昨日 12月3日(水)行いました委員長報告を掲載いたします。
一部、過去のブログと重複する部分もありますが、掲載させていただきます。
また、3人の議員より、委員長報告についての質問をいただきました。
詳細は、議会ホームページのインターネット中継 アーカイブでご確認下さい。
以下、報告文です。(原稿ベース。実際の報告の際には読みながら少し修正しました)
議会基本条例制定に関する特別委員会の中間報告を申し上げます。
9月定例会以後から、現在までの議会基本条例制定に関する特別委員会における活動と議論の内容について、時系列でご報告申し上げます。
お手許に、9月議会でご報告申し上げた、第二次素案、議会の議決すべき事件を定める条例案、第一次素案の修正箇所を示した資料を配布いたしておりますので、ご参照下さい。
本年10月21日(火)視察で、福島県会津若松市議会を訪問しました。
議会では、まず田澤豊彦議長からごあいさついただき、その後、詳細な説明を事務局次長の小端国彦氏にからいただきました。
会津若松市議会基本条例は最高規範という項目がないことを見てもわかるように、「いまやっていること、これからできそうなこと」を中心に条例化を進めたとのことでした。
会津若松市議会基本条例では、付属機関の設置についての条項があり、三重県議会条例に続き2番目ということです。
付属機関を設置できる根拠として、議会基本条例と同時施行となった、会津若松市議会議員政治倫理条例の条文中にある政治倫理審査会の委員の委嘱状を、もし、付属機関条項がなければ、市長名で発行することになるので、それを防ぐためにも必要とのことでした。
それ以外の点を除けば、他市町村議会の議会基本条例をより手堅くまとめた条例となっていますが、会津若松市議会の特長として、条例制定で満足することなく、積極的に、条例に規定された市民との意見交換会を開催していることです。もうすでに、本年9月に1回開催しており、しかも、市内15行政区で、市議会議員の地元ではなく、地元ではない地域を分担して意見交換会を行ったとのことです。
意見交換会の進め方についても、詳細な計画を立てて実行している点が大変参考になりました。
また、市議会広報誌を拝見して、各議員それぞれの議案に対する賛否が記録されている点が目を引きました。これも、やはり、議会基本条例の趣旨に鑑みれば当然やるべきなので全議員の賛否を掲載する形式としたとのことでした。
やはり、条例案だけ眺めて、どれがいい、どれが悪いという議論ではなく、実際にその条例をどう生かしているかについては、現地でお話をお聞きしないと、その熱意はなかなか伝わらないものだと実感した次第です。
もともと会津若松市がなぜ、このように議会基本条例や議員政治倫理条例を制定することになったかといえば、現議長の田澤議長が昨年4月の統一地方選挙後初の議長選挙で、議会改革について公約して当選したことからはじまったそうです。
議会制度検討委員会が組織され、その委員会に対して、議長は諮問書によって諮問するという形で議会制度についての議論が進んできたようです。
この視察は、議会基本条例に限らず議会制度改革全般にわたって大変参考になった視察でした。
ご協力いただきました会津若松市議会の関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。
平成20年10月30日(木) 第5回議会基本条制定に関する特別委員会を行いました。
平成20年9月定例会で、 最終日、地方自治法第百条の二の規定に基づき法政大学の廣瀬克哉教授に、所沢市の議会基本条例制定にあったって専門的知見からの調査の依頼を議決いただきました。
調査研究を進めるにあたって、事前に特別委員会のメンバーとの意見交換を行った方がよいと判断したため、廣瀬先生からもご同意をいただいたので、意見交換会を午前中に開催しました。
廣瀬先生から何点かのご示唆をいただき、またそれについて、実際に策定にあたった委員を中心に議論を進め、最後には、傍聴の方々からも意見をお聞きしました。
廣瀬先生からは、特に執行部との間に論点となるポイント(閉会中の文書による質問、付属機関、地方自治法第96条の2による議決事件の拡大)や、今後の自治基本条例との兼ね合いなどについての指摘がありました。
その後、会津若松市議会の視察を受けて、所沢市としては、どの範囲で条例制定するか改めて確認したところ、全体として会津若松市議会と同様のスタンスで取り組むことを再確認しました。また、会津若松市で、議決責任(自分がたとえ反対した議決であったとしても、議会として議決した以上は責任を負うこと)を条文化している点は見習うべきだという意見も出たので、議決責任の条文を付け加えることとしました。
