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2013年01月24日

くわけん市政かわら版電子版 2013年新年(36)号 ⑥

関係者の処分が行われたが

 この一連の失態に対して、所沢市は担当部長と次長には文書注意、担当課長、主幹、担当リーダーは戒告処分を受けたことが委員会において明らかになりました。
 率直にいって、軽い処分であるとの思いを禁じ得ません。担当部長だけでなく、このケースでは、市長も何らかの責任を取るべきです。藤本市長は、平成23年11月には、市長職に就任しており、いくら前任者からの引き継ぎであったとはいえ、少なくとも2工区の事故繰越を行わなかった責任が残ります。せっかく、狭山ヶ丘中学校の冷房工事を中止したことで、節約できた市債額約8500万円そっくりそのままの金額が、市財政から失われたのです。
 議案説明では遅滞の理由として大震災による東京電力との協議不調、を理由にしていました。1工区については震災以前に事故繰越が議案として提出されており、このような説明をすること自体、震災被害者に対して誠に失礼です。批判ばかりではよくないという方もいますが、健全な批判を議会が行ってこそ、失態の真の原因究明や再発防止が可能になります。
 失われた8400万円の確保のために、不要不急の普通財産を売却するなどの一層の努力をこれから厳しく求めていきたいと思っております。


今回の補助金返還に関わる審議についての
詳細情報は、市議会HPでも閲覧可能です。

会議録「所沢市議会」→「議会の審議情報」→
「委員会情報」→「常任委員会」→『建設水道
常任委員会」→「建設水道常任委員会会議
記録(平成24年)」→「平成24年12月7日」
「平成24年12月17日」「平成24年12月18日」
議案資料「所沢市議会」→「議会の審議情報」→「市長の
提出議案」→「平成24年第4回定例会市長提出議案」
→「議案第96号資料」

2013年01月23日

くわけん市政かわら版電子版 2013年新年(36)号 ⑤

事業凍結も不可能

本来であれば、このような事態に至った以上、1~2工区については、とりあえず、新たな財源支出を再考するため、事業執行を凍結することも考慮しなくてはいけません。ところが、審議を進めるに従って、事業凍結もままならないこと、当初の説明では、補助金の再申請ができるのような説明だったのですが、補助金の電線地中化についての再交付は不可能であることがはっきりしました。

くわけん もう一年様子をみて、国土交通省と話しをして、その次の年度に、申請するほうがよいのではないか?
沖本建設部長 3工区を補助対象として認めていただいたという経緯は、1工区、2工区を市の方で引き続き事業をやっていくということが前提にあり、3工区を補助事業として事業化した。最終的な事業効果がなければ、3工区についても補助金返還の話が出てきますので、来年度についても引き続き今の事業を進めたい。
補助金については、電線地中化後に歩道の整備等もあるので、改めて補助事業として国の方に申請していきたい。

 このやりとりからわかるように、事業凍結をした場合、3工区の補助金ももらえないというのです。
 平成25年度予算では、1と2工区の予算は、金額に多少の前後はあるかもしれませんが、所沢市単独予算としての提案が不可避のようです。
 審議2日目には、実際に現地を視察しました。もう既に、歩道の植木なども刈り込まれており、仮のロープが張られていました。いまさら事業凍結することも現実的には、難しいことも判明しました。 電線を収めるボックスも既に完成済みであることも報告がありました。あとは、電線地中化以降に行われる歩道整備についての補助を期待するしかありません。これほどの補助金返還の例は過去にはないことも報告されました。

2013年01月22日

くわけん市政かわら版電子版 2013年新年(36)号 ④

繰越が可能であったのに

くわけん 事故繰越ができるような状況であれば、2工区の補助金返還はなかったという理解でよいか?
担当課長 平成24年1月の調整会議の際に、電力会社も最終的な図面の確認を行い、ボックスを発注。工場や請負業者の話によれば、順次、造ったものを現場に搬入し集中工事をすれば、なんとか3月いっぱいに完成するということもあったが、ボックスの完成がおくれたというのも一つの要因。
くわけん 事故繰越をしておくべきところをしなかったのは、不作為ではないのか。
沖本建設部長 市として、業者の工程表をより入念に確認していれば、こうならなかった。業者に詳細な工程表を組ませるべきであった。確認が甘かった。

もし、事故繰越の手続きを済ましていれば、単純に計算して、約4200万円は、返還しなくてもよかった可能性があります。 これらの判明した新事実を受けて、附帯決議の二つ目を提案することとしました。「二、補助金返還にあたり、事故繰越等の適用可能性があったにもかかわらず、それを逸したことは、事務処理が不適切であったといわざるを得ない。今後は、関係機関との連携を図り、適正な事務を進めるよう強く求める。」

