2013.09 一般質問④ 市営住宅使用料滞納対策について
くわけん 使用料の債権としての種類は?根拠法は?時効は何年か?
小山街づくり計画部長 市営住宅使用料は、私法上の債権。根拠法は、市営住宅は公の施設ではあるが、事業主体と入居者との関係は、民法の賃貸借契約に基づき賃貸人と賃借人との間で、債権債務が発生する関係と同等であるとの最高裁判決が示されており、民法が根拠。時効消滅期間は5年。
なるほど、市営住宅使用料については、保育料とは少し性質が違うようである。
くわけん 使用料未納の現状はどうなっているのか?過去10年分の過年度分の滞納額で最も金額の多い年度の上位3つ年度の収入未済額の総額と件数をしめしていただきたい。
小山街づくり計画部長 過去10年分の滞納額(収入未済額)で最も金額の多い年度の上位3つは、平成24年度 2,299,000円で31件。次に平成15年度 1,132,400円で2件、平成16年度 713,600円で2件。平成24年度分については、口座残高附則による引き落とし不能や年金の支給にあわせて納入される方など、年度内での納入に遅れたものが多く含まれており、最終的に滞納になるのは10分の1ほど。
くわけん 平成15年度は、2件で約113万円ということだが、この年度の未納者との交渉はどうなっているのか?
小山街づくり計画部長 両者とも既に市営住宅を退去。退去後も催告書の送付、電話での指導等を行い、数年前には両者とも少額ではあるが、納入があった。しかし、その後については、市営住宅家賃以外にも多額の債務がある様子であり、滞納家賃の納入がなされていない状況であり、引き続き催告書の送付、電話での納入指導等を継続して行っており、債権回収につとめているところ。
くわけん 滞納整理に当たっての要綱などはあるのか?ないとしたら要綱を整備したほうがよいのではないか?
小山街づくり計画部長 要綱はない、しかし、要綱の整備は滞納整理事務の効率化にも資するものと考えられ、また、入居者の生活基盤の安定と市民の財産である市営住宅の適正な管理及び有効的な活用につながることから、他市の事例等を参考にするなど、検討していきたい。
くわけん 現状での未納対策はどのような手順で行っているのか?
小山街づくり計画部長 毎月、納期限を過ぎても納入のない者に対しては、督促状、催告書を送付するとともに、電話連絡及び自宅訪問等による納入指導を行っており、滞納家賃の一括納入が困難な滞納者については、分割による計画納入を指導している。にもかかわらず、納入が滞る場合には連帯保証人に対して滞納状況等を通知し、連帯保証人からも納入を促していただくよう依頼して、その徴収に努めているところ。
くわけん 支払督促を行っていないようだが、なぜ実施しないのか
小山街づくり計画部長 家賃滞納という債務不履行の入居者を放置することは、他の入居者や税を負担している一般市民に対して、不公平感を与えることにつながるものと認識している。支払督促など、法的措置を実施していない理由であるが、法的措置へ移行する対象の基準を要綱などで明確にしていないこと、また訴訟等に係る費用が必要となることから、費用対効果などを勘案して、これまでは法的措置を行わなかった。支払督促は、訴訟に比べ費用も少なく、手続きも簡便な方法であるが、一方、市営住宅の入居者は、住宅に困窮している低所得者がその対象となっていることから、滞納者が置かれている状況にも配慮が必要。しかし、支払能力があるにもかかわらす滞納している者など、支払督促を含め、法的措置の対象とする滞納者の基準などを要綱の整備等の中で慎重に検討していきたい。
くわけん 特に管理代行になり、状況次第では債権放棄も進めた方がいいのでは?
小山街づくり計画部長 債権放棄については、債権回収に向けて十分力を尽くし、調査を尽くした結果、債務者が死亡し、相続人も相続放棄している場合や、自己破産宣告など、回収が明らかに不可能なケースについては、債権放棄も債権管理のひとつとして、検討する必要があると考えている。