大森彌先生「これからの地方自治と議会の役割」①
本日15日は千葉県千葉市の市町村アカデミーに、市町村議会議員特別セミナーの受講のためにきています。
東京大学名誉教授 大森 彌先生による講義「これからの地方自治と議会の役割」を受講しました。私が興味を持った部分の講義の内容とその感想を報告します。
以前、大森先生が、埼玉県和光市での自治体学関東フォーラム2010では、「地域主権」という言葉に憲法違反の疑義があるとの見解をしめされていました。
今日は、大森先生から、その後の政府の対応の経過についての説明がありました。
政府は法律用語としての「地域主権」の4文字については、ダメという見解をはっきりさせたとのことで、そのかわり「地域主権改革」という6文字は認めたということです。
そして、内閣府に置かれた、地域主権戦略会議設置に伴う内閣府設置法の一部改正の中で、明確に「地域主権改革」について定義づけたとのことでした。
以下、内閣府設置法の該当箇所です。
地域主権戦略会議の設置(内閣府設置法の一部改正)
「地域主権改革」の定義(内閣府設置法第4条・・・日本国憲法の理念の下に、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うように するとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課 題に取り組むことができるようにするための改革
以上 引用終わり
特に、上記定義の中で、日本国憲法の理念の下、という表現がなされたこと、「住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うように する」は団体自治を、「地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課 題に取り組むことができるようにする」が住民自治を示しており、住民自治にも力点が置かれていることを評価しているそうです。
また、原口プランにおいて、地方六団体などへの根回しの段階では含まれていたと思われる道州制についての言及が消え、自治体間連携に置き換わったことを評価していました。このことによって当面道州制は遠のいたのではないかという見解を示していました。
道州制については、道州に国の権限委譲がなされれば、必然的に基礎自治体にはこれまでの都道府県の権限が委譲され、基礎自治体は委譲を受けるためには、人口30万を目途とした合併を促進させなくてはいけない。これ以上の市町村合併は、日本には必要ないとのことから道州制にも反対しているそうでした。
また、2000年の地方分権改革においては、本来であれば都道府県がこれまでの国の中央集権を担う装置から、独自の存在へと発展することを期待したが、国のお先棒を担いで、市町村合併を進めてしまったことにはがっかりしたそうです。
ここからは、私の感想です。
小沢幹事長は、日本全国を30万人規模の基礎自治体に再編していこうという構想をお持ちのようですが、この改革は、スゥエーデンのエーデル改革と似ています。スゥエーデンでも、高齢化社会に対応するために、積極的に市町村合併をすすめ、基礎自治体を集約し、県と基礎自治体の機能分担もはっきりさせました。確かにスゥエーデンは国土がほぼ平坦ですから、日本の国土条件からすれば、エーデル改革のような一律的な合併は無理ですが、現実に特に、医療や福祉サービスの効率的供給の観点から考えた場合、特に国保会計の維持の観点からも、さらなる合併は不可避と考えています。ただ、国保だけを自治体間連携で共同化するという方法もありますが。もし、このままの形で小規模町村を残すとしても、消防や国保、介護などは、広域化は免れない。そうした場合、実際には、基礎自治体の総合性が現実には失われていく可能性が高いです。
それと、大森先生の原口大臣への評価は、和光市のシンポジウム時に比べて、道州制を否定したことと、地域主権の定義をはっきりさせたことで、高まったようでした。
続く