2013年01月20日

くわけん市政かわら版電子版 2013年新年(36)号 ③

ボックス製作が間に合わず

進行表.png


地元関係者の不同意による混乱に加えて、上図の工事進行表にある「BOX製作開始」という項目があります。このBOX(ボックス)とは、地中に電線などを収容する箱であり、特注でつくるコンクリート製のものです。もし、このボックスの製作が間に合っていれば、1~2工区の工事が予定通り平成24年3月で終了し、今回の補助金返還は発生しませんでした。ところが、案に相違してボックスは予定通り完成しませんでした。市は請負業者ができると言ったので信用したと言っていますが、真実のところは業者からも聞いてみないとわかりません。いずれにせよ、 もしボックスが完成しないことがあらかじめわかっていれば、2工区については更なる繰越が可能でした。
 工事進行表をみていただければわかるように、1工区は平成22年3月に繰越明許を、さらにそれでも間に合わすに、平成23年3月に事故繰越をしています。これで、予定工期を2年伸ばしました。一方2工区については、平成24年3月に事故繰越の手続きを行いませんでした。もし、事故繰越の手続きをしておけば、2工区については、さらに一年の延長が可能でした。

*繰越明許とは、予算を当該年度で使うことが期間的に難しい場合に翌年度に繰越すこと。事故繰越とは、事故のため年度内に支出が終わらなかったことにより行う繰越。事故繰越からさらに繰越は不可能。

2013年01月19日

くわけん市政かわら版電子版 2013年新年(36)号 ②

地元関係者不同意で混乱

今回の工事箇所は、すべて市道、つまり市の土地です。ですから、土地購入の必要はありません。電線地中化によって、地上部に変圧器などを収めた、キュービクルという筐体を設置します。

キュービクル小.png
 

 このキュービクルをどこに設置するかで、歩道沿道の地権者との協議が難航します。自分の所有する土地の前面にキュービクルを設置されたくない地権者の一部が一旦同意しながら、その後、不同意を表明したため、設計などの変更生じ、これで約四ヶ月弱、計画がストップします。
(最終的には同意)

 委員会でも沖本建設部長が、「地元から要望がでている事業であり、(略)問題があった時は、本来であれば、地元に1回戻して、地元として再度調整してくれないかというべきであった」と回答しています。
 今回、委員会では、こうした議論を受けて、議案に附帯決議二項目を付しました。その一つが「一、本来、市道は、市に帰属するものであり、関係者との調整に手間取った事は、遅滞理由にあたらない。事業の執行において重大な甘さがあったと指摘せざるを得ない。今後、このようなことが起きないように、慎重な対応を求める。」というものです。

2013年01月18日

くわけん市政かわら版電子版 2013年新年(36)号 ①

  あけましておめでとうございます。小手指ハナミズキ通り電線地中化工事について、国からの補助金8400万円を返還するという最悪の事態となりました。くわけん所属の建設水道常任委員会で、徹底的にその原因究明を行いました。普通は、一日で終わる委員会ですが、予備日も含めて、三日にわたって徹底調査を行いました。関係者の処分も甘いといわざるを得ません。

8400万円の国補助金返還に!

現在工事が進行中の、小手指駅北口から行政道路までのハナミズキ通り電線地中化工事。この工事を巡って、平成24年12月議会で、国からの補助金8400万円を返還する補正予算案が提案されました。これまでも、予定通り工事が進まず、何度も予算を繰越してきましたが、ここにきて、ついに繰越も不可能になりました。そもそも、この工事は地元町会や小手指まちづくり事業協同組合などの要望により開始されました。

 工事の主たる目的は、電線を地中化して、街から電柱を無くし景観をすっきりさせることです。今回の工事では工区は1から3工区に分かれており、3工区のみは、予定通りに工事が終了予定のため、この部分についての国からの補助は返還の必要がありません。

 問題は、小手指駅北口に近い1~2工区です。市当局は、当初工事が遅れた理由として、関係者との協議に手間取ったこと、調査段階ではわからなかった地下埋設物があったこと、工事を計画したコンサルタントが倒産したこと、東北大震災があったことなどを挙げていました。

はなみずき工区.png

しかし、建設水道常任委員会での詳細な審議の結果、市当局の遅延理由とは別の、真実の遅延理由が見えてきました。 

第22回 くわけん市政報告会おしらせ

第22回のくわけん市政報告会を開催いたします。


日時 平成25年2月16日(土)15時~
場所 新所沢公民館 学習室3号