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「常磐道でまちづくり」懸賞論文大賞④定住促進へ向けての相双地域における推進のしかけ

③→④の具体的なしかけであるが、Ⅰ)まず常磐道サービスエリア内、もしくはインター近くに定住情報提供センター施設(定住支援サテライト)を設ける。Ⅱ)そこからさらに相双地域に興味を抱いた人には、地域内、いわき市・原町市・相馬市などの中心部に、相双地域へと定住するための準備を進めるための「定住支援集積」を設け、そこへ誘導する。ここでは、この地域に住みたいと願う「人」に対して、住居の提供や職業紹介等、あらゆる支援を行う。Ⅲ)そして、一定程度、相双地域での経済的基盤や人間関係を確立した後に、実際に相双地域へ定住する。

図1:定住促進へむけてのしかけ

図1.bmp

特にⅡ段階では、単なる情報提供に留まらず、相双地域での起業や就職を検討している人に、「貸し店舗」「貸し工房」や「貸し農地」など起業のための施設提供や、教育のための施設やプログラム、また、住居や宅地も提供するなど総合的な支援態勢を定住支援集積では実施する。特に、支援集積を空洞化が進む中心市街地に置けば、中心市街地の活性化にもつながっていくだろう。Ⅱ段階を経て、本格的な定住に移行するのが理想的ではあるが、実際は、定住を断念する、あるいは季節的な定住を選択する場合も出てくるだろう。しかし、いきなり地域に単独で入るより、こうしたプロセスを経るほうが、定住希望者にとっても受け入れ側にとってもリスクを減らすことが可能になるだろう。
こうした、しくみは当然ながら、定年退職後の移住先を求める人々にとっても有用である。特に、相双地域の特徴として、日照時間の長さや降雪量も少ないなど、定年後の居住環境としても魅力的であることはあまり知られていない。こうした人々が、相双地域を観光で訪れて、その魅力を知ることになり、さらなる定住促進が期待できる。
こうした、しくみを運営する推進体制であるが、基本的には、起業支援の枠組みのように、コンソーシアム体制で行うのがよいだろう。新たな別組織を第三セクターで設けるより、それぞれの拠点ごとに、各地域の自治体や商工会議所、農協等が、出向転籍せずに、適宜人を出すという方法が、望ましいだろう。また、相双地域ごとに単一の組織にするのではなく、それぞれが一定の基準を満たしながら、地域の独自性にあわせて、メニューを変えるということも重要であろう。相双地域に、3ヶ所程度のそうしたセンターができれば、センターごとに適度の競争原理が働いて、全体として、移住がさらに促進されることになるだろう。

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