり、自動車での出勤も考えたのですが、ガソリ
ン不足もあり、ついに出勤を断念しました。運行取りやめを通じて痛感したのは、従来
から主張していたとおり、所沢は東京のサブシステムである、従属関数であるという厳
然たる事実です。しかも、本当に何かことが起こった時、所沢市の優先順位は必ずしも
高くないこともよくわかりました。電気を止められ、計画停電の対象地域となるという
ことです。これからは地域間競争の時代だと言われ、様々な都市ランキングが発表され
ますが、電気を止められる地域なのかそうではないのか、という事実は衝撃的でした。
どの都市ランキングよりも冷徹にその都市の格付けが示されたと言ってよいでしょう。
 ご承知のごとく、平成17年度実施の国政調査によれば、所沢市民のうち、約6万5千人
が主に都内へ通勤しています。そのことが、この所沢市の安定した税収の基盤であり、
ベッドタウンとしての発展が、地価の上昇をもたらしました。ところが、いざとなった
ら通勤できないという事実は中長期的にじわじわと、ベットタウンとしての所沢市の地
位低下をもたらすことでしょう。にもかかわらず高止まりする地価が、労働生産人口の
流入を阻んでいます。このことは、昨年来、志木市や朝霞市、和光市との比較ではっき
りしてきています。(地価の下方硬直性により、需要と供給のミスマッチが起こってい
る)
 一方、ガソリン不足に見舞われたとはいえ、ベッドタウンではない都市、つまり職住
接近の都市は、今回の電力不足にも対応力が強かったといえるでしょう。所沢市は東京
への依存度の高い都市です。そのリスクが今回顕在化しました。
 今後の所沢市は、職住接近の自立都市を本格的に指向していく必要があります。そう
いった点では、第5次総合計画の視点は、自立都市を指向するなど悪くないと思います
。ただ、残念ながら、「時すでに遅し」といわざるを得ない側面もあります。いまから
自力で、自立都市を目指しても、成果がはっきり現れるのは10年後です。なぜなら、交
通体系の整備や、土地利用の見直し、土地区画整理などは、10年単位の時間がかかるか
らです。所沢市を会社と見立てたとすると、いまから新事業を立ち上げ、収益の柱にし
ようとするとやはり10年単位の年月がかかるのと同じです。会社組織の場合、新たな収
益源確保のために10年もかけていては会社がつぶれてしまいますが、行政は、公益性を
担保しながら事業を進めて行かなくてはいけません。そこで、資本力のある会社は何を
するかと言えば、成長分野の会社を買い取ったり、資本参加したりといったM&Aを実施
します。今日も蚊取り線香で有名なアース製薬がバスクリンを買収した記事がでていま
した。冬場の収益の柱が必要になり、バスクリンを買収したそうです。自治体にとって
のM&Aは合併もしくは、広域連携ということになります

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