続いて、前文の検討に入りました。部会のそれぞれのメンバーが思いのこもった前文案を作成していただきましたが、どれも優劣付けがたいということになり、石井委員の案をたたき台にして、委員長の私と荻野副委員長とで案をねることになりました。
本年11月14日(金)午前10時から午後5時まで、第6回目の委員会が開催されました。
この日の委員会では、第一次素案に、第5回目の委員会での議論をうけて、
新たに議決責任を加え、それ以外の条項については削除を含めて検討していくこととなりました。
また、第1条、第10条、第11条については、次回の委員会で議論することとなりました。
資料として、
荻野副委員長が作成した第一次素案とその解説、及び執行部等との協議によって問題点が指摘された項目を一覧にした表と、中村委員のお知り合いの明治大学教授 村上順先生からのご意見をいただいたものを中村委員がまとめた表2を参照しながら、逐条的に議論をすすめました。
その結果、1つの追加条項と、いくつかの削除条項、修正条項および条項の入れ替えが発生しました。
削除については、
1)条文の趣旨を検討した結果、条項として単独では取り上げないこととしたため条項全体を削除したもの
2)趣旨そのものは残すが、条文の構成上、他の条文と重複している、あるいは、とくに改めて条文を設ける必要性がない、他の条文の中に移動する、別条例として分離などによって削除されたもの
3)第一次素案の段階で両論併記であったが、今回の議論で確定し、採択されなかった条文を削除したもの
などに分類されました。
1)その趣旨も含めた条項全体の削除に該当する条文は、
第一次素案における第9条(議会モニターの設置)についての第1項、2項です。議会モニターそのものが先駆事例の栗山町では、あまり有効活用されていないという議論があり、削除しました。
以下、特に断らない限り、各条は第一次素案における条文です。
第21条(議会事務局)
3 議会は、専門的な知識経験等を有する者を、任期を定めて議会事務局職員として採用する等、議会事務局体制の充実を図ることができる。
は、そもそも所沢市には任期付き採用の制度がないことから、この条項は、当該条例の改正も必要となることから削除いたしました。
第26条(調査機関の設置)については、現在の公聴会や参考人制度の弾力的な運用で対応できることから削除いたしました。
第30条(最高規範性)については、今後制定が予定されている、いわゆる自治基本条例との関係も考慮し、前文に趣旨を盛り込むことを検討することとし、削除されました。
2)条例作成上の技術的問題から削除された項目については、
第4条(議員の活動原則)
(3)市民全体の代表者として、高い倫理的義務が課せられていることを常に自覚すること。
は、別条で、議員の政治倫理については記述されているため削除
第6条(市民参加及び市民との連携)
1 議会は、市民に対して積極的にその有する情報を発信し、説明責任を十分に果たさなければならない。
4 議会は、市民との意見交換の場を設け、議員の政策立案能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るよう努めるものとする。
5 議会は、市民からの請願を尊重しなければならない。
は他条文と重複するため削除しました。
第7条(議会報告会)
2 議会報告会に関することは、別に定める。
第8条(パブリックコメント手続)
2 パブリックコメント手続に関することは、別に定める。
は別に定めるは特に、条文に盛り込む必要がないため削除しました。
第10条(議員と市長等執行機関の関係)
(3)市長等は、議員の質疑及び質問時間に配慮した簡潔な答弁をするよう努めるものとする。
については、議運での協議をお願いすることといたし削除しました。
第13条(予算及び決算における政策説明)を削除し、第11条第2項としました。
第14条(法第96条第2項の議決事件)全体については、削除し、あらたに別条例として分離し、その条例素案を次回までに提案することとしました。
第15条(議員間の自由討議による議会としての合意形成)
2 議員は、議員相互間における十分な討議を通じて議会全体としての合意形成を図り、政策立案、政策提案等を積極的に行うものとする。
