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2013.12 一般質問② マチごとエコタウン構想について

 今回パブコメを実施している。その素案を拝見すると再生可能エネルギーについて相変わらず太陽光発電偏重。

 しかし、エコタウン構想基礎調査をみると、太陽光以外にも再生可能エネルギー活用余地がある。特に廃食用油は、利用可能量の算定結果でも、太陽光、太陽熱、廃・食品バイオマスに続き、4番目。現状では特に新しい技術を必要とせず、すぐに始められ、効果も高い。そもそも、ディーゼルエンジンはピーナツ油を使って稼働させていたほど、植物油に適合したエンジンシステムである。

くわけん まずこの基礎調査であるが、結局のところ、家庭からでる廃食用油推計は、GJ換算ではなく、リッター換算でどれくらいとなるのか?    
桑原環境クリーン部長 「マチごとエコタウン所沢構想策定に係る基礎調査」で算出したところ、家庭から出される廃食用油の量は、年間約288㌧、リットル換算で320㌔㍑。

くわけん 現状の廃食用油の回収量は?           
桑原環境クリーン部長 平成24年度の廃食用油の回収量は14.5㌧、約16.1㌔㍑。

くわけん ということは所沢市の廃食用油の回収率、5%弱ということ。
先進市である、京都市の回収率は何%か?
桑原環境クリーン部長 平成23年度で約13%。

くわけん まだまだ回収の余地があるということではないか。やはり、スーパーの店頭など、常時回収できる拠点を増設することで、回収率がさらに向上するのではないか?増やす気はないのか?
桑原環境クリーン部長 現在、東所沢エコステーション、リサイクルふれあい館及び東西クリーンセンターで常時、廃食用油の受入を行っている。多くのスーパーでは食品トレー回収や牛乳パック等の常時回収も行っており、廃食用油の回収も進めていただければ、効果があるものと考えているので、今後調査・研究したい。

くわけん 回収した廃食用油をどのように活用しているのか? 
桑原環境クリーン部長 回収した廃食用油については、資源再生業者に1㌔㌘当たり1円で売り払い、BDF(バイオディーゼル)をはじめ、タイヤやインクの原料、鶏のえさ、石鹸などとして活用されている。


くわけん 所沢市では一時期熱心に、BDFを利用していた。現状のBDFを利用している車両数と、回収分ですべて燃料が賄われているのか?
桑原環境クリーン部長 現在、BDFを利用している車両数は、西部クリーンセンターのパッカー車2台、重機3台の計5台。平成24年度に回収された廃食用油、約16,100㍑から1,610㍑のBDF種油が精製される。一方、平成24年度の西部クリーンセンターでのBDF購入量は、4,130㍑で、BDF種油は5%含有なので、206.5㍑となり、所沢市から回収された廃食用油で作られたBDF種油より少ないことになることから、回収分で賄われていることとなる。

くわけん 一般的な軽油と比べてコストはどれくらい高いのか?
桑原環境クリーン部長 平成24年度の消費税込み単価で比較すると、軽油が1㍑あたり、119.1円~133.8円に対して、BDFが1㍑当たり、134.8円~150.9円であり、1㍑当たり約16円~17円高いことになる。

くわけん BDF車のメリットとデメリットは
桑原環境クリーン部長 メリットとしては廃食用油を精製し、燃料として活用することは、循環型社会の形成という観点から大変有意義であること、また、植物由来燃料であることから、二酸化炭素を増加させないということ。デメリットとしては、通常のガソリンスタンドでは給油できず、ある程度までまとまった量を購入し、消防法等で定められた保管施設に保管しなければならないことや、単価的に軽油より若干割高であること。


くわけん 給食調理に利用した廃食油のリサイクルはどうなっているか 
川音学校教育部長 学校給食センターでは、主に揚げ物でコメ油を使用しており、交換後の廃食用油は、廃食用油引取業者に一斗缶(18㍑)当たり100円で売却しており、平成24年度の実績は、第一学校給食センター859缶、第3学校給食センターで841缶。引取業者は、主に塗料や飼料としてリサイクルしているとの事。

くわけん 給食配食車はディーゼルか?
川音学校教育部長 全車ディーゼル車である。第1学校給食センターに7台、第3学校給食センターに8台使用。全車リースで対応。

くわけん このディーゼル車は、車検登録さえ済ませばBDF対応可能なのか?
川音学校教育部長 車輌の販売メーカー、リース会社に問い合わせたところ、BDFを給油して使用することは可能。ただし、BDFの影響で故障が起きた場合は、メーカー保証が受けられなくなることがあるため、注意が必要との事。

くわけん ところで、現在の市長公用車と教育長公用車はディーゼルを採用していると聞く。 なぜディーゼル車を採用したのか
藤本市長 機能面を考え、さらに環境面と経費面、両面を節約するためにディーゼル、市長車はエックストレイルにした。当初は、クラウンハイブリッドを予定していたが、製作時にガソリン車と電気自動車の両方をつくるエネルギーが使われているのでLCA(ライフサイクルアセスメント)の観点からは、環境にいいといえるわけではないという意見も考慮。一方災害に備え、がれきの中でも駆動できるように四輪駆動にしておかねばと思った。しかし、四輪駆動ガソリン車は環境面でよくないので、ディーゼル車とした、車体価格は予定していたクラウンハイブリッドに比べ240万円安く、さらに燃料代も軽油はガソリンに比べ安く、クリーンディーゼルであるため、二酸化炭素削減のため欧州でも約半分がクリーンディーゼル車。教育長車についても、環境と経費を考慮してディーゼル車とした。車体価格は予算より300万円安くできた。

くわけん 市長公用車と教育長公用車はBDFを利用できるのか?
桑野財務部長 市長車については、メーカーの日産に確認したところ、BDF対応不可とのことで、使用した場合5年10万㌔保障の対象外となるとの回答。教育長車については、5%以内のBDFであれば使用可能とのこと。BDF使用については吸排気系部品の不具合が発生するリスクが高まったり、市内に給油スタンドが無いなどの課題もあるので、今後の公用車でのBDF使用について研究していきたい。

くわけん 教育的観点から言っても、教育長公用車と、給食配食車はBDFを利用すべきでは?
内藤教育長 持続可能な社会を形成していくためには、環境にやさしい生活のあり方を考えることは大切。またBDFについては環境にやさしい社会の構築の一つの手段と認識。しかし、コスト面や供給体制などの課題もあり、今後研究を含めた推移を見守っていきたい。


くわけん マチごとエコタウン構想にあらたに廃食用油のリサイクルについて、加える意向はあるか?特に、目標値設定として、回収率を京都市並に、現状の倍、12%を目標にしてはどうか?
桑原環境クリーン部長 構想素々案の段階では、廃食用油の再利用について検討していたが、BDF車を実際に使用している施設の意見も踏まえ、BDFの貯蔵施設や給油設備の設置が必要なことや、コスト高となることなどの課題があり、車輌の不具合が発生した際、メーカー保証が効かないなどの問題があることから、個別の事業として掲載をしていない。しかし、廃食用油を含む資源物のリサイクルについては、資源循環を支える重点事業の一つとして、本構想に位置づけているので、今後についても他自治体の先進事例や社会的動向を見極めながら、調査研究していきたい。

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