は語義定義があいまいなため削除しました。
第16条(政策討論会)
2 政策討論会に関することは、別に定める。
は、別に定めるは必要ないため削除しました。
第17条(委員会の運営)
1 議会は、社会経済情勢等により新たに生じる高度で複雑化する市政の課題に適切かつ迅速に対応するため、委員会を運営するよう努めなければならない。
は、続く第2項と重複するため削除しました。
3)両論併記とされていた条項の削除については、
第10条(議員と市長等執行機関の関係)の(2)当該議員に対し質問の趣旨の確認をすることができる。および、(2)´当該議員に対し反問することができる。について、(2)´を採用し、(2)を削除しました。
また外来語の使用について全体に整理しました。
ユニバーサルデザインやパブリックコメント手続きなどの外来語使用箇所については、ユニバーサルデザインについては、敢えてこの語句を条例中に残すこととし、パブリックコメント手続きについては、意見提案手続きに変更いたしました。
章の追加も行いました。
第5章【議会における審議】を追加しました。
既存の条例が存在し、その条例に言及する条項については、条文作成の慣習にしたがい修正しました。
第19条(政務調査費)、第23条(議会図書室)、第28条(議員定数)、第29条(議員報酬)についてはそれぞれ、別条例が存在するため、別条例名を第1項に明示し、その他の項目を第2項以下に整理しました。
その他、あいまいな語句の修正や項目順序の入れ替えなどを行いました。
本年11月19日(水)第7回議会基本条例制定に関する特別委員会が開かれました。この日は、前文について、議会の議決すべき事件を定める条例について、第10条(閉会中の文書による質問)を中心に議論を行いました。
前文については、委員長・副委員長提案の前文について議論を行い、修正し、協議の結果、委員会案を作成しました。
続いて、第10条(閉会中の文書による質問)についての議論を行いました。
(閉会中の文書による質問)の条文がある、島田市議会、伊賀市議会、邑南町議会の運用事例が事務局から報告がありました。
第10条については、むしろこの条項があることで、資料請求が制限される、通年議会が実現すれば、必要ないなどに基づき削除すべきという意見もありましたが、やはり何らかの濫用を防ぐ規定を設置しても残すべきという意見が大勢を占めたため、条文をどのように改正すべきかについての議論を引き続き行いました。緊急時のみと限定をすべき、質問を資料請求とすべき、一人の議員につき年に1回という回数制限を設定すべきなど、の意見が出ましたが、最終的には、
「議員は、閉会中に市長等に対し、文書により質問を行い、文書による回答を求めることができる。」
の「議員」を「議会」に変更することが決定しました。
また、議会の議決すべき事件を定める条例案については、議決すべき事件の追加が容易にできる条例案が選択されました。続いて議決すべき事件についての案として、委員長から4つの案を示しましたが、
(1)基本計画(法第2条第4項に規定する基本構想に基づき市政の基本的な事項について作成する計画をいう) を策定し、変更し、又は廃止しようとするとき
(2)都市計画法(昭和43年法律第100号)第18条の2第1項の規定に基づく都市計画に関する基本的な方針の二つが選択され、報告すべき条例案が確定しました。
第1条については、原案通りでよいということになり、また、第11条(議会審議における論点情報の形成)についても、前回修正した内容に変更は加わりませんでした。
以上、前文、条例本文、議会の議決すべき事件を定める条例の委員会案がまとまり、11月21日(金)の議会基本条例に関する調査報告会および意見交換会にて、発表し質疑応答、意見を求めました。
以下、前文の加わった所沢市議会基本条例案 第二次素案 及び 議会の議決すべき事件を定める条例案を朗読いたします。
(条文は省略)
今後の日程としては、当初決定し合意した工程表に基づき、平成21年1月29日 午後4時~8時の予定で、今回の第二次素案をもとに、本条例についての公聴会を本委員会主催で開催します。
公聴会開催にあたっては、参考人を所沢市報1月号や、インターネットの所沢市議会のサイトを通じて、公募いたします。
同時に、1月から、パブリックコメントも実施予定です。また2月には、本条例についてのミニシンポジウムの開催も予定しており、ここでも広く市民の皆様からの意見を聴取する予定です。
以上 報告を終